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エレベーターの話(ポメラ日記8日目)

わたしが働いている会社はオフィスビルの中にあるため、わたしは毎朝エレベーターを利用している。

オフィスビルを始め、ショッピングモールやマンションなど、多かれ少なかれ、みなさんもエレベーターに乗る機会があると思う。狭い空間に知らない人同士が密集するという、ただでさえ気まずいシチュエーションで、上の階にいくエレベーターなのに、下の階数を押してしまったという経験はないだろうか。押した途端室内に緊張感が走り、親切な人だと「上ですよ」などと教えてくれるものだから余計に恥ずかしくなる。最近だと自分で「あぁ!間違えちゃった」と大げさに恥ずかしがることで、せめて階数ボタンの近くにいる人に笑ってもらうことにしている。
もうひとつ恥ずかしいのは、降りる階ではないのに、ドアが開くと降りてしまうことだ。降りる前は全然気づかないが、降りた途端に雰囲気で間違いだと気づくのはなぜなのだろう。気づいた時にはエレベーターは閉まっているので戻れないのだが。同じ間違いでもこちらは急に知らない世界に迷い込んだ感覚になり、孤独と恥ずかしさを1人で抱えることになる。「あぁ!間違えちゃった」といっても、その場にいた人にとっては大きい声で独り言をいう怪しい人だ。こういうときは、あたかも「この階で降りたかったから降りたんです」という顔をして階段を使う。

わたしのようなうっかりさんがエレベーターに乗り込んできたら、みなさんはあたたかく見守ってほしい。

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