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薪に臥して天を諭す

2024年6月14日。奥川恭伸が京セラドームのマウンドに立った。1軍登板は2年ぶり。勝ち投手になれば3年ぶり。

「何故か怪我。また怪我。」と1年を棒に振るシーズンが続いた。時間が経過する。まだ若いとはいえ同期の中には完全試合をする投手、エース級の選手、1軍で活躍する選手が続々と現れ先を越された。

今年の春季キャンプでようやく1軍スタート。腕を何度も何度も何度も振った。春季なだけに制球や変化球は仕上がり次第と思っていたが、体格もガッチリして直球の力強さが増していた。リリースポイントも変えた。何処で出力を100に上げて投げるか工夫が見えた。

束の間、また怪我。幸いな事に軽度の腰痛。腕は何度も何度も何度も振り続けた。

戸田球場で段階を踏み遂に1軍Goサインが出た。

1軍に返り咲くまでしてきた事が無駄ではなかったと証明するような投球だった。

・使用した球種
ストレート
スライダー
カーブ
フォーク

序盤はフォークに落差があり過ぎたからか明らかなボール球はあったが、直球で押し込みカウントを整えてフォークやスライダーで打ち取る。圧巻だったのは制球とランナーを置いてからのギアチェンジだろうか。ゾーン内で勝負をするからかストライク率は64%。堂々と真っ向勝負。ゾーン内で勝負をするも打たれる率も高くなる。リスクだがギアチェンジをすれば引き出しが豊富だ。出来る本来のスタイルを1軍で魅せた。

奥川恭伸、980日ぶりの勝利投手だった。

腕を何度も何度も何度も振り、能登に元気を与えてほしい。素晴らしい姿だった。

【あとがき】
泣かないわけがない。
一言なら〝あとがき〟は書かなくても良いか。

逆境を乗り越えた復帰の軌跡だった。
成長を物語る登板。
京セラドームの奥川コールは凄かったね。
まぁまぁ〝あとがき〟を書いてる。

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