掃除するように「ながく」歌う

わたしは、ながく歌っている。
「ながく」というのは毎日のように歌っているという意味でも、小学生のころから社会人3年目くらいまでどこかしらの合唱団に入って歌っているという意味でも。

必然的に歌う人も周囲にたくさんいるのだが、彼らからしてもわたしは「ながく」歌っている部類のようなのだけれど、どうにも上達は遅かった。

声量はある方だったので、学生のころは舞台に上がっても目立ちはしていたと思う(ソプラノだったし)。
ただ、楽譜からリズムが読み取れなくて自分で音取りができないし、カラオケではもる音を考えなくてもできるようになったのはここ2、3年ってところ。おばあちゃんとふたりではもって歌うようになってから少なくとも25年以上経っていると思うけれど、それを考えると成長が遅いのである。

なんでだろうと考えると簡単で、つまりは考えて練習していないのである。今の空間で歌いたいなとか、今歌いたいという欲は強いのに、じゃあこういう風に歌おうとか、ロングブレストか、声を変えてみるとか、そういうのが全然ない。ただただ、掃除しながら、料理しながら、散歩しながら歌いたい。向上心のないものは馬鹿者だとは思うのだけど、BGMのように考えずに歌うことが好き。

業者でなければ掃除の上達とか考えないと思うのだけど、わたしの歌いたいは掃除に近い、ように思う。

それでもちみっとずつは上達しているみたいで、勝手にはもる音がわかるようになったのもそうだし、楽譜もト音記号なら音だけは読める。初めての曲でもここで入るのかな、みたいな曲入りもわかる。あとはカラオケで地声で歌える音域が増えたりとか。(※合唱になれているそうですぐ裏声になりがち。裏声だと長時間歌っても喉が枯れにくいんだよ)

それでも欲というのは増えるもので、最近は曲を作ってみたい欲がじわじわと湧いている。そのせいでもっと勉強して、ふんわりと雲をつかむように歌っていた中身について知らないといけないと思うようになってきている。まぁ25年くらいでこうなったのであれば、あと30年くらいやっていたら曲ぐらい楽譜に起こして作れるようになるかしら。

飽きっぽいわたしだけど、歌うことだけは続いてきたら、掃除するようにこれからも「ながく」歌いたい。

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