コワーキングスペースに勝手に期待する大きな役割
この記事は大阪・福島駅から1分のコワーキングスペース、GRANDSLAMさんのコワーキングアドベントカレンダー2023の19日目です。
デジタルハリウッドというデジタルクリエイティブに関する大学や社会人向けスクールを運営する会社で広報を担当している山本と申します。トップの画像はデジタルハリウッド大学のカフェテリアです。
私は普段広報の仕事の一環で新卒採用を担当しており、大学生向けの会社説明会ではこのようなスライドを見ていただくことから始めています。
日本の社会人は学ぶことに消極的、ということが分かりやす過ぎる資料なのですが、これが実態というよりは日本人の謙遜する気質が反映されたデータであるとも感じます。とはいえ、日本人が大人になっても学び続けることに積極的であるとは言えそうにないわけです。会社説明会では「今の大学を卒業したらもう学校には二度と通わないと思っていませんか?」と大学生に問いかけると、苦い顔でリアクションされることが多いです。私だってあの頃はそう思っていました。
インターネットが普及し、YouTubeが誕生し、スマートフォンが登場し、そして生成AIが実用化されたりと、私たちが世の中を捉える前提が大きく変わる事柄がこの30年弱で何度もありました。そしてこのようなブレイクスルーが起きる間隔は短くなり、かつ、ひとつひとつのインパクトは指数関数的に大きくなっています。「指数関数的」って一度書いてみたかった。つまり20代までに学んだことだけで人生100年時代を乗り切れるわけがないんです。「人生100年時代」って一度(以下略)。
つまり大人には大学院のようにしっかり学び研究できる場も必要だし、もっと敷居の低いカジュアルに学べる場所も必要です。デジタルハリウッド株式会社が運営するスクールもほとんどが社会人を対象としたもので、こういった場所をうまく活用して頂ければたいへんありがたいと思う反面、それでも費用的に、スケジュール的に、覚悟的にハードルが高いのは事実です。
そこで思うのは、コワーキングスペース(やっとテーマにたどり着いた)のような場所にフリーランスも自営業者も会社員も集まって、日々学び合うような光景がもっとこの社会にはもっと必要だということです。そしてコワーキングスペースこそが学びの場として最適な理由はなにか、それは逆説的ですが、学びの場として設計されていないことです。学びの場は学びを目的とする人だけが集まる場であってはいけない。コワーキングスペースには教室はありません。大抵の場合、メインのスペースには仕切りがなくオープンスペースになっているかと思います。作業をする人もイベントに参加する人も、その間に仕切りがなく同じ空間を共有している。作業に来た人が偶然開催されていたイベントに参加すればいいし、イベントに来た人がそのままコワーキングで協業すればいい。もはや誰の言葉なのか分からなくなるほど言い尽くされた言葉、「新しいものは混沌の中からしか生まれない」ということ。学びも混沌の中にあります。いつか多くの社会人が自分の所属するコワーキングスペースを持って、コワーキングスペースが大人の寺子屋になれば良いなと思います。
と強く思うのは、デジタルハリウッドでもコンテンツと場所を明確に区切る設計を10年以上も前に止めて、あらゆる学びやイベントが融合するように作られていて、これがとてもうまくいっていると感じるからです。最初は「仕切りがなければひとつの授業しかできないじゃないかー(えなりかずき風に)」と思っていましたが、自分の作業をしに来た人がたまたま開催されていたセミナーをじっと聞いていたり、わからないことを担当外の講師を捕まえて聞いたりする光景がむしろ自然でとても良いものに思えてきました。
(補足:大学では科目運営の事情から今も明確に教室が存在しています)
なお、私はテクノロジーが進化していくから新しいテクノロジーを覚える必要がある、とは考えていません。テクノロジーの進化に応じて、より人間が人間らしい営みをするための本質が何であるか、これを考えるのが重要だと思います。生成AIのプロンプトを上手に書けることは大切ですが、そこへ預けてしまえることと、人間がやらなければいけないことを切り分けて、自分の中を豊かにしていく作業こそが学びです。
そしてコワーキングでの学びや人との交流を通じて、デジタルテクノロジーをうまく扱う側にいきたいと思われた方は、ぜひデジタルハリウッドの門を叩いていただければ嬉しいです。またデジタルハリウッドが運営する各学校も単なる学びの場ではなく、さまざまな人が集まってコワーキングする場でもあるということを付け加えておきます。
ということで、吉永さん、このたびは素敵な企画に参加させてくださりありがとうございました。私が大好きな福島エリア、大阪出張の際にはドロップインしに行きます。
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Ryuzo Yamamoto(@Ryuzo)さん / X (twitter.com)
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