≠ME、chuLa、Devil ANTHEM.……アイドルディスクレビュー#28(2/14〜2/20)

1週間でリリースされたアイドルによる楽曲のうち、個人的に気になった楽曲をピックアップしてレビューをしていく連載の第28回。今回は「≠ME」「chuLa」「Devil ANTHEM.」の3組を取り上げます。

・≠ME『チョコレートメランコリー』(2月16日リリース)

2月23日に東京国際フォーラムにて「≠ME 3rd ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」を開催する≠ME。これまでのシングルといえば青春感溢れるフレッシュな楽曲をリリースしてきた彼女たちだが、新たにリリースした『チョコレートメランコリー』は打って変わって狂気的な愛を感じさせるダークな世界観の楽曲になっている。感覚としては『超特急 ≠ME行き』に収録されている「P.I.C.」に近いものを感じるが、ゴシック調のメロディと〈死んでもヒロインでいたい〉といった強烈なフレーズからは新しい≠MEの風を感じさせる。中でも〈一緒にいくって約束したでしょ?〉〈君とだったら…私怖くないよ〉というセリフを歌う菅波美玲と谷崎早耶の色っぽい表現力が凄まじい。

指原莉乃の女性視点で描かれる詞は共感性の高いものが多く魅力であるが、本作でも嫉妬に狂う女性をこれでもかと的確な言葉で表現している。それでいて楽曲の印象からはドロドロとした質感を感じさせず、あくまでもアイドルソングとして仕立てているのが本当に素晴らしい。

・chuLa『ツラみ』(2月16日リリース)

8人組のアイドルユニットchuLaが、メジャー1stシングル『ツラみ』をリリースした。とにかくハイテンポでスピード感のある楽曲をアイデンティティとしてきた彼女たちの新曲は、音羽-otoha(元48-フォーエイトのメンバー)が作詞作曲を担当したことでも話題になっている。メジャー初作品を飾るに相応しく、高速ビートに乗せて歌われる中毒性のある歌詞が印象的なロックナンバーとなっており、ライブでもボルテージを上げてくれそうだ。

自らを戦隊モノに例えた挑戦的なナンバー「おちゅらけ戦隊ちゅらレンジャー」、タイトル通りグループの自己紹介的な歌詞が散りばめられた「We are the chuLa」、恋人との幸せな日々を綴った「SNOW SNOW SNOW」といったカップリングに至るまで高いBPMなのがchuLaだ。

・Devil ANTHEM.『Reflect Winter』(2月15日リリース)

3月から5月にかけて「Devil ANTHEM. SPRING TOUR 2022」を開催するDevil ANTHEM.。グループ初となるウィンターソングとなる表題曲「Reflect Winter」は『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)のエンディングテーマに起用。冬を感じさせる爽やかで、温かいナンバーとなっており、夏曲とは違う大人びた印象の楽曲に仕上がった。

A、B盤の2形態に収録されている共通カップリング曲「by your side」は、君への思いを歌ったエモーショナルなナンバー。対して、メンバーが順にラップで歌詞を歌いつないでいくヒップホップナンバー「Bluesy Bless」(A盤)、EDMサウンドで攻撃なビートを響かせる「CLUB CITY」(B盤)といった、新たな挑戦とDevil ANTHEM.らしさを聴かせている。4月で6人体制となってから丸一年。3月から始まるツアーでは6人の集大成を見せてくれることだろう。

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