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プロレスラーの告白 -Pro wrestler's confession-

「えー!!!プロレスラー!?」

これがプロレスラーだということを打ち明けた時の
1番多いパターンの反応である。
それはいきつけのカフェだったり、ご飯屋さんだったり、Barだったり、新しく知り合う方だったり。
やはり、レスラーというのは珍しいようで、打ち明けた後は興味津々で痛くないのかだとか、ギャラはどれぐらいなのかだとか、色々と聞かれる。

もちろん、嫌な気はしない。
そもそも聞かれたくなければ、言わなければいいのであって、やはりプロレスラーという職にプライドを持っているし、伝える事で興味を持ってもらってあわよくば試合を観に来てもらおうという魂胆まである。

そして、驚く姿を見たいというのもある。
家族や友人、親類、ご近所やそのまた遠い知り合いなどにもそうそういないであろうプロレスラーという特殊な存在を目の当たりにして楽しんでもらいたいという異常なまでのサービス精神が俺を突き動かすのである。

まぁ、その異常なサービス精神がデビュー2戦目での骨折や
今回の脱臼&靭帯断裂に繋がっている可能性も無きにしも非ずなのだが。

そうして最終的にみんな口にするのが「見るからに普通じゃないですよね」や「目立ちますね」などの言葉である。
それはそうだろう。一般男性と比べればガッチリした体型で長身、
びっしりとタトゥーを施した長髪髭面の大男が普通であるわけがない。
が、自分ではそれほど目立つとも普通じゃないとも思ってはいなかった。
しかし、ある件からそれを見つめなおすこととなる。

とあるプロレス関係のお店が新規OPENする際に団体からお花を贈ろうということになり、お花屋さんでメッセージカードに「暗黒プロレス組織666よりってお願いします」と言った際「え!プロレスラーさんなんですか?」と可愛らしい店員さんが興味津々。
「ええ、そうなんですよ」とにこやかに、そして爽やかに答える俺に大輪のヒマワリのような屈託のない溢れんばかりの笑顔で店員さんはこう言い放ったのだ。

「悪役レスラーですか?」

そりゃそうだ。
さ、リハビリにいこう。

ありがと!!