角を曲がる

独り占めしてたはずの不眠症が 私だけのものじゃなくて落胆した

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独り占めしてたはずの不眠症が 私だけのものじゃなくて落胆した

最近の記事

黒い羊

・ 別に望んだ訳でもないのに生まれ着いた、情報の鎖に繋がれた社会。「便利な時代になったね」 「今の若い子たちは羨ましい」 なんて大人は口を揃えて言うけど、フォロワーも仕上がりの写真もビジネスとして流通してるこんな時代より、実力のある人が業界紙に呼ばれ手に付けた職で闘えていた時代の方が余程羨ましい。 押し付けがましい広告も馴れ合いのような宣伝も、自分という異物を排除するべく張り巡らされた赤外線のように思える。でもそれは "みんな" にとっては当たり前のことで、はみ出し者を指

    • 正欲 - 朝井リョウ

      「幸せの形は人それぞれ。 多様性の時代。 自分に正直に生きよう。 そう言えるのは、本当の自分を明かしたところで、 排除されない人たちだけだ。」 多様性。 幅広く性質の異なる群が存在すること。 対義語は、画一性。 すべてのものが一様で、各々の個性や特徴が見られないさま。ひとつの枠に当てはまるさま。 一様とは、世間によくあり、ありふれていること。 "多様性"が指すもの。それは、"一様ではない"もの。 つまり、"世間にありふれていない、ひとつの枠に当てはまらな

      • 山本耀司

        「知りたいなら検索するな。頭しか使わないヤツがデザイナーになれるはずがない。」 高姿勢な見出しに釣られ目にしたWWDの記事。 山本耀司の言葉だった。 Y'sは1着持っているが、あまりヨウジヤマモトのルーツに触れたことはなかった。 確固たる地位を築いた自らの仕事を、「ファッションデザインという職業そのものへの反発から始まった」と言う。 筆録の下部へ進むほど彼の根底を覗けるような気がしてスクロールしていった。後に、この行動がどれほど安直かを思い知らされた。 「何か知り

        • ソワレ

          「傷付くために生まれてきたんちゃうやん」 そう言って逃げた2人だけの世界は、手を汚しても、身体が汚れても、綺麗事なんて1つもないのに、とても綺麗だった。 世間的には真っ当に生きてるであろう大人たちですら悪者に思えた。 弱いものを必死で守ろうとする生き方が正しくて、どれほど人間に傷付けられても 「独りは嫌だ」 と泣きつける相手がいて、「俺も空っぽだから」 と無条件に抱き締めることが愛だという、そんな世界だった。 目の前で起きた事件の当事者