例えばゆるい幸せがだらっと続いたとする

皆さんは、アジカンの「ソラニン」を知ってますか?

浅野いにおさん原作「ソラニン」が、宮崎あおい主演で映画化された時の主題歌です。

作詞も、浅野いにおさんがしています。


私は、漫画も、映画も、歌も好きなのですが、

この歌、前向きなようでネガティブっすよね。


「できる人」じゃなくて、どちらかというと「できない人」の主人公たちが、泥臭く生きてる感じがすごく好きなんですが、「今のままじゃダメだ」「自分は何か変わらないと」って必死にもがいてる感じがして、それが好きなんですけど、それがすごいネガティブで。

「さよなら」って言葉が何度も出てきます。

今の自分、過去、自分の嫌いなところ、その時手にしてたはずの幸せにまで、「さよなら」を告げてる歌なんですよね。

前進してるようで、一番引きずってる感じがして。。

人間臭い感じがめっちゃ好きです。


この作品に初めて出会ったのは、高校生の頃でした。

当時好きだった人から漫画を借りて、好きな人フィルターとか関係なく、「これはヤバイ」と、どん刺さりしました。

メロディの付いていない歌詞を何度も何度も読みました。


「平凡になりたくない」と思う自分と、「平凡なままでいいんだ」と思う自分をはっきりと感じたのはこの時が最初だったと思います。


平凡に、よくある「幸せ」を掴んだとしても、きっと「悪い種」が芽を出して、さよならなんですよ。。

現状に満足して、その幸せを守り続けても、虚しさがどこかにあって、「お前それでほんとにいいの?」っていうどこから来てるかわからない自責の念みたいなのがあるんですよ。

満足すると成長が止まる、ってよく言うけど、

多分それと似てて、満足したらそれ以下にもならないけど、それ以上にもなれない。

それ以上になるためには、辛くてしんどくて不幸せな道を選ばないといけないかもしれない。

でも、それでも、「ソラニン」が出てこないように、新しい自分にならなくちゃ。


誰もが抱えたことのあるモヤモヤが、この一曲にまとまってると思います。


「ソラニン」って、ジャガイモの芽の毒のことなんです。

でも、その毒がないと、ジャガイモは育たないんです。


人が這い上がろうとする時は、いろいろあると思うんですけど、幸せな時じゃなくて、幸せでいることが不安になった時っていうのがあると思います。

悪い種が芽を出そうとして、初めて、幸福感が危機感に変わってもがく。足掻く。

ジャガイモが毒に触れないと生きていけないように、人間も、毒がないと成長できないんですかね。


何が言いたいかっていうと、

宮崎あおいかわええ。




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