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「ミッション、パーパスは無意味である」は煽りすぎてない?

こんにちはー、ryuuchamです。
最近はInitial Engineという会社でDXコンサルティングに加えて、生成AIソリューション開発などをやっています。
暇があれば生成AIについて考えたり開発したりしていることが多いのですが、GWは積読を消化すると決めてました。
GWに「戦略と要諦」という本を読んで、戦略の本質について考える機会があったのでこの本から得た重要なポイントを残しておきたいなと思います。

一言で言えば、「ぬくぬくやってんじゃねーよ!」的な刺激をくれる本だったなと。。

ビジョンやミッションだけでは戦略とは言えない

本帯にはミッション、パーパスは無意味である。と堂々とかかれているのですが、これはやりすぎな気がしますね。
コンテキストが入っていないから誤解を生む。売りたい気持ちはわかるけれど、こういうのはやめてほしいなー。。(日経新聞出版だしなんかなおさら)

正しくはミッションやパーパスを立てるだけでは戦略とはいえないという内容でした。
組織に対してミッションを掲示して方向性を指し示すにはもちろん有効ですが、それで経営がうまくいくかどうかは話は全く別。
抽象的な方向性だけでは不十分で、具体的な行動に紐づいていなければ意味ないと。
真の戦略とは、現実の課題に正面から向き合い、実行可能な施策にまで落とし込むこと。
そこに経営者の覚悟と実行力が問われるのだと感じました。

優れた戦略を立てるコツ

では、効果的な戦略を立案するには何が必要なのか。

一つ目は、課題の本質を見抜くこと。
例えばDXでいうと、既存システムの老朽化や属人化など、表層的な問題はあるものの本質的な課題は別なところにあるというようなことがよくあります。
「イシューからはじめよ」や「コンサルを超える問題解決と価値構造の全技法」でも語られていましたが、いわゆる課題のチョークポイント、ここを絞めたらいけるところを見つけるということが大切だよということですね。

二つ目は、勝負所を見極めること。
自分たちが何に強いのか、どこにリソースを全集中させればいいのか、投資対効果や実現可能性を多角的に評価し、優先順位をつけることが肝要みたいです。
ここはポーターのポジショニングアプローチに近いかもしれません。

三つ目は、漠然とした長期目標に頼らず、具体的で一貫性のある行動に落とし込むこと。
「どうやってやるか」を考え抜き、選択ではなく行動を設計する姿勢が欠かせません。
これはとにかく考え続けろということ。

権力を放棄しない

結構響いたのはここかもしれない。

乗り込む船がどこに向かうかを示して、期待させて船にのせたらそれで終わりというジャーニーだとまずうまくいかないということですね。
この辺りがミッションだけだとダメだーというポイントで、意思決定だけが仕事ではないというポイントでもあります。

戦略を実行に移すには、リーダーシップが重要な要素です。
ここでいうリーダーの役割は、誰がどこでどう戦うかを決めて方針を示し、部下任せにせず自ら行動を促すことだとも述べられていました。
マイクロマネジメントまではいかないものの、あれをやれ、これをやれ、ということがおそらくあまりにも少なくなっており、答えがないからこそそこを考えるのを怠ってメンバーに任せるケースが多くなっているということかと。
つまりリーダーは思考して行動案を決めて、自ら動くことから逃げんなよということだと解釈しています。

目標設定と戦略は違う

本書では目標設定と戦略の違いについても言及されていました。
目標設定は意思決定であり、何に重きを置くかを決める行為だと述べられています。つまり、具体的な数値目標を設定するということは、組織として何を重要視するかを明確にするということなのです。

しかし、目標はあくまでも管理のためのツールであって、戦略とは異なります。「Measure What Matters」で紹介されているOKRの考え方を借りれば、目標(Objective)は「インパクトのある野心的な目的」、成果指標(Key Results)は「具体的で測定可能なマイルストーン」と言い換えられます。つまり、目標設定とは、達成すべき本質的な価値を見定め、その実現に向けて進捗を管理するための手段なのです。

一方、戦略とは、目標達成のための具体的な方法論を示すものです。課題に正面から向き合い、自社の強みを活かし、競争優位性を確立するための実行計画と言えるでしょう。目標が「何を」を定義するものだとすれば、戦略は「どのように」を描くものだと言えます。

OKRについてより深く理解したい方には、「Measure What Matters」がおすすめです。OKRを通じて組織のアライメントを高め、従業員のエンゲージメントを引き出す方法が具体的に解説されています。

まとめ

「戦略と要諦」を読み、いろいろと考えてみましたがなかなか耳の痛い内容が書かれていたなと思います。
わりと組織をリードしていると個人の尊重やチームワークを意識するあまり、考えて決めて行動し行動させるというところが抜けがちになっていそうだなと気づきを得ました。
真の戦略とは、言葉だけの空論ではなく、現実の課題に立ち向かう実践的な指針だと再認識しました。


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