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引渡しを受けると小さくなってしまうマンションの床面積!?

「マンションを購入するときはお部屋が70㎡以上あったのに、引渡しを受けた後、登記したら面積が70㎡を欠けてしまったんだけど大丈夫ですか?」といったご質問をたくさんいただきます。

結論からお話ししますと、まったく問題ありませんのであまり気にされる必要はないでしょう。

その理由になりますが、まずマンションの販売時に説明される床面積は、建築基準法施行令2条3項(面積、高さ等の算定方法)に基づいた、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分(鉄筋コンクリートの壁や柱の中心線で囲まれた部分)の水平投影面積(壁の芯により計測する面積)です。

ところが、引渡しを受けた後、お部屋を登記するときは不動産登記法施行令(昭和三十五年八月五日政令第二百二十八号)最終改正年月日:昭和五八年一〇月二一日政令第二一九号の第8条(建物の床面積)に基づき、一棟の建物を区分した建物(マンションのお部屋=専有部分)については、壁その他の区画の内側線(内法)で囲まれた部分の水平投影面積により、㎡を単位として定め、1㎡の1/100未満の端数は切り捨てられることになっているからです。

ちょっと分かりづらいかもしれませんので、実際の間取り図を使って見てみましょう。


まず、青い部分が不動産登記法施行令に基づいた面積算定部分になります。
よく見てみると、浴室付近とトイレの奥のほうには青くなっていない部分があることが分かります。

この部分は排水縦管(上階の排水が自分の部屋を経由して下階に排水するための排水管)が設置されている共用部分のパイプスープとなっているため、専有部分の面積から除外されているわけです。

さらによく見てみると、洋室1の一部やウォークインクロゼット内の一部に柱が出っ張った部分も青くなっていることが分かります。

これは、本来でしたら柱部分は面積に参入されないはずなのですが、お部屋内に凹凸した部分がある場合は、その部分も面積に参入されることになっているため、必ずしも柱や壁の面積が参入されないわけではないのです。


【区分した建物の内壁に凹凸がある場合の面積算定】

とは言え、不動産登記法に基づき算定されるマンションの床面積は、原則、壁や柱、排水管縦管が設置されたパイプスペース(共用部分)は面積に参入されないことから、必然的に引渡しを受けた後のお部屋の面積は販売時の面積よりも小さくなってしまうのです。

よって、マンション販売時の面積よりも引渡し後の面積が小さくなってしまってもまったく問題ないことがお分かりいただけたことと思います。

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