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実は給付金の使い方には正解があった

みなさんのコミュニティでもきっとこんな問いかけが頻繁に起こっているはずである。
 
 
「ねぇねぇ、10万円でなに買うの?」
 

 
この雑過ぎる会話の呼び起こしは、もちろん例の給付金の使い道に対してという意味である。
 
ところでこの例の給付金についてなのだが
 

・正式名称は?
 
・何で給付されたの?
 
 
 
・・・・・・。
 
 
面目ない。 ボーッと生きてしまっていた。
 
 
 
この例の給付金。正式には
 
 
 
特別定額給付金(新型コロナウィルス感染症緊急経済対策関連)
 
 
 
というそうだ。
 
 
 
何で支給されるのかは、書き写すのが面倒なのでスクリーンショットを張り付けさせていただく。

 
総務省のホームページから拝借してきたので、この内容が公式見解であることは間違いないであろう。
 
耳ざわりの良い言葉がクドクドと書かれてはいるが、結局のところ目的は「家計への支援」のようだ。
 
 
 
         ◇
 
 
 
この定額給付金に関して世論は、やれ「バラマキ」だの「安倍政権の愚策」だの「弱者に特化すべき」だの「生活保護受給者は要らねーだろ」だのとまあ好き勝手に言いたい放題であった。
 
また一部政治家やお金持ちを中心に「辞退」や「寄付」という選択肢が生まれ、定額給付金を受け取るという行為がビミョーな感じになりそうな気運も一瞬だけあった。
 
戦時中に家庭の金属類を寄付させられた時のように、定額給付金の書類も辞退にレ点を記入させられて町内自治会の強面オバハンに奪われてしまうのでは?
 

イヤだ。イヤ過ぎる!!
 

とまあ、それは誇大妄想だとしても変な空気が流れた事は事実だ。
 
 

ところが。
 
いざ市中に給付金申請書が届き始めると、今度は「うちの市はまだ来ない」「私はもう送ったよ」などと申請書到着競争が勃発するのである。
 
例のマスクも到着競争があるにはあったが、給付金となるとマスクの時の「ネタ感」はない。目の色が違う。
 
そして届いた申請書は、中身の文面を慎重に慎重に読み込んで万全には万全を期して記入する。
 
 
 
もちろん辞退欄のレ点は絶対に打たず
 
 
お行儀よく「行」を「御中」に変えて
 
 
 
そして身分証明の写しなどと共にしっかり封をして、出勤前にしれっとポストに投函するのである。 
 
「バラマキ」だの「安倍政権の愚策」だの騒いでいた人々のほとんども、その一連の所作を粛々と遂行していく。
 
遠足や社員旅行で「あんなところ行きたくねぇよー!」と猛反発した割には、枕投げや宴会の二次会まで楽しみ尽くすような輩がいる光景とよく似ている。
 
 
こんなものだ。
 
 
先般、noteの別のコンテストで「ゆたかさ=お金」は殿堂入りみたいな事を書いたが、ポリシーに対するお金の優位性はここでも如実に表れている。
 
 
 
        ◇
 
 
 
さて、肝心の給付金の使い道をどうするか。
 

総務省は「家計への支援」と謳っている。
 
 
ということは、家賃・食費・水道光熱費・学費・交通費・その他最低限の消耗品費などの足しにしましょうと捉えるのが適当だ。
 
どうやら、特別に「何かを新調しよう」とか「旅行に行こう」とか「旨いもん食べに行こう」とかそういう目的で支給された訳ではなさそうである。
 
これが「経済活性化」や「今回打撃を受けた職種、とりわけ飲食業や観光業のためにも使いましょう」と打ち出されていればそうすべきだ。
 
もちろん含みとしてのそれはあったのであろう。しかし如何せんコロナ禍の先行きが不透明過ぎて、外出関連を公式見解として打ち出せなかったのかもしれない。
 
 
そもそも今回は職種による10万円の価値があまりにも違い過ぎている。
 
 

「何だかわからないけど臨時ボーナスだ!!」
 
という幸運にも影響を回避した呑気な声から
 

 
「10万円ごときでどうしろって言うんだ!!」
 
という不幸にも影響を直撃した悲痛な叫びまで
 
 

それぞれが全て偽りのない本音に違いない。
 
 
前者は新しい洋服買ったりゴルフクラブ買ったりしたくなるのは当然の欲求であるし、後者が文字通り生きていくための資金繰りに充てるのも当然である。
 

どちらも悪くない。もし次に何かしらのアクシデントがあった時には立場が逆転しているかもしれない。
 
 
こればかりは運としか言いようがない。
 
 
 
こんな感じで理屈っぽく考えてるうちに、今回支給された給付金と自分との在り方を決めた。
 
 
 
 
入金を意識しないで普通に暮らそう。
 
 
 
 
翌月給料日前になって「あれ?今月は思ったより使わなかったなぁ。」とすっとぼけ通す。
 
これが「家計への支援」ひいては「家計の足し」のあるべき姿ではないか。
 
 
 
えっ?そんなのつまらない??
 
 
 
いえいえ、今回の給付金は「派手に振る舞わず貯蓄に回さず」が正解なのである。
  
 
本当に苦しんでいる人の神経を逆撫でせず、かといって国からの施しは謹んで受け入れる。 
 
 
日本語で「塩梅」とも表現される、この絶妙なバランス感覚。 
 

これぞまさに日本人らしい侘び寂びの境地なのである。
 
 

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