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在宅業務で感じる言葉選びの難しさ

こんにちは。
僕は今年の4月から、一般企業で働き始めた、一介の新卒社員です。

まだ学生であった時分、集団行動の苦手な僕は、入社直後に行われる予定であった集団研修のことを想像しては戦々恐々としていました。
しかし、僕を待ち受けていたのは、みっちりとした研修ではなく、在宅による研修。
楽っちゃ楽です、とても。
インドア派であり、*通勤時間にあまり意味を感じていなかった僕にとって、願ったり叶ったりな労働環境なのかもしれません。

(*通勤時間も、読書をするなど時間の過ごし方を工夫すれば、充実するのは分かっています。だとしても、通勤で体力を消費するのはちょっと勿体ないし、おうちでも本は読める)

個人的には、この上ない環境なのですが、やはり長所もあれば短所もある在宅勤務。最近、頻繁に感じるのは言葉の重要性についてです。

言葉の役割がどうしても重たくなる

在宅勤務と聞いて、頭の中にパッと思い浮かぶものは、Webミーティングをしながら、パソコンに向かってあーだこーだと話す姿ではないでしょうか。
僕の在宅勤務も似たような環境で行われており、画面越しに誰かと目を合わせながら、あーだこーだと意見を交わしています。

相手の顔は見えています。
しかし、パソコンの前で表情が変化する人はほとんどおらず、こちらに見えている相手の顔は、どうしても無表情に感じられます。
恐らく、僕の顔も無表情に相手には見えている...と言いたいところですが、僕は常に笑っているらしく、リモート下でもゲラだと指摘されることがしばしば。笑

少し話は逸れましたが、このように相手の表情の動きが見えにくい中では、お互いの顔から何かを察することは非常に困難です。
相手が何を考えているのか、また、こちらが何を考えているのか、直接向かい合って話す場合と比べて伝わりにくいと感じる場面が、在宅勤務中に何度もありました。
表情など体の動きが相手に伝わりにくい分、言葉に頼らざるを得ないのが在宅勤務の一つの特徴かな、というのが今の僕の考えです。

また、表情が見えない点に加え、同じものを見ながら話すのも困難、という短所があると感じています。言い換えると、頭の中に浮かんでいるものを一致させにくいという短所です。
例えば、同じ部屋で直接話し合いが行っていれば、同じパソコンの画面や資料を見ながら、指差しなどを交えつつ情報の共有を容易に行うことが出来ます。
しかし、在宅では相手と自分の見えているものが異なり、「これ」や「あれ」といった指示語はほとんど機能しません。
勿論、画面の共有機能などを使用し、見ているものを揃えることはできますが、会話のたびに画面を共有するのも、大変面倒。
そんな面倒を避けようと、言葉だけで質問しようと試みたり、自分の思っていることを相手に伝えようとします。このときはもう、言葉のみが唯一の拠り所になるのです。

そして、新卒である僕たちは、この言葉の扱い方に少し戸惑っています。

きちんと正確に喋るのは案外難しい

言葉だけで相手に何かを伝えることは案外難しいのです。これが僕の今の実感です。

上でも述べたように、リモート下では「これ」「あれ」で何かを指すことはまず不可能ですし、画面を共有していなければなおさら、何について話しているのかすら、明確でなくなることがあります。

データサイエンス系の仕事を行っているのですが、同期との会話で飛び交う言葉は
「このデータは...」
「ここの値の処理についてなんだけど...」
といったものばかり。

想像力を働かせて、(このデータのことだろうな...)と推測することはできます。大抵の場合、できます。
しかし、僕はこの不確実なやり取りが、好きではありません。
相手の言っていることと自分の想像が当たっていれば問題ありませんが、きちんと尋ねない限り、正解不正解は分かりません。
尋ねて確かめれば良いじゃないか、とも思うのですが、その確認を行う時間も、本来必要のない無駄なもの。

相手と思い浮かべているものを一致させるため、「~~って...のこと?」と何度も確認を行ってきましたが、僕も何度も同期から「~~って...のこと?」と尋ねられてきました。
そうしたやり取りをする度、リモート下で言葉足らずでいることは誰かの時間を奪うだけだと感じるようになりました。

とは分かっていても、なかなかすぐには改善できないものです。相手に伝わるように話そうと思うだけで、すぐに実行できるものではありません。

では、何を肝に銘じながら会話に臨み、言葉の選び方を改善していくべきでしょうか。
僕の現段階での答えは、
「相手と自分の見えているものは全く異なる」
というものです。

見えているものを相手に伝えるために

画面の共有をすれば済むじゃん、という話ですが、前述の通り、発言や質問をする度に画面を共有することもなかなか面倒。

言葉でのやり取りが基本となっている中では、「このデータは~...」と話し始める前に、一瞬でも「この」について考え、相手と共有できる「この」だろうか、と見返す必要があります。
「この」が、相手が瞬時に理解できる「この」なのか、意識して修正しなければ、自身の「この」はいつまでも相手にとっては「どこ」のままです。

逐一、「これって~~のこと?」と確認すれば分かるのでしょうが、ちゃんとした言葉のやり取りが初めからあったなら、質問する必要はありません。

というわけで、自分の意見、質問内容を相手に正確に伝えるためには、相手と自分の見えているものは全く異なることを意識し、誰が聞いても分かるように言葉を築く他ありません

ものを言葉によって指すときは、
「前処理を行う前の、~~列のデータについてなんやけど...」
と、とことん範囲を絞らない限り、正確に伝わらないのです。
相手が想像によって補ってくれたとしても、そこに齟齬が生じた場合、修正のために多大な時間と労力を費やす必要が出てきてしまいます。
面倒くさいな、と感じる気持ちもありますが、自分の言っていること、見ているものを、相手に正確に伝えるためには、ここまで突き詰める必要があると思います。

言葉を主にやり取りするのは本当に難しいのですが、このリモート期間は話し方を向上させるための良いトレーニング期間であるとも感じながら、毎日楽しく業務に臨んでいます。

新卒ペーペーのふざけた僕が言うのも失礼極まりない話ですが、在宅勤務をなさっている皆さん、時折自分・相手の発する言葉に注意を払ってみると、何か気付くことがあるかもしれません。

(見出し画像:毛並良好さんによる写真ACからの写真)

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