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隆祥館書店 上半期(2023年1月~6月までの)ノンフィクション本大賞の発表をさせていただきます。(お客さまが、この期間に購入して下さったベスト10です。)

まず、ノンフィクション本大賞の発表をすることに至った経緯についてお伝えさせて下さい。

それは、第1回となる「Yahoo!ニュース|本屋大賞 2018年ノンフィクション本大賞」部門ができた時のことです。

テレビや新聞ではタブー視されて報道できないテーマでも本ならば、流通できるものがある。例え一般的には売れなくても、私たちなりに使命を感じて「ノンフィクション本」のフェアやイベントをしている隆祥館書店にとっては、このニュースは非常に嬉しく、スタッフ全員、興奮状態で、投票に参加しました。

私たちが選んだ作品は、ノミネート10作品にも選ばれました。
さあ、いよいよ大賞です。ところがです、本屋大賞において、ノンフィクション部門に限ってはなぜか、二次選考は実行委員による投票で大賞作を決定するというのです。

最後まで本屋が選ぶことができないという制度を知ってとても残念に思いました。

それぞれに素晴らしい作品が、ノミネートされていましたが、なぜ、ノンフィクションだけは、本屋の投票ではなく、実行委員によって決定されるのか?  疑問が残りました。

実際、耳に入ってきたことは、「政治的なもの」は除外されたとのことでした。何をもって「政治的」と判断されるのか。権力に抗って闘っておられる著者、危険を顧みず現地を取材している著者に対して失礼ではないのかと、憤りを感じ、次回は辞退したのでした。2回目からは、書店員による投票になるのですが、そうなるとは知る由もありませんでした。

 
ちなみに、当時、隆祥館書店で二冊選んだノンフィクション作品『軌道 福知山線脱線事故JR西日本を変えた闘い松本創/著 東洋経済新報社発刊 』は、第41回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」を受賞しました。

松本創 著/ 「軌道」東洋経済新報社

また、もう一冊の『告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実 旗手啓介/著 講談社発刊 』は、第40回講談社ノンフィクション賞を受賞しました。

旗手啓介/著 「告白あるPKO隊員の死・23年目の真実」講談社

とても嬉しいことでした。(この二冊は実行委員による選定で本屋大賞を受賞しませんでした)しばらくして2回目からは、書店員がノミネート全作品を読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票する方法に変わったということを知りました。
 
そして今年2023年からは、2018年以来5年間、続いてきた『本屋大賞 ノンフィクション本大賞』が、運営体制の変更により、実施を中止することになったといいます。

しかし、私たちは今こそ、ノンフィクションは、必要だと強く感じています。

お客様から、本屋大賞のノンフィクション部門は中止になったけれども、隆祥館書店のノンフィクション本大賞を発表して欲しいといくつかリクエストを頂きました。そこで僭越ではありますが、それにお応えして、上半期(2023年1月~6月までの)ノンフィクション大賞を発表したいと思います。(お客さまが、この期間に購入して下さったベスト10です。)


 

【隆祥館書店の上半期(2023年1月~6月まで)ノンフィクション大賞】
(下半期は、2023年7月~12月で発表させていただきます。)

第一位
「コソボ苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う」集英社インターナショナル発刊 木村元彦著 



第二位
「親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語  」  
アルテスパブリッシング発刊 吉原真里/著



第三位
「堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法」                  
幻冬舎新書 堤未果/著



第4位
「ハマのドン 横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録」   
集英社新書 松原文枝/著 



第5位
「ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』 「惨事」を狙うのは誰か」                  
NHKテキスト 100分de名著 堤未果/著



第6位
「はだしのゲン 第1巻 青麦ゲン登場の巻」                 
汐文社  中沢啓治/著



第7位
「私たちが声を上げるとき アメリカを変えた10の問い」集英社新書
 和泉真澄/著 坂下史子/著 土屋和代/著 三牧聖子/著 吉原真里/著



第8位
「ちきゅうパスポート 24人のえほん作家から地球の子どもたちへ」BL出版 

あべ弘士/石川えりこ/加藤休ミ/きくちちき/さかたきよこ/ささめやゆき/スズキコ-ジ/田島征三/tupera tupera/長谷川義史/はたこうしろう/降矢なな/堀川理万子/松成真理子/ミロコマチコ/村上康成/吉田尚令/・ペテル・ウフナ-ル(スロバキア)/ロ-ラ・カーリン(イギリス)/ピート・グロブラ-(南アフリカ)/ホジェル・メロ(ブラジル)/ロマナ・ロマニ-シン&アンドリ-・レシブ(ウクライナ)

第8位
「あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所絵本と詩の教室 」 
                    西日本出版社 寮美千子/著


第9位
「歴史の屑拾い」                          
                                                                             講談社  藤原辰史/著


第10位
「いのちを呼びさますもの ひとのこころとからだ 」                          
KTC中央出版 稲葉俊郎/著



尚、「はだしのゲン」は、漫画、「ちきゅうパスポート」につきましては、絵本ではありますが、世界の事実に即していて、 人々にとっての平和や幸福を追求してくれる本として ノンフィクションと定義しました。

隆祥館書店では、今回、ご紹介させていただきましたノンフィクション大賞の本の展示と共に、それぞれの作家さんによる「お薦め本の棚」を併設しております。国際ジャ-ナリストの方や、アメリカの歴史や政治、社会の専門家、そして、平和のための社会活動をされている方々の素晴らしい作品が、集まっています。お薦め作品のリストを見ているだけでも、知らなかったことを知れる喜びに、気分が高揚してきます。

この機会に、ぜひ書店にお立ち寄りくださいませ。

隆祥館書店ホームペ-ジ https://ryushokanbook.com

メ-ルアドレス ryushokan@eos.ocn.ne.jp

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