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日本酒の可能性で遊ぶ。藤井酒造の実験室『龍勢 Lab.』を 立ち上げます!

はじめまして。藤井酒造の藤井義大(ふじいのりひろ)と申します。

藤井酒造は、文久三年(1863年)、広島県・竹原市に創業した日本酒醸造元で、『龍勢』『夜の帝王』という銘柄を醸しています。
普段、私はその蔵のなかで、主に商品開発、醸造計画・ブランドデザインなどを担当しています。

【プロフィール】藤井 義大(ふじいのりひろ)1983年、神奈川生まれ広島育ち。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校フィナンス学科卒業後、都内のマーケティング会社でマーケティング担当としてメディア運営・WEB広告に携わる。その後、家業である藤井酒造に戻り地域特性を活かした酒造りの探究をしている。

このたび藤井酒造は、『龍勢 Lab.(りゅうせいラボ)』という新しいプロジェクトを立ち上げることにしました。その背景や活動報告をnoteを使って皆様にお伝えしたいと思い、マガジン『#龍勢lab』を始めてみました。


蔵人の探究心と遊び心で日本酒の可能性に触れる、『龍勢 Lab.』発足。

龍勢 Lab.は、「日本酒で楽しいことをしよう!」を合言葉に、藤井酒造の蔵人が日々の酒造りの中で芽生えた興味や疑問、発見などから、「こんな日本酒を作ってみたい!」と思ったお酒を、今までの枠にとらわれず探究心と遊び心を持って研究醸造・試験醸造するプロジェクトです。

1000年前にはすでに醸造方法が完成されていたと言われる日本酒。
“米”、“水”、“麹”という限られた材料から生み出される日本酒の味わいは、びっくりするくらい多様性に満ちあふれています。
そこに麹菌や酵母を加えると可能性は無限大∞です。

“酒”というカテゴリにおいてはとてもプリミティブなものである日本酒で、どこまで自由なことができるのか、クリエイティブなことができるのかに挑戦してみたい!
そんな想いが芽生えました。


きっかけは、生酛造りへと生まれ変わった『龍勢 Limited』シリーズの開発。

2021年冬に販売を開始した『龍勢リミテッドシリーズ』


藤井酒造では、伝統製法へのリスペクトとその技術の継承を目的にクラシックな酒造りを行っています。特に最近の5〜6年では、「革新的な技術の発見よりも、今ある技術をさらに深掘りをしていこう」という方針をかかげ、酒造りやラインナップも大きく変えてきました。

昨年の2021年、私たちは、『龍勢 Limited (りゅうせい・リミテッド)』というシリーズの見直しを行いました。

古来の製造方法である『生酛造り』という、現在では日本国内で造られている日本酒の約2%程度でしか取り入れられていない製造方法に 本格的に取り組み始め、全種類生酛造りのラインナップ『龍勢 Limited』が生まれました。

古式製法の生酛造りで、手間ひまをかけて醸造していく

近代的な酒造りが大半を占める現代において、特に手間ひまがかかるゆえ古い製法となってしまっている生酛造り。特に酵母も添加しない古式製法は世の中からなくなりつつあります。自然とともに暮らしてきた古き良き日本の風習を後世につなげていきたいという想いは、蔵の中の共通認識です。

現在、藤井酒造で醸造している日本酒の約70%が生もと造りとなっており、将来的には100%生酛造りを目指しています。また、自家生産米、自然栽培米の使用や私たちの地元・竹原の里山保全など、より持続的な醸造を実現するための活動も進めていきたいと考えています。

藤井酒造が酒造りを営む広島県竹原市の竹林にて

その一方で、クラフトビールや、最近人気が高まっているどぶろくなど、SNSから流れてくる話題を見ていると、とても自由で楽しそうなんですよね。若い醸造家たちが様々な創意工夫のもと、新しい可能性を開拓している。
そんな世界に、正直ちょっと嫉妬していたりもします(笑)

やっぱり新しいこともやりたいんですよね。
理由は単純。だって、楽しいから!

だったら、自分たちもやろう!
既成概念にとらわれることなく、小さなことから大きなことまでまずやってみて、検証し、そしてこれからの酒造りにつなげていけるような気づきを得る。
そんな実験のプロセスや結果を皆さんと共有して、さらなる新しいチャレンジに繋げていく。それが、『龍勢 Lab.』です。


龍勢が今まで体験したことのない新たなステージへ。

龍勢 Lab.での活動は、藤井酒造がやったことないこと、蔵人が体験したことがないことにチャレンジしていきます。

メンバーはまたの機会にあらためてご紹介させていただきますが、藤井酒造の若手を中心に、楽しみながら“醸造オタク道”を突き進んで行きたいと思います!

「百聞は一見にしかず」とよく言いますが、日本酒においても“米”、“水”、“麹”など原料の配合や熟成方法、理論上の仕込み方法などなど、実験をしてみたい要素を上げればきりがなく、経験の範囲でしか想像できていなかった味わいを実際に体験することは成功失敗にかかわらず、私たち藤井酒造や蔵人にとって大きな財産になると確信しています。

実験から生まれた日本酒は、数量限定で頒布する予定です

また、出来上がったお酒は、“限定頒布”という形で、可能な限り(醸造に失敗することがない限り)、応援してくださる皆様にも手にとっていただきたいと思っています。ごく少量の蔵出しとなるとは思いますが、みなさまとともに新しい挑戦や発見を分かち合えることを心より望んでいます。
藤井酒造の進化の過程を体験してもらえると嬉しいです。

これから私たちが行う実験は、必ずしも真新しいことや、日本酒界において大きな発展につながるような実験・研究ではないかもしれませんが、温かい目で見守ってもらえると幸いです。行き着く先には、とても革新的なことが発見できるかもしれませんし、できないかもしれません。ただ、蔵としてはまだ見ぬ扉を開けるような新しいチャレンジになり、その知見は酒造りに必ず良い影響をもたらすものになることだと思っています。

一つ一つの積み重ねがやがて大きくなり、これから先の伝統へとつながる。そんな活動にしていきますのでどうぞ応援の程よろしくお願いいたします!!



■ 公式サイト

龍勢・夜の帝王の蔵元 | 藤井酒造株式会社 - Ryusei Official Website
創業文久三年(1863年)「龍勢」「夜の帝王」の蔵元、藤井酒造の公式WEBサイトです。広島県竹原市にて自然と共に醸す酒造り

■ オンラインショップ

龍勢 公式オンラインストア|藤井酒造
日本酒「龍勢」「夜の帝王」醸造元、藤井酒造の公式オンラインストア。 直販限定の日本酒や、ギフトセット、ブランドグッズなどを

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