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交流戦を終えて2022年のカープの戦いぶりを振り返る(後半)

(前半はコチラ)

・チーム盗塁数
・史上最少ペースのチーム盗塁数
・チーム本塁打数
・チーム得点数
・バッテリーと打者とのガチンコ勝負
・送りバント

前半部分はココを取り上げて書いていきました。


はじめに

「もうリーグ戦再開したわっ!」

という声が今にも聞こえてきそうだ。
いやセルフツッコミを入れているだけか。

交流戦後のブレイク期間にまとめ記事を書いておこうと思ったのだが、いざ書いてみるとドンドン手が動いて、1つの記事では書き切れなくなってしまった。

それゆえ、リーグ戦再開後に後半部分を書くことになった。
この場を借りてお詫びしたい。

というわけで、完膚なきまでに叩きのめされたヤクルト3連戦のことなんて忘れて、2022年のカープの戦いを振り返っていこう。


参考記事

前半と同じ。
文中の言葉を拾いながら、自分が思うことを述べていく。

以下、出典元が未記載の引用文は上に載せた記事。


⑥:交流戦の主な成績

交流戦では多彩な攻撃を繰り出してくるパ・リーグ相手に劣勢を強いられている。交流戦12試合で打率.219、0本塁打、22得点、2盗塁に対し、対戦相手には打率.264、12本塁打、61得点、9盗塁を許している。

既に交流戦は全日程が終了しているので、数字をまとめ直す。

<カープ>
・打率2割1分7厘
・2本塁打
・33得点
・2盗塁

<パリーグ全体>
・被打率2割6分1厘
・20被本塁打
・83失点
・15許盗塁

<ホークス>
・被打率3割6分3厘
・7被本塁打
・26失点
・4許盗塁

こうやってまとめてみると「ホークス以外は割といけるやん・・・?」なんて感じてしまった。断じてそんなことはない。頭がマヒしているぞ。しっかりしろ。俺。

ホークスとの3連戦、あれは、ひどかった。
3試合、最後まで見届けたことを褒めてもらいたいぐらいだ。

おかげさまで「タラレバが言える幸せ」なんて記事を書くキッカケにもなった。野球観戦の心得に気付かせてくれてありがとうホークス。ネタを提供してくれてありがとうホークス。

(該当記事はコチラ)

”投手と野手は持ちつ持たれつ”

「鬼門の交流戦」という言葉で語られまくったが、要は、こういうことなのかなって思った。

交流戦前は投打がかみ合っていた。
チーム防御率(先発防御率)、チーム打率、チーム得点数などを見ていても、リーグ上位に位置付けられていた。

その歯車がかみ合わなくなった結果、悪循環の連鎖反応が起きて、今に至る。そんな印象を受けた。

成績が示す通り、パリーグに対する苦手意識があるのは認めざるを得ない。だが、それだけで片付けてしまうのは、少々暴論ではないかとも思う。

チームのバイオリズムがちょうど「底の時期」に差し掛かるタイミングで交流戦がスタートした。そして、もともと持っていた苦手意識が再燃して、悪化の一途を辿った。そんな感じ。な気がする。

現状の閉塞感を打破するには、

・野手がカーンと打ちまくって大勝ゲームを作る
・投手がビシッと抑えて完封勝利or完封リレーを作る

同じ1勝でも「ナイスゲーム!」と言いたくなるような勝利をおさめることが重要だと思う。「ああいう勝ち方が出来たんだから今日も行けるぞ!」という成功体験になるような。

今はちょっと、ポジティブシンキング、プラス思考を保つのが難しい状況。精神論的な話になってしまうが、勝てるイメージが持ちづらいと、勝敗にも影響してくると僕は思う。なので、ココを改善していきたい。

1ファンとして心掛けたいのは、こういう時こそ「ポジ要素」を見つけて、物事を良い方向へ解釈することを意識的に行う。それが大切だと僕は思う。

どうしても負けが込むと良くない部分が目に付きやすくなる。賞賛よりも非難批判の声が大きくなる。だからこそ、良いところを見つける。「努力する」と言っても良いだろう。なぜなら無意識に行なうのは難しいからだ。

この取り組みは自制心の向上にも繋がると、自身の経験から確信している。止まない雨は無い。明日からは好調の阪神戦。厳しい試合が予想されるが、この心構えを胸に留めて、観戦に臨みたいものだ。

⑦:チーム盗塁数が少ない原因

「今のメンバーでは走らせられない。(走力のランク的に)SとかAというより、BやCが多い。失敗の確率が高い中で、わざわざリスクを冒す必要はない」(東出輝裕野手総合コーチ)

ココに関しては僕も同意。

「盗塁成功率は70%以上ないと得点期待値が下がっちゃうんだよね」

というのは、野球ファンだったら一度は聞いたことがあるだろう。
そういうのを考慮した上での発言だと僕は受け取った。

(参考記事)

「なぜ盗塁成功率は70%以上あった方が良いのか?」

について詳しくまとめられていたので、引用させていただく。

日米ともに7割以上くらいから優秀と言われていますね。

日本のほうの根拠はちょっとわからないのですが、
メジャーではこの根拠として統計データで
無死一塁の得点期待値:0.896点
無死二塁の得点期待値:1.142点
一死無走者の得点期待値:0.272点
というデータがありまして、このデータから、
1.142×[盗塁成功率]+0.272×(1-[盗塁成功率])>0.896
にならないと盗塁を試みる価値がないと言われています。

で、この数字なんですが、
1.142×[盗塁成功率]+0.272×(1-[盗塁成功率])=0.896
となるのが71.7%の時となります。
つまり、72%以上の成功率が残せない限り、盗塁という手段は
意味がないもの
となってしまうので、これ以上を残すことが求められています。

ですからメジャーで盗塁のできる(能力があり、監督が盗塁してよいという)選手は最低でも盗塁成功率72%が求められているようです。
盗塁成功率の通算ランキング|山田哲人、荻野貴司、西川遥輝ら現役選手が上位!

なるほど。

つまり「無理に走らない方が得策」という判断の上で、今シーズンは、機動力を用いた野球をあまり仕掛けていない。そういうことが言える。

6月20日(月)現在、チーム盗塁数は11。

場面や状況をシビアに見極めた上で、11個の盗塁を決めたのだとしたら、それは価値ある11盗塁だと言って良いのではないか?

なお、チーム盗塁刺は10個の模様(盗塁成功率0.5238)

おあとがよろしいようで。

コホン。

ココに関しては、僕は「イケイケ盗塁」が影響していると思う。

イケイケ盗塁とは何かというと「勢いに任せて走っちゃえ!」という戦法だ。カープのお家芸でもある。と、僕は勝手に思っている。

試合を優位に進めている状況の時、多少ギャンブル気味に、盗塁を仕掛けたりする。表現を変えれば「相手の隙を突いた盗塁」と言っても間違いではないだろう。個人的に好きな作戦でもある。

これは全然走らないと言われている今シーズンでも見られる。
最近は勝ちゲームが少ないのであまり見れていないかもしれないが・・・。

そういうのもあって、僕は「盗塁を仕掛ける場面は試合状況によっても刻一刻と変化する」と考えている。

なので「盗塁成功率が70%以下だと走っちゃダメ!」とは一概には言えないのではないかと思っている。あくまでも個人的な意見として。

このことについて、もっと深掘りして書いてみようか。

⑧:盗塁成功率

「⑦:チーム盗塁数が少ない原因」で取り留めなく書いてきたが、僕は「盗塁成功率ってあんまり気にしなくていいんじゃね?」と思っている。賛否両論、それも否が多そうな話なんだけども。

実際、3連覇を果たした2016~2018年も、盗塁成功率はあまり高くはなかった。「失敗もするけどそれ以上に走りまくるよ~!」というのが見ていて楽しかった。刺激的だった。興奮した。手に汗が握った。

先ほど載せた記事で紹介されている「盗塁成功率ランキング」を見てもそれは明らかだ。3連覇を果たしたシーズンを見渡しても、カープの選手は誰一人として載っていない。あれだけ走りまくったのにも関わらず。

盗塁成功率の通算ランキング|山田哲人、荻野貴司、西川遥輝ら現役選手が上位!

参考までに、2016~2018年の「チーム盗塁数|チーム盗塁刺」を記しておく。

・2016年:盗塁118|盗塁刺52(盗塁成功率0.6941)
・2017年:盗塁112|盗塁刺40(盗塁成功率0.7368)
・2018年:盗塁95 |盗塁刺49(盗塁成功率0.6597)

前述した「選手は最低でも盗塁成功率72%が求められている」という話にならえば、2017年が辛うじてクリア出来ている。2016年と2018年に至っては70%もクリア出来ていない。

ココをどう捉えるか?

人それぞれの野球観によって色んな意見があるかとは思うが、僕は悲観的な見立てはしない。なぜなら、盗塁成功率はあくまでも一つの目安に過ぎず、絶対的な指標だとは思っていないからだ。

確かに「得点期待値」という観点から見れば、70%以上ないと「非効率な攻撃」と言えるのかもしれない。「かもしれない」じゃないな。目に見える数字でそう結論付けられているのだから。

無論、そこに異論はない。
「走らない方が良いのに」という指摘も的を射ている。

だけど、僕はこうも思うのだ。

”行くぞ行くぞっていうプレッシャーって嫌じゃね?”

数値化出来ない部分。
心理的、メンタル的な部分。
そこに盗塁の価値があると僕は思っている。

例えば。

盗塁成功率は70%を下回っているけれども、積極的に盗塁を仕掛けてくる選手が一塁に出塁して、大きめのリードを取って、今にも走ってやろうかという動きを見せる。

これって、ピッチャーとキャッチャー、かなり神経を使うと思う。
僕は野球をマトモにやったことは無いけど、見ていて、そう感じる。

具体的に言えば、ストレート系の配球になりやすくなる。
盗塁を警戒して。
自ずと、バッターは狙いを絞りやすくなる。

もう一つ言うと、コントロールも乱れやすくなる。
ランナーを気にするあまり、バッターと対峙出来なくなったりするからだ。
今年のカープは盗塁阻止率の低さも影響してか、そういう傾向がみられる。

そういう「数値化されない副次的効果」を考慮せず「数値化された得点期待値」のみで、盗塁した方が良い、盗塁しない方が良いと決めつけてしまうのはどうなんだろう?と、僕は思うわけ。

ココまでは「数値化されないプラス要素」 に触れてきた。
ココからは「数値化されないマイナス要素」にも触れてみたい。

それは「走塁死」である。
ココも先に乗せたリンク記事を引用させてもらおう。

盗塁成功率の通算ランキング|山田哲人、荻野貴司、西川遥輝ら現役選手が上位!

・帰塁方向でアウトになると単なる走塁死
・素早い牽制によって一塁上でアウトになると盗塁失敗にカウントされない

2022年のカープの試合を見ている者はお気付きだろうか。

”今年のカープ、牽制アウト多くね?”

僕はそう思う。
あまりガミガミ言いたくない事なかれ主義タイプの僕ではあるが、それでも、やっぱり思う。多いなと。失敗が目立つと流れ悪くなりそうやなと。

前述したが、2022年のカープの盗塁成功率は0.5238。

あっ、取り消し線入れてたのに、普通に書いちゃったよ。
まあいいか。

そこから走塁死も足すとなると、まあ、ハッキリ言って、ひどい。
上手い語彙が見つからないぐらいには、ちょっとひどいなと感じる。
盗塁成功率は気にしない論者の僕もさすがにフォローしづらい。

しかし、裏を返せば、こういう解釈も出来る。

”チーム盗塁数は少ないが隙あらば先の塁を狙う姿勢は出せている”

これは大事なことだ。

「走る素振りすら出さない」となると、相手バッテリーはノンプレッシャーでバッターと勝負出来てしまう。先述した心理的・メンタル的な部分。ソコに負荷を与えられないとなると、文字通り「バッター頼みの攻撃」になってしまう。

そうならないためにも「走塁死のリスクを負ってでも塁上でプレッシャーをかけるのは必要な作戦」であると、僕は結論付けたい。

確かに2022年のカープは走らない。それは僕も同意する。
だけど、結果的に走らなかったとしても「無策」ではいけないと思う。
いかに目に見えない部分、記録に残らない部分で、攻めていけるか。
相手バッテリーに精神的ストレスを与えられるか。

今後は、より一層、そういったところにも目を走らせながら「カープらしい機動力野球」を一つでも多く見つけられるように、観戦に努めたいと思う。

佐々岡さんも、ストップウォッチを持って、熱心にチェックしてるからね。理由は良くわからないけど、佐々岡さんが真剣な表情でストップウォッチ持ってる姿、割と好き。


おわりに

申し訳ない。

「交流戦を終えて2022年のカープの戦いぶりを振り返る」というタイトルと合致していない内容になった感は否めない。自分が書きたい話をひたすら詰め込んだ感じになってしまった。

盗塁成功率について思うことは、大体、書けたと思う。
けどこれ、今年のカープと直結する話題だったんだろうか。
そこはちょっと自信がない。

まあ、カープの野球をずっと見ていて、盗塁成功率について理解を深めていったのは事実だから、的外れな文章でも、ないだろう。たぶん。

ソコに関しては課題が残ったけど、書くこと自体は楽しかった。
楽しいは正義(笑)

データとか引っ張ってきながら1つの記事にまとめると、自分の野球観が、よりクリアになっていく感覚も持てるしね。僕個人としては、書いて良かったと思う。

それでは、また次の月曜日に。


<参照サイト等>

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