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人生の原則から考える、10分で読めるシンプルなFIRE入門

最近、医者志望だけど成績が落ちて自暴自棄になった高校生が、東京大学の前で受験に来た別の高校生や関係者を刺傷するという事件が発生しました(2022年1月)。

不幸中の幸いで被害者は怪我で済んだようですが、何の関係もない八つ当たりで人生を狂わされた方々の心身の快復を祈ってやみません。

その犯人の高校生も、まだ若くて可能性もあっただろうに、そこまで「MUST思考」で自分の人生を縛ってしまうとは何と勿体無い、と思いました。

結果的には自分を縛っていた呪縛のために、人生を棒に振ってしまったわけですが・・・。

迷走して他人を、そして自分自身を傷付ける前に、人生に対して、自分自身に対してどう向き合うべきか、考えてみたいと思います。

まず自分はいつかは死ぬことを思い起こそう

まず、土台となる認識として、自分は生理学的な肉体を持ち、いつかは個体として死を迎える生物だということは、誰も疑う余地はないでしょう。

私も貴方も、多種多様な化学変化の中で生きて笑って怒って喜んで、やがていつかは壊れる、あるいはちょっとした衝撃やある機能の低下ですぐに壊れて動かなくなる、絶妙なバランスで動いているこの有機体のボディを維持して、この世で活動しています。

そのため、生物としての目的は、まず生存(サバイバル)すること、これは誰も否定できないでしょう。

生存のためには、食い物、住むところを確保すること、病気や怪我にならないことを筆頭に危険を避けること、もっと抽象化すると、ストレスになる因子から遠去かることがまずは必要です。

その次のプライオリティは、可能な限り自分の遺伝子を持った個体=子孫を未来へ残すことでしょうか。とはいえ、これはこれは選択しないこともあり得て、最初の目的よりは一段低いプライオリティになりそうです。

さらに次のレイヤーに来ると、どうやって快適に生きるかとか、できるだけ楽しく生きるにはどうすればいいか、なんて問題が出てきます。

さらに、医者になるとか、IT社長になって芸能人と付き合うとか、芸人になるとか、フェラーリを買うとかなどの目標は、一番土台の生物のレイヤーから数えて3〜4階層くらい上の、かなり贅沢なレイヤーの目標だと理解しないと、勘違い君になり、人生が迷走したり、果ては破綻したりします。

もちろん、スピ的な発想では、それはそれで回り道だけど素晴らしい経験になり、悠久の宇宙を旅する貴方の魂の肥やしにはなりますが、前述の通り、現世の時間には限りがあり、出来れば必要ない無駄な労力は極力掛けないで、本来やりたいことを楽しんでいく方がよいとは思っています。

経済的な視点で生存のベースラインを把握する

上記のように、もっとも土台にある目標は「サバイバル」ですが、これは経済的な視点で考える必要があります。

なぜなら、我々が肉体を持ち、衣食住が必要で(まあ温暖な地方なら衣のプライオリティは下がりますが)、そのための物質やエネルギーに依存しないと生きられない以上、また現代社会ではそれらのリソースは、他者が作ったものを金銭と引き換えに得ている以上、金銭は無視できないからです。

ありていに言えば、会社は好きではないし、満員電車に朝から乗らないといけないのも辛いが、この物理的に生きるためのコストを捻出するためには仕方ない、ということです。

まずは最初の目標、「(物理的に)生存する」を考えると、自分1人だけなら何らかの手段で月に12〜15万くらいメイクマネーして、あまり派手なことをせずに生きれば、上記の目的は何とかクリアできると思います。

さらにその倍以上メイクマネー出来れば、東京23区内以外、たとえば東京なら立川より西、神奈川県なら西部、埼玉なら北部、北関東や地方都市ならほぼ全域で小規模な家族ならば養えるかと思います。

それができれば、それこそ生きているだけで丸儲けなはずなんですが、何かと自分に絶望して自暴自棄になったり、隣りの芝生が青く見えて落ち込んだりとか、無駄な価値観や観念に左右され、無駄な時間を過ごしている人がそれなりにいるのは悲しい限りです。

まずはこの基本コストを賄うために、何をどうすればいいのか、結局、最近よく言われるFIREの発想になってしまうのですが、上記のコストがあれば人は生きていける訳であり、そこからどう追加分を積み上げていくのか、という視点で、投資戦略やその際の自分のライフスタイルや働き方を考えていくのが具体的な方策の土台になると考えます。

この生存戦略、いや戦略ともいえない生存のベースラインを把握していれば、そこからどうやれば最小限のストレスで好きなように生きるのかをデザインできるし、もっと肩の力を抜いて生きられるのに、ということです。

投資のアウトラインをイメージする

このベースラインから逆算すると、どのように投資をすればいいのかも見えてきます。

自分1人で生きていくなら、多少ゆとりのある生活をするとして月に15万円、年間で180万円。

これを投資で稼ぐならリターン10%なら元手は1,800万円。

あるいは、5万円くらいはバイトやフリーランスとして小仕事で稼ぐとして、月に10万円で年間で120万円。そうなると元手は1,200万円。

最初の投資資金である50〜100万円は、貯金をしてでも、あるいはバイトをしてでも、生活を切り詰めてでも何とか確保する必要があります。

この50〜100万円を減らさないように、言い換えれば過大なリスクを撮らないように慎重に運用して、また並行して貯金や副業なども続けて、お金を増やしていきます。

たとえば会社員で残業代やボーナスが出る方は、そのようなオマケの入金についても、ぜひこちらに回すと良いかと思います。

最初は難しいかもしれませんが、ある種のコツが掴めてくると、徐々に投資からのリターンも増えてきますし、ある時点で流れが身に着くと、モーメンタムというか、加速が付くこともよくあります。

ただし無謀なやり方、過大なリスクを取らないようにする自制心はいつも忘れないでください。

知識、技術やコツ、経験をベースにした心理戦の中で、冷静に淡々と作業をこなすことが大切ですから。

何より、過半数の人が損をすると言われる投資の世界で(情報が豊かになった分、利益を出す人も昔よりは増えてきているように肌感覚では思うのですが)、年利10%の利益を出すことは容易ではありません。利益の出る可能性の高い投資術については、また近々あらためて説明したいと思います。

投資のモチベーション

ところが多くの人が、最初の金策の段階で挫折しますし、ボーナスとかまとまった資金を元手に投資を始めた人も、誤った方法、また誤った方法と重なる部分も多いですが、無謀な方法で投資をして退場したり、あるいは大きな損失を出し、なかなか利益を得られずにいます。

自分はなぜ自身の大切な資産が減るかも知れないリスクを取ってまで、投資をするのか? これを一度、正面から考えてみると良いかと思います。

私の場合は、自由を得るための武器、と思っています。

生活費を作るために、やりたくもない仕事をやらないといけない、今日は別のことをしたいのにオフィスに行き、夕方まで時間を切り売りして面白くもない資料を作らないとならない、嵐や雪で電車が止まりそうなのにずぶ濡れになってオフィスに行かないといけない、好きでもない奴と同じ空間で1日過ごさないとならない、上司と称する何の取り柄もない、自分より長く無駄に生きているだけのイヤなオヤジにマウントされてウザい、等など、我々が経済的理由で関与せざるを得ない不本意な世界での滞在時間、接触面積を出来るだけ最小化したい、という思いを持っています。

反面、自分が不器用で人付き合いが上手く出来ないとか、異常な凝り性で、何かに熱中すると他のことに気が行かなくなるという性格とか、いくつかのネガティブな理由が土台にある側面は認識していて、このような世界でも、やりがいを持って楽しく生きている人、または自分で楽しみややりがいを見つけて、それほどネガティブな気分を持たずに生きている人がいることも知っているのですが。

もう少し積極的に考えると、好きな人と一緒に楽しくずっと一緒に過ごしたいとか、心地よい場所に心ゆくまで滞在して気持ちの良い空気を存分に味わいたい、さらに、一軒家が欲しいとか、スポーツカーに乗りたいとか等の理由や目標があるかもしれません。

いずれにせよ、好きな人たちと、好きなことをして楽しく暮らしたい、自分の時間の大部分を他人の都合でなく自分の都合で、自分のやりたいこと、チャレンジしたいこと、学びたいこと、楽しみたいことに使える生活を手に入れたい、これに尽きるかと思っています。

そのために資金を作り、さらに資産を作る、会社等、他社の都合に依存しない収入を作る、その手段として投資の知識や経験、感覚を磨く、そしてその範囲で生活できるライフスタイルを組み立てる、これがアクションの基本構造だといえます。

よく「FIREしたって、すぐに退屈するよ」という人がいますが、そんなもの、やってみないうちから分かりません!!! 自分にやりたいことがあればそこに時間が割けるわけだし(私もそうです)、それで退屈したら、また仕事を探すなり、起業するなりすればいいだけです。

「金のためにやむを得ず働く」人生から、「やりたいこと、得意なこと、好きなことを仕事にする」人生へシフトすることで、今までと違った風景が見られると思っています。

まとめ 〜ストックでなくフローで作戦を考えることにした

私は自分が社会生活に向いていないと気づいた時に、たとえば40歳でリタイアして家族も養いつつ、あまりギリギリの生活にならないようにして80歳まで生きるとすると、少なくても年収400〜500万円×40年分で、30代のうちに1.5〜2億円くらい作らないといけないと思っていました。

ところが、たとえばそこそこの大企業の上級管理職になって馬車馬のように、ずるい役員におべっかを使い、コキ使われて年収1,300万、手取り1千万くらいでそこから倹約してようやく年に250万とか300万の貯金が出来るくらいです。

あ、いちおう自分が一緒に働いた役員の方は外資金融時代の2名を除いて、いい人が大半でしたが。

そんなペースで2億円作るには、60年以上掛かりますし、そもそも給与の高い仕事はプレッシャーもキツいので、私のようなさっさとFIREしたいナマケモノには、とてもそんな長期間は勤まりません。

そもそも会社自体の平均寿命が30年というくらいですから、いつまでも存続できるものでもありませんし。

というわけで、正攻法でやるのは非現実的ですが、これを打開するカギが2つあると気付きました。

1つ目のポイントは、お金を貯めて資産を作るのではなく、毎月、あるいは毎週でも毎日でもいいのですが、定期的にお金が入ってくる仕組みを作るということ。

つまり、最初に2億円を稼いで、それを取り崩すのではなく、月に30〜40万入ってくる仕掛けなり、仕組みなりを考えるということです。

今、給与で生活するサラリーマンや自営業の方は、意識はしてなくても、経済的には、大半の人がそのパターンで生活しているわけですし、不動産投資というのも、そのような発想かと思います。

もう1つのポイントは、その仕組みの収益エンジンとして、資産から収入を得るということ、言い換えれば、お金に働いてもらうということになります。

つまり、投資をするということであり、きちんと利益の出る投資術を学び、元になる一定の金額の資産をコツコツと育て、現実的で効果的な投資戦略や自分なりのやり方を打ち立てる、ということになります。

前回ご説明したMT4による自動売買というのは、まさにこういう戦略の実践的なアプローチの1つといえます。

少し前に話題になった経済学者ピケティの説でもあったように、資本からの収益は長い時間で労働からの収益を上回るわけです。

言い換えれば、時間を味方に付けるためには、できるだけ早いうちから投資をすることが、資産を作るための秘訣ということになります。

そのうち、ではなく、今日から、遅くても明日から始めていただきたいと思います。もちろんすぐに何かを売買しなくても、まずは環境を整えるだけでも良いかと思います。

追記

投資を学ぶ際に一番の問題は、負ける可能性の少ない投資のやり方について学ぶ必要があるにも関わらず、信頼できる本、出来ない本、害悪にしかならない本が書店の同じコーナーに並んでいます。

同じ野球場のベンチに、プロ野球の選手、大学野球の選手、草野球の選手、単なる野球ファン、別に野球好きではないが商売として野球商品を扱っているビジネスマンが並んで座っているような状態です。

この中から、どんな本を読むときちんとして考え方や技法が学べるのか、そして負けずに資産を増やすためにどんな方法があるのかは、またあらためてご紹介したいと思います。

まずは考え方や将来像のイメージを共有したい、という主旨で今回はまとめてみました。

注:その後、「投資必勝法はないが・・・勝つ確率を上げるために「型」を持て」という記事を書きました。


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