グラコロのマッチングロジックについての考察(1)


イベントが終わってから書こうかなと思ったけど、色々と話題になっている+公式でお詫びが出ていたので、とりあえず現時点での内容を書きなぐっておきます。

ツッコミは Twitter @ ryuktia宛まで、ぜひ!

マッチングロジックってなんぞや?という方は先に以下の記事をご覧いただければ。



★最初に★
まだイベント期間中です。イベント期間終了後に、22時台のグラコロの分析記事を書く予定なので、ここで書かれている内容は「こういった意見がよく見られた」という定性的な内容かつ、後半は私の妄想になります。長文ご容赦ください。あくまでも1ユーザーの観測範囲内というものです。

忙しい方向けに3行でまとめると

・「マッチングロジック」と「ランキングの設計」が大きな2つの不満として上がっており、特に後者は改善の余地があると感じた
・でも、本質的な問題は「イノチを沢山稼ぐ」とデメリットがある(ように見える)設計になっていること(グラコロに限らず)
・ただ今後良くなっていくと思うので、見守っていきたいです!


最初に:そもそもマッチングロジックとは?

大前提として「マッチングロジック(そして報酬設計は)」とは「実現したいことを仕組みに落とし込んだもの」ということです。なので「良い」「悪い」マッチングロジックがあるというよりは、「意図した通りになった」「意図した通りにならなかった」という観点で判断をする必要があります。

今回のグラコロのマッチングロジックが「最強ギルドを決める」あるいは「実力と努力に見合ったランキング&報酬を提供する」という事が目的であれば、(最終的にどうなるか次第ではありますが)「意図した通りにならなかった」といえるのではないでしょうか。

逆に下位・上位関係なくチャンスがあり(もちろん上位のほうがチャンスは高い)、実力以外の要素も反映したイベントが目的や、下位ギルドの救い上げが目的であったのであれば(やり方は最適ではないにしろ)「意図した通りになった」といえるのではないでしょうか。

ただ運営から「ご不満へのお詫び」というのが出ている以上、「実現したかった事が実現できなかった」あるいは「実現しようとした事が、ユーザーに受けいれられなかった」のいずれかなのかなーと思っています。


今回のグラコロでは何が問題だったのか?

問題は大きく2つに分けられるのではないでしょうか。その2つとは「マッチングそのものに関する不満」そして「順位付けのルールに関する不満」ではないでしょうか。それぞれをもう少し詳しく見てましょう。


マッチングそのものに関する不満

これも2つに分けることが出来ます。「強いギルドVS弱いギルド」でマッチングが発生してしまうこと。そして逆に「強い同士が潰しあってしまう」ということ。一件、矛盾した2つの考えではありますが、確認していきましょう。

筆者の考えとしては、「強いギルドVS弱いギルド」がマッチングすることは基本的には避けるべきと考えています。どちらにとってもメリットがありません。短期的には強いギルドはイノチを稼げない(かつ盛り上がらない)、弱いギルドはどうやっても勝てない。長期的には強いギルドは成長意欲や戦略を考える意欲が下がる、弱いギルドはゲームを辞めてしまう といった辺りです。

実力が近い同士をマッチングさせることがやはり基本です。以前も書きましたが、実力は近いけど「戦略」あるいは「運」で負けた・勝ったが継続の大きなポイントです。

ちなみにグラコロのマッチングを見ている限り、こちらに関しては日数が経つに連れて改善していった印象です。実力を判断するための情報が日数が増えることによって増えていったのが要因でしょうか。つまりマッチングロジックは変えていないけど、精度が上がったと。


「強い同士が潰し合ってしまう」に関しては、それ自体が問題では無いと考えています。こちらはどちらかというと後述する、報酬設計の問題でしょう。

基本的には同じ程度の強さのギルドで、参加率・武器編成・戦略によって勝敗が決まるという形が納得度が一番高くなるのではないでしょうか?つまりマッチング段階での「諦め」率を減らすということです。


順位付けルールに関する不満

こちらの方がより深刻だったのではないかと考えています。つまり「まずは勝ち点で順位が決まり、同じ勝ち点の場合はイノチで順位が決まる」というところになります。

、以下は筆者が作成した6日目段階での22時台ギルドの勝ち点とイノチのデータです。

例えば勝ち点10(紫色の線)の最上位は437万点稼いでいますが、順位としては2,444位です。ちなみにこの点数はこの時間帯ではベスト100には入るイノチです。かと思えば、数万点でもそれより上位のギルドは100ギルド程います。そこに不公平感を覚える方もいるのではないでしょうか。

また、マッチングロジックの性質上、「同じ勝ち点同士の上位が当たる傾向があった(勝ち点おなじの場合はイノチを参考にマッチングしているため)」というのも不満を呼ぶ理由の1つだったのではないでしょうか。つまり「イノチをいっぱいとって負けてしまう」と、「イノチをいっぱいとって負けてしまった同士」の対戦になってしまい、負のループから抜けにくいということです(特に2日目~4日目辺りですかね)。その結果、負けた強いチームが勝ち点を稼ぎにくいという事になります。

またこちらは今後検証しますが、「下位ギルドほど参加率が低い印象があり、結果的にちょっとでも参加すれば勝ち点が取れる(かついっぱいイノチを稼がなくても良い)」という状態が発生してしまいます。


ちなみに22時台では、6日目まででは約18%の試合で両方とも負け(つまり0対0)の試合が発生しています。


つまり一言で言えば「実力が反映されにくいランキングになっている」ということです。

念のため6日目時点での全体ランキングの数値も貼っておきます。


でも、一番問題として根が深いのは


マッチングロジックも順位付けも不満が上がった要因ではありますが、実は一番考えないといけないところは別にあります。それは、「イノチを稼ぐことのメリットが少ない」ということです。これはグラコロだけの問題だけではなく、コロシアムそのものの問題でもあります。


ここからは感情論になりますが(笑)、ナイトメアもしっかり進化させ、総合値も上げ、スキルもしっかり上げた。チームで戦略も練った、いろいろな事をギルドで相談した。

でもコロシアム時には、全力が発揮出来ない(あるいはしてはいけない)雰囲気になっていること。

・イノチ取りすぎるとまずいから、シップは2回までしか落とさない
・もう勝てないから、相手にシップを落としてもらうため攻撃の手を止め、後衛は回復を止めよう
・ナイトメアまだ打てるけど、勝ちすぎるとアレだから打たないでおこう


これって本当に楽しいのか?

もっと正確に言うと「育成や戦略を考えるために使った労力(=時間とお金)に見合った仕組みなのか?」という部分になります。出来れば対戦は全力でやりたいですよね。

マッチングロジックそのものに「イノチ」がどのように使われているかは想像でしか分かりませんが、「イノチを稼ぎするのは良くない」と思われている状態は、誰も望むものでは無いような気がします。


筆者がソーシャルゲームのレベルザインをしていた時に気をつけていたのは、かけた労力に見合ったリターンを返すことでした。ここで言うリターンは報酬だったり、爽快感だったり、満足感であったり、頼られているという状態だったりをを指します。

そのために、全ての報酬に対して金額価値を設定し、それを手にいれた人の平均プレイ時間や課金額・課金率などを見ながら報酬を変えていました。「理不尽」と「がっかり」を無くすことがユーザー継続率を伸ばす上で一番大切でした。

報酬設計に関しては以下記事も、お時間あればご覧ください。

https://note.mu/ryuktia/n/n1927c1aeaa4e


んじゃ、結局どうすればよいの?

「では、結局どうすればよいのか?文句だけじゃなくて提案はよ!」とお考えの方もいるかと思うので、以下、私見です!

【マッチングロジックに関して】

マッチングロジックに関する記事で、以下をあわせたものを数値化するのはどうかと以前書きました。

・直近X試合の勝敗
・直近X試合の獲得イノチ
・平均攻撃力(試合開始時)
・直近X日間でのログイン日数(またはプレイ時間)

この時はグラコロではなく、通常のコロシアムを想定しての内容でした。ここに対して、グラコロならではの条件が必要になってくるかと思います。

筆者が似たような勝ち点制のギルド戦の設計をした時の内容を参考に、私だったらこう設計するという妄想を書いておきます。

・獲得イノチの近いところでマッチングさせる(±5%のランダム幅)
・勝ち点は基本見ない
・ただし2連勝するとより強い相手、2連敗するとより弱い相手とマッチングする条件を入れる
・参加アクティブ人数(≠ギルド人数)をマッチングロジックの変数として使う
・勝ち点はベースの点数+獲得したイノチの点数でボーナス点をつける
・後述しますがイノチ報酬とランキング報酬を用意する
・そもそもギルドを実力に応じていくつかのリーグに最初に分けてしまう(ギルドLVや●帯ではなく、上に書いた4つの条件に基づいて)

その上で、データでの振り返りが重要でした。なので私は事前設計もそうですが、終わった後の分析も同じかそれ以上に重視していました。


【ランキング・報酬設計に関して】

これに関しては、一番分かりやすいのは「イノチ」だけにしてしまうことですが、これだと本当に上位向けのイベントになってしまうので、「イノチ報酬」と「勝ち点報酬」両方を用意するのが良いのではないでしょうか。「イノチ報酬」は上位が必要とするような報酬、勝ち点報酬は「みんなが嬉しい報酬」という形が良いかもしれません。

これだと上位と下位の差が広がるという別の問題がありますが、ここでは割愛。いずれ記事書くかもです。


【イノチに関して】

グラコロ・コロシアム関係なく、イノチをしっかり稼ぐ事によるメリットの提供が重要かなと考えています。頑張って成長した自分や仲間に対しての報酬がやはり「報われた」と思えるのではないでしょうか。

ここが改善の本丸かなと。



最後に、繰り返しにはなりますが

マッチングロジックや報酬設計は、「運営者が何を実現したいか」を反映するものです。反映できていないのであれば見直しが必要です。マッチングロジックの公開ではなく、願わくは「どういったイベントにしたいのか」というのが明確になり、それにあった設計が出来たのなら、後はユーザーとしてそれをどう思うかだけです。

ぜひ、イベント後にデータ分析をしていただければなーと!現在は運営が「実現したいことが実現できなかった」あるいは「そこが決めきれなかった」という印象を受けています。

※繰り返しですが、全部私の妄想です。。。


いずれにせよ、筆者はこういった事も含め楽しませていただいています(笑)。今後の運営による総括と、更なる発展に期待です!大変な事も多いかと思いますが、コメントや意見を集められているのは、1ユーザーとして、とても嬉しいです!


次回はデータによるグラコロ振り返りを予定しています。

書きました!↓

https://note.mu/ryuktia/n/n6f33eced2c7f

お楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?