移住のあれこれのお話⑤

不動産屋さんと約束した時間より早く現着して、その古民家を自由に見ることを許された私は、じっくりとその物件を見ることができました。

その古民家が建ったころは、主の羽振りも良かったのでしょう。広い敷地に蔵も建っていました。蔵のほかに別棟1棟もありました。
屋根に上り易そうな平屋でしたが、北側の屋根はすでに傷んで崩れかけ、浴室周りは崩壊していました。蔵の周りも内部もかなり傷んでいました。
それでも静かな環境であることに間違いはなく、その場にいるだけで癒されるのでした。
こういうところでぼ~っと出来たら幸せだよな~なんて思いながら、それでもできる限り冷静に判断するべく、草に覆われている周辺を歩き回りました。

*ちょっとここは気になるなぁ、と思ったところ。

・入口が狭い。手前に隣家があり、その脇の細い道を使って入る。旗竿地。
・静かかと思われたが、時間帯によっては工場の稼働音が聞こえる。
・川が近い。氾濫時の事も考慮しなければならない。
・内部がかなり傷んでいる。修繕にかなり労力を使うだろう。

修繕に時間が掛かるとしても、比較的新しい別棟があったので、生活はできるかなぁと思いました。
ただその後合流した不動産屋さんに詳しく話を聞いて判明したのですが、その古民家、水道が来てなかったのです!

水道の整備に100万上乗せ!

これはもう決定的にダメな条件でした。
また標高が高くなるにつれ動物も出現しやすく、農作物も狙われるとか。

「お聞きした条件でしたら、最近私のところに回ってきた物件がいいかと思います。見てみますか?」
ひとしきり内覧し終わった私に不動産屋さんが教えてくれたのが、古民家ではないけれど築50年のこの物件でした。

次回はいよいよこのお家のお話です。


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