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1番すごいことはやっぱり自分のやりたいことにこだわり続けることなんだろう

自分は地域の人が好きだ。それは多くの地域のチャレンジャーが多くの苦難がある中でも、その中でも何よりも「自分の好きを、やりたいを自分自身で体現している」からなんだと思う。そしてその好きへのこだわりで地域全体を良くしたいという結束感で繋がっているからなのだと思う。

この1日、ふくしまで北林さんが「この人に会ったらいいよ」という方々にお会いした。その方々は皆優しく、強く、チャレンジャー精神に溢れ、そして何よりも「自由に自分の好きに幸せに貪欲に生きている」のだと実感した。

デザイナーのIchinosukeさん

Ichinosukeさん。オシャレ。

デザイナーのIchinosukeさんはとにかく勤勉な方なんだと思った。

元々かまぼこ工場から震災をきっかけにもっと活躍の場を、そして街を盛り上げたいという想いで独学で独立のデザイナーへとなったようだ。

けれどその裏にはおそらく沢山の勉強の跡が垣間見えた。それは事務所に無数にあるデザインの本で明らかだった。言葉では言わないけれども、これを何年で完遂したのだろう。活躍の背景には、並々ならぬ努力があるのだと再認識をした。

事務所に無数に並ぶ本の数々
Ichinosukeさんの作集

Ichinosukeさんのデザインはなんというか優しい。彼が言うにはデザイナーにとっての命はどれだけクライアントの言語化できていない想いを導き出せるかなのだと言う。

けれどこれは全ての仕事に共通することなのだと思う。全ての仕事は誰かのために何かの価値を届けること。そのためにはまずは自分が届けたい、届けるべき方が何を思い、何を期待しているのか。それを言葉にできていない部分まで察して届けること。

Ichinosukeさんのアトリエと伝える言葉の数々で、「もっと自分の専門への勤勉を怠らないこと」「届けたい相手を知ることへの圧倒的なまでのこだわり」。そんな当たり前のようで難しいことを再認識した。

フリーペーパー。遊びに富んでいてつい手を伸ばしてしまう。

建築士の豊田さん

築何年か分からない古民家。ヤギが、、いる。

震災を機に、古民家を購入しコミュニティスペース立ち上げた豊田さん。中之作という海辺の地域をより元気にするべくゲストハウスやシェアハウスを立ち上げている。

豊田さんから学んだことは「先人の思いを受け継ぐこと」。豊田さんが移住してきた時、町の長老が陰ながらずっと応援して町のみんなに「若い者の邪魔をするんじゃないぞ」と言ってくれていたらしい。そしてお亡くなりになった後に気づくことになったのだと言う。

その長老の陰ながらの思いに応えるべく、次の世代にもっとよい中之作を残して受け継げるために、今の限りある自分自身の人生をより地域を楽しくできるようにと身を粉にしてチャレンジしていると言う。

息子さん。遊んでくれてありがとう。

自分の命も、この町も日本も、全てはご先祖様が代々思いを受け継ぎ今となっている。もちろんこだわるべき必要のない、頑固になるべき必要のない妨害だってある。けれど必ず忘れてはいけないのは、「その街を作ってきたのはその方々なのだ」ということ。

全ての自分達を形成するものには慈しみ、愛し、思い、それをしっかり言葉にして歩み寄り享受する必要があるのだと再認識した。そしてその積み重なりがコミュニティ文化になるのだと再度思えた。

素敵なフライヤー。こういうのはすごく好き。
海が見える街ってやはり良い。

江戸時代からの面影を残すガンプハウス

江戸時代からある古民家を改修しながら今へ受け継いできたガンプハウス。今でもゲストハウスとして多くの方々の旅の疲れを癒している。私たちはここで昼食をいただいた。その料理のどれもが食材の味を活かしたものとなっていた。

うちのシェアハウスも木の板で名前作ろうかな。
囲炉裏を囲んでみんなで合掌

この世の中で囲炉裏を囲んで食べたことのある人はどれだけいるのだろうか。(私は以前囲炉裏料亭で働いていました) なんなら両親が共働きで子供が一人で惣菜を食べている家庭がこの世の中でどれだけいるのだろうか。

もちろん幸せの形は人それぞれ違う。けれど人にとって1日3回来る「食事」を蔑ろにして、どれだけ人生を豊かに出来るのだろうか。食の楽しみ方は無限大だが、やはり同じ食卓で食を素材を楽しむというのは日本人のDNAに深く刻み込まれているのだろうと思う。

めちゃうまなカレイとナス。
この景色がやはり日本を感じる

チョコちゃん農園の先生の言葉

昼食を終えてから私たちは、体験型ブルーベリー農園であるチョコちゃん農園へと訪れた。そこには想い溢れる先生がいた。世界を巡り、日本を転々とし、「子供たちへ伝えたい想い」を持った先生。

とにかく経験をする。それから考える。

やはり、木の板か。。
いやーパワフルな方だった

先生は教員を3年で一旦ストップし、その後アメリカへ。日本語教師と働きながら英語を学び、英語を教える教師に。そのあとカナダなど各国を転々とし、日本では着付け学びたいと旅館でバイトをして生きた。「20代はとにかく自分のやりたいことをやり尽くそう」と。

そして今はいわき市で教員をしながらブルーベリー農園を営んでいる。子供たちにちにかく経験をしてみてほしい。体験をしてほしい。そして実体験からしか感じることのできない思いを持ってほしいという。勉強だけでは学べないことをしてほしいという。

人は全て経験から来る。もちろん勉強も大切。本を読み動画を見て、沢山学ぶことも大切。けれど百聞は一見にしかずであり、何事も最後は自分でやってみなければ本物にはならない。何事もまずは「やってみる」ことが大切なんだと感じる。

ブルーベリーは完全無農薬。大変なのだろう。美味しかった。
美味しかったですね、、!

農園のボス、白石さん

白石さんはまさにいわき市の農家のボスのような方だ。おおらかで優しく強そうで。いわき市の飲み屋街をあるけば全員が知り合いのようなそんな感じ。農業という文脈でも先駆者としてとにかくチャレンジをしていく。まずはやってみるを貫く。

そして沢山のチャレンジャーを受け入れる。とにかく懐が深い。佇まいに余裕が感じる。そして自分が築いたものへの執着を感じない。学びにきた弟子に託すのだという。

赤が好きな白石さん
やはり赤だ、、。赤ピーマン。甘かった。

白石さんは多くのいわき市の飲食店に農作物を届けている。おそらく北林さん、白石さんの周りにはたくさんの方々が連携し合いながら、つながり合いながら「いわき」を形作っているのだろう。そしてこれからのいわきを作っていくのだろう。

「いわきには特出した名産は少ない。けれど海も山も街もあるから沢山できることがある」。そんな繋がりの街を象徴するかのような方であった。

とにかく「Do or Do」。やってみなければどうかも判断できない。まずはやってみてそれから考えればいい。そして次の世代に受け継げばいい。

いわきの方々繋がりを感じた瞬間。助け合いだね。
テカテカトラック。まずビジュアルのインパクトから

回廊美術館。受け継がれる街への想い

今日最後に訪れたのは、回廊美術館。いわき万本桜プロジェクトが行われている。これはいわきが生んだ名美術家である蔡さんを囲んで行われているプロジェクトのようだ。そしてその場所に創作品やツリーハウスなどクリエイティブに富んだ場を作り出しているのが回廊美術館だ。

やっぱ木の板か、、。
会員になってツリーハウス上りたい、、。

この蔡さんは数多くの国際的な美術館で個展などを行うほどの世界的なスターだ。蔡さんは学生時代にお金がない中、たくさんいわきのおっちゃんらに支援されて今の地位を確立した。だからこそいわきという街を愛し、今でもアメリカの実家にいわきを作り招き入れるほどに愛しているのだ。

思いは受け継ぎ、未来への羽を広げ、また新たな文化醸成する。「残るのか」が大切なのではなく、受け入れること、受け継ぐこと自体が大切なことなのだと思う。

この田園風景を見ないと夏は終われないよ。
回廊美術館。素敵な場所だよ。

最後に

今回私たちにいわきの良さを伝えてくれた北林さん。シェフをしながらゲストハウスを運営し、まちづくりをもするパワフルな方。北林さんも東京からのUターンを経て現在に至るようだ。

北林さんの思いはすごくシンプルだった。「こだわりが溢れたらいい。こだわりをもった人が作る本当にいいものが評価される世の中であればいい」

北林さん。ありがとうございます!

その思いを呑みの場でひしひしと感じると共に、自分はこだわりを持っていると今の自分の仕事に心から言えるのだろうかと思った。そして自信がないのだと感じた。

新卒入社して5ヶ月。事業はとにかく上り調子でイケイケどんどん。事業内容も自分がやりたいことにドンピシャ。上長も優秀で優しく、恵まれている。仕事にも裁量を与えていただける。そんな環境。何もかもが恵まれすぎている。

白石さんがおっしゃっていた「苦難はあったら有難いになる」という言葉。福島は被災経て、街の人々が団結し、今とても面白いことが次々と起こっている。つまり苦難を乗り越えて今がある。そしてその苦難を楽しむ力が福島のチャレンジャーにはある。

蔡さん花火の作品。生で見たかった。

僕が本当に焦ったのは、「コンフォートゾーンにいてしまっている自分がいること」。今のポジションは楽なんだと思う。プライベートも確保できるし、仕事をしていない、頑張っていないわけではない。ある程度評価もされている。

けれど納得がいかない。多分苦難な場所に自分自身でいけていないのだと思う。

けれどこれは環境を変えるべきだというわけではないのだと思う。環境を変えるのは、自分の策を使い果たした上で環境への不満がある時だ。だからこそ自分で自分を苦難へと追い込む必要があるのだと思う。

台風一過。

地域は不思議だ。いつも地域のチャレンジャーは僕に新たな発見や再発見、奮起を与えてくれる。そして純粋な楽しさや憧れをくれる。

それはひとえに素敵な方に出会っているのだと思うと同時に、地域で頑張るキラキラした方には共通していることがある。

それは、「自分のやりたいことにこだわり続ける」こと。そしてそれを地域への貢献とすること。自由に自分の幸せへと向かう、そんな自分の憧れ体現する方々に溢れているから、また僕は帰ってきたいと思ってしまうのだろう。

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