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これで分かる(?)ハワイ発ヒーリングメソッド「ホ・オポノポノ」解説③ ホ・オポノポノの歴史と仕組み

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ホ・オポノポノの歴史

 元々の伝統的な「ホ・オポノポノ」は今現在知られているような単独で行うタイプのものではなく、集団で行うものでした。

 何か人間関係を始めとした諸問題が起こったときに、カフナと呼ばれる人物を中心として、被害者・加害者を含めた当事者たちを集め、そこで互いの罪を告白し、カフナの仲介による癒しのプロセスを通して問題を解決するという仕組みだったようです。

 そのカフナの一人であった、モーナ・ナラマク・シメオナ女史(以降モーナさんとかモーナと呼びます)によって、集団での執り行いが必須だった伝統的「ホ・オポノポノ」を一人で出来るようにしたのが、現在知られているホ・オポノポノである「セルフアイデンティティー・スルー・ホ・オポノポノ(SITH)」と呼ばれるものです。(以降の文章ではSITHのことをホ・オポノポノと呼びます。)

 ホ・オポノポノの公式ホームページではモーナさんの紹介ページでは、カフナとは「ハワイ伝統治療におけるヒーラー」と書かれています。しかし、カフナとはモーナさんのようなヒーラーのみを指すのではなく、未来予知だったり火山の溶岩の上を裸足で渡ることが出来る超能力者型や、呪いで相手を殺すといったダークサイド系カフナもいたようです。詳細は既に絶版となった「原典ホ・オポノポノ 癒しの秘宝」(マックス・F・ロング著、林陽訳)に詳しく書かれています。正確にはカフナというのはヒーラーというよりシャーマン・霊能者というのが近いかもしれませんね。

 ところでこのモーナさんという人は非常に進歩的な気質の持ち主であったらしく、ハワイの伝統的な知識に飽き足らず、エドガーケイシーに端を発する神智学だったり、仏教のカルマ論などを積極的に取り入れて、現在のホ・オポノポノを作ったらしいです。あらゆる宗教やスピリチュアルは結局のところ登場する神々や神話などのストーリーは異なりますが、結局行きつくところは同じという話はよく聞くので、そういった外部の教えを取り込むという考えは間違ってはいないのでしょう。

 そうして彼女が作り上げた「12のステップ」という秘法を通して、潜在意識(ホ・オポノポノではウニヒピリと呼びます)にアプローチして様々な問題を解決するという仕組みになっています。この「12のステップ」はホ・オポノポノのセミナーでのみ習うことができ、口外は禁止されています。ですがどんな内容かは本気で調べれば(特に英語が理解できるなら)、おおよそ分かるようにはなっています(笑)。一応ルールは守りたいので極限まで12のステップには触れないようにしますが、どうしても今回の解説に必要な部分で、かつ本気で調べれば分かる部分に関しては触れさせていただく予定です。

 そして、モーナさんの弟子であるイハレアカラ・ヒューレン博士によってさらに改良が加えられ、「ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛しています」の4つの言葉をマントラのように繰り返すシステムが生まれました。これによりこのシリーズの冒頭でも触れた、ハワイの触法精神障害者病院の奇跡に繋がるわけです。

 さて、この4つの言葉によるシンプルな手法は、公式ホームページでは創始者のモーナさんがインスピレーションから見出されたというように書かれているのですが、Wikipediaや先ほど紹介した絶版本によるとヒューレン博士が発祥のようです。正直どちらの情報が正しいのかわかりませんが、モーナさんが直接4つの言葉について言及しているのを見つけられなかったのもあり、どうもヒューレン博士発祥と考えるのが妥当のようです。

 ちなみに、先ほどの絶版本だったり一部のホオポノポノファン(?)からは、4つの言葉のうち「ごめんなさい、許してください」が罪悪感を増幅させるからダメだとか、批判が色々とあるようです。

 私も以前はこれらの情報を真に受けて、4つの言葉のうち「ありがとう、愛しています」だけを唱えていましたが、ホ・オポノポノの本質のようなものを理解し始めて以来、これらの批判は的外れだと思うようになりました。今後それらにも触れていく予定です。

ホ・オポノポノの仕組みについて

 さて、序文となる章の最後として、ホ・オポノポノの仕組みについて軽く触れておきます。ホ・オポノポノでは、自分(自己)というのは3つに分かれていて、それぞれウハネ、ウニヒピリ、アウマクアと呼ばれています。

 ウハネというのは現在の心理学やスピリチュアルの用語に置き換えれば、顕在意識を指します。ウニヒピリは潜在意識、アウマクアは超意識とかハイアーセルフと呼べます。

 ウニヒピリは潜在意識と言いましたが、一般的に使われる潜在意識と異なり、当人の幼少期の経験のみならず、前世やら先祖の体験、果ては宇宙創成からの全ての物質や生き物が体験した膨大なデータが詰まっている部分を指すようです。これらのデータをホ・オポノポノではメモリーとか記憶と呼びます。

 普段私たちは生きていく中で様々な出来事に出会い、イライラしたり喜んだり泣いたり・・・・と様々な感情、そして他者や物事に対して理性を通して様々な判断や思考を抱きます。常識的に考えると、これらの感情や思考は出来事のせいで生まれるものと考えますが、ホ・オポノポノでは違います。

 先ほども言いましたがウニヒピリ(潜在意識)に蓄積された、膨大なデータが目の前に投影されて様々な事象を生み出す、もっと正確に言えば、外側の出来事によって内面の感情や思考が初めて動くのではなく、先に内面の感情や思考が存在するからそれに見合った現象を作り出すというのが、ホ・オポノポノの考えです。

 ホ・オポノポノではウニヒピリを幼児、顕在意識のウハネを母のように例えられていて、自分のことを見て気にかけてもらいたいウニヒピリが、色々な問題を起こして母であるウハネの気を引こうとしているとも説明されます。

 ただしほとんどの場合、実際の子育てにも言えますが、こういう形で子供(=ウニヒピリ)が問題を起こしてくると、親(=ウハネ)としてはムカつくのが心情です(笑)。大抵の場合、「何でこんなことしたの!」と子供を怒鳴ったり、その後片付けをブリブリ言いながらやるというのが関の山ですが、子供の側としては構ってもらいたいだけだったので、それが満たされず後々より大きな問題を起こそうとするわけです。

 よって、問題が起こったときのホ・オポノポノでの正しいプロセスというのは、外側の問題を何とかしようと格闘するのではなく、内側と向き合い、子供であるウニヒピリをケアしながら、問題の根となる構ってちゃん心理(=ウニヒピリのデータ、メモリー・記憶)を癒すことが重要になります。

 その癒しのプロセスが公式ホームページなどで紹介される以下の図です。

公式ホームページより引用

 最初のプロセスは、図のピラミッド最下段に記されています。最下段のウニヒピリのエリアに丸で囲まれたアルファベットの「m」の字がありますが、これは「メモリー(memory」の頭文字です。これをウハネに見せつけるのが始まりです(=問題の投影)。

 次に、顕在意識であるウハネはこの子供の構ってちゃん心理を癒すため、クリーニングプロセスを始めます。このクリーニングプロセスは先ほど説明した12のステップだったり、4つの言葉です(図の①に該当)。

 次に、プロセスを受け取ったウニヒピリはメモリーを消去してほしいと超意識であるアウマクアにお願いし(図の②に相当)、最後にアウマクアがさらに高次の存在である神聖なる存在に取り次ぐことで、メモリーの消去が行われます。

 厄介なのは、自覚してコントロールが可能なのは①のプロセスのみで、②以降のプロセス(ウニヒピリ以降)は我々のコントロールが効かず可視化も出来ない世界なので、そこで何が起こっているか知る由はありません。そのため掴みどころがなく達成感や進捗した感じも得られにくいので、ホ・オポノポノは長続きしにくいのが難点です。

 また、顕在意識であるウハネから超意識であるアウマクアにダイレクトにアクセスすることも不可能で、必ず潜在意識であるウニヒピリを通さないといけません。そのためウハネとウニヒピリの関係性が崩壊しているといくらクリーニングプロセスを開始してもほとんど効果はありません。

 このウニヒピリとの関係性を作り上げるために本が一冊書かれているくらい大事なことなのですが、内容がかなりふんわりしていてイマイチ分からないのが実情です。少なくとも私はさっぱりでした。今後、この両者の関係性の構築法も解説していく予定です。

 ここまでが本シリーズの序文となります。次回から本編に入ります。どうぞよろしくお願いします。

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