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令和五年六月三十日 鞍馬寺(くらまでら)/由岐神社(ゆきじんじゃ) 京都市左京区


以前所属していた会社の50周年式典参加のため京都へ。
式典自体は夕方からだったが、折角の京都、9時に入り鞍馬へ。鞍馬の後は貴船、そしてこの日は京都に泊まり、翌日は実家のあった故郷・和歌山にまだ兄弟がいるので一泊させてもらい、久しぶりの墓参りの計画を立てている。鞍馬・貴船を訪れるのは13年ぶりである。

鞍馬駅。京都駅から国際会館までを地下鉄、その後バスを利用したため京福電車は利用しなかったが、コインロッカーに荷物を預けるため鞍馬駅に立ち寄る。

流石、鞍馬といえば天狗
駅中にも


荷物を預け、いざ鞍馬、貴船へ。徒歩で二時間程度の参拝に向かう。雨が心配。


石段を上るとすぐ仁王門が見えてくる。寿永年間(1182~1184)に建てられ、明治二十四年(1891)に一度焼失、明治四十四年(1911)に再建されたらしい。

仁王門をくぐると正面に身を清める「観音・環浄水(げんじょうすい)」。

歩き始める。木々の緑に灯籠の赤が際立つ。

童形六体地蔵尊。立て札には、「子供はみんなほとけの子/子供は天からの預かりもの/子供を親の心をうつす鏡」とある。私も子供がいるが、生活に流されると忘れてしまいがちな真理である。

右に行くとケーブルカー。予定通り左の「九十九折山道」を行く。

放生(ほうじょう)池。 亀や魚など生き物を逃がしてその命を救う。善行功徳を積み、滝に打たれて修行する場所らしい。

吉鞍稲荷社、魔王の滝、鬼一法眼社を過ぎると「鞍馬の火祭り」で有名な「由岐(ゆき)神社」が見えてくる。

吉鞍稲荷社


由岐神社の通称は「靫明神(ゆきみょうじん)」。大己貴命と少彦名命を主祭神として「由岐大明神」と称する。

原生林の中では茅の輪も野生的に見える。


茅の輪をくぐると、御神木である大杉が目の前に。大杉社。樹齢800年、樹高53メートルの御神木は、古くから「大杉さん」の愛称で親しまれ、一心に願えば願い事が叶うとされている。


大杉社の先には、岩上(いわかみ)社。御祭神は、事代主神(ことしろぬしのかみ)と大山祇神(おおやまつみのかみ)の二柱。


冠者(かんじゃ)社。御祭神は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)。商売繁昌や家運隆盛の御利益あり。


苔むす鳥居の白長(しらなが)弁財天社。こちらのご利益は、商売繁昌と健康長寿。

由岐神社を後にして再び歩く。

「川上地蔵堂」は、牛若丸の守り本尊である地蔵尊が祀られ、「義経公供養塔」は、牛若丸が住まいした東光坊跡に昭和十五年建立された。義経の魂は少年時代を過ごした鞍馬山に鎮まっていると伝えられている。

川上地蔵堂
義経公供養塔

「福寿星神」。「福」は福禄寿(ふくろくじゅ)、「寿」は寿老人(じゅろうじん)で七福神の二柱を表すが、さて「星」は?

福寿星神
巽の弁財天社
転法輪堂(てんほうりんどう)


「鞍馬山の信仰は、宇宙の大霊であり大光明・大活動体である 『尊天(そんてん)』を本尊と仰いで信じ、尊天の心を我が心として 生きてゆくことで、尊天信仰と言います。尊天とは、人間を初め、この世に存在するすべてを生み出している宇宙生命・ 宇宙エネルギーです。真理そのもので、神仏の区別を超えて ひとつの形に固定されず、しかも本質を保ちつつ、森羅万象 、日月星辰、あらゆる神あらゆる仏の相(すがた)となって顕現します。そのお働きは愛と光と力となってあらわれ、ま た月に代表される水の氣、太陽から放たれる氣、母なる大地 、地球の氣の三つの「氣(エネルギー)」にあらわし、それぞれを

月輪の精霊ー愛=千手観世音菩薩
太陽の精霊ー光=毘沙門天王
大地の霊王ー力=護法魔王尊

のお姿であらわして、この三身を一体として『尊天』と称し ます。それ故に『月のように美しく、太陽のように暖かく、 大地のように力強く』と祈り、 『すべては尊天にてまします』とお唱えするのです。」(公式サイトより)

本殿両脇の「阿吽の虎」。虎は毘沙門天の使い。
寺額には「尊天」の文字


本殿参拝後、奥の院へ進む。この辺りから霧雨が小雨に。しかし木の葉が生い茂っているせいか思いの外濡れない。出口となる西門までここから30分程度。

與謝野晶子 歌碑

「息つぎの水」。牛若丸は、天狗に兵法を習うために深夜、独りで奥の院道を急ぎ、途中で息つぎのために湧水を飲んだ場所とされている。

息つぎの水
屏風坂    の地蔵堂


「木の根道」と呼ばれる地表面に現れた根。この辺り一帯の砂岩が、灼熱のマグマの貫入によって硬化したために根が地下に伸びることが出来なかったためこのような模様を描く。牛若もここでで兵法修行をしたと伝えられている。

木の根道
背比べ石


魔王殿が見えてきたかと思ったが「不動堂」であった。伝教大師、最澄が天台宗立教の悲願に燃え、一刀三礼を尽くし刻んだ不動明王が奉安されている。


最後の見どころ「奥の院・魔王殿」。
650万年前に金星から地球に降り立ったという尊天の一人「魔王尊(サナート・クマラ)」を祀っているという。「金星」という発想はどこからもたらされたのか興味深い。

西門をくぐり、貴船に向かう。次回へ。


p.s.
二泊三日の小旅行のお供は、「ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒」(島崎今日子著)。別段、沢田研二のファンではないのだが、ひょんなことから購入。彼自身、そして彼の求心力により集まってきたミュージンシャン、クリエーター、プロデューサー、マネージャーなどの当時は知り得なかった時代の「熱量」とも言える情熱に、唯々驚かされた。


龍神ボニーとともに、龍神様の神社を巡る 58

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