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ifの田舎暮らし

実家に帰省している。昨日は妹家族も実家に来て、甥っ子も一緒に初詣に行った。山の上のお寺の脇にある公園で遊び、実家に戻ってからもこたつでテレビを見ながら遊ぶ。穏やかに幸福な時間。普段は東京であくせく生きているが、こういう人生を生きるifもあり得たのかなぁと思う。

小さい頃に夢見た職業を思い返してみる。ゲームを作る人になりたいだとか小説家になりたいだとか、どのifが叶ったとしても上京しそうではある。そういえば学校の先生になりたいと思ったことはある。目立ちたがりな性分、人前で喋ることを仕事にしている今を考えても向いていそうな仕事ではある。先生になったifを夢想してみよう。

地元の大学に進学してそのまま先生になる。大学時代の演劇サークルで知り合った彼女とそのまま結婚して子供も産まれたりするのかなぁ。お笑い好きな面白先生として生徒を笑わせながら教育に取り組み、休日は子供と猫と穏やかに楽しく過ごし、ひとりの時間がある時はサブスクでマニアックな映画を見たりもするだろうか。どう考えても申し分ない幸福だ。

しかしこのifを夢想していても、やっぱり今の夢がちらついてしまう。映画の感想を細々と書いていたブログがバズって書籍化されることになるとか、教員生活の傍ら書いていた小説が何かの賞を取るとか、顧問として指導している演劇部が全国大会まで進むとか、教員仲間と出場したM-1グランプリで3回戦まで進んで話題になるとか、そういうifだ。結局なるべくして今の人生に辿り着いているのかもしれない。

人生にはたくさんの曲がり角があって、どこかの角で今と違う道を選んでいれば、全然今と違う人生に辿り着いていた世界線が無限に存在する。無限に存在したはずのifを思うと、今の自分のいる人生をより大切に生きようと思うものだ。四国の田舎で幸福に過ごすifの自分もしっかり背負って、これからも生きていきたいものだ。

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