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ダービーの裏で

日本の若き才能が、遠いスコットランドのサッカースタジアムで数万人の観衆が見守る熱狂のダービーマッチで2ゴール1アシストの大活躍をしていた時、僕は7畳のアパートのシングルベッドでメンダコのぬいぐるみを抱いてひとりすやすや眠っていた。

人には人それぞれの生き方がある。僕は僕の人生を生きればいい。とは言えこの先の自分の人生で、自分のプレイで数万人の人間を感動させることがあるだろうかと考えると、その可能性はほぼないと言わざるを得ない。その現実に僕は少し引け目を感じてしまう。

人生にはたくさんの分岐点がある。たくさんの決断とたくさんの選択を経て今僕はここにいる。はたして僕の人生に、数万人の観衆を熱狂させるルートはあったのだろうか?あそこでこっちじゃなくあっちの選択を選び、そこでこっちじゃなくてあっちを決断していたら、或いはもっと素晴らしい人生だったのだろうか?ついそんな愚問を自問してしまう。

それでも僕は僕の人生を僕なりに歩んでいく。時に人の人生を羨ましく思ったり、自分の選択を後悔することだってあるだろう。それが人生。素晴らしき哉!……と叫べるほど全てを受け入れて達観しているわけでもないけれど、まぁそれなりに素晴らしいんじゃないですかね?ぐらいのことは言えないでもない。

ついこんなやっかみ混じりの文章を書いたりはしたものの、日本の若き才能がスコットランドで活躍していることを基本的には嬉しく思えている。数万人の観衆を熱狂させることは出来ないかもしれないけど、自分の手の届く範囲の人を出来るだけハッピーに出来るように、自分なりのゴールを決めたりアシストをしたりしてこれからも生きてゆこう。そうしよう。

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