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TRPGの思い出

最近、周りの演劇やお笑いインプロ界隈でTRPGをやっている人がそれなりにいる。TRPGっていうのはテーブルトークRPGの略で……なんてことも、いちいち説明しなくても何となく分かってくれている人も多くなってきたように思う。何というか、いにしえのTRPGプレイヤーとしては隔世の感がある。

僕がTRPGをやっていたのはもう30年も前、僕が中学〜高校ぐらいの頃だ。当時は所謂ファンタジー系のラノベブーム。『ロードス島戦記』や『スレイヤーズ』(アニメじゃなくて原作の小説の方ね)なんかが流行っていた頃。例に漏れずその辺にハマり倒していた僕の友人の一人が、どこかで見つけたルールブックを買ってきたのが始まりだった。なんか面白そうだな、ちょっとやってみるか。みんなでルールブックを読みつつ、読んでもよく分からないところはそれなりに適当に、手探りで始めたTRPGだった。最初に遊んだのはロードス島戦記TRPGだったと思う。

今のように、ネットを探せば誰でも遊べるフリーシナリオが落ちているような時代ではなかった(そもそもネット環境なんてものがなかった)。当然シナリオも自作せざるを得なかった。村の裏の鉱山に住み着いたゴブリンを退治して欲しい。脅迫状が届いた要人を警護して欲しい(脅迫の裏には邪神を祀る邪教徒たちの影がちらつく)。財宝が眠ると言われる洞窟の地図を手に入れた、さあ探検に行こう……中学生が考えたシンプルなシナリオばかりだったが、仲間うちでワイワイと遊ぶのは楽しかった。そのうちシンプルなルールだったロードス島戦記TRPGから、やや複雑なGURPS(ガープス)というルールに移行した。キャラクターたちの性格やスキルを細かく設定出来るのが面白く、僕たちは夢中になってたくさんのキャラクターを作った。絵の上手い友人にキャラクターのイラストを1枚数百円とかで依頼したりもしていた。GURPSは所謂ファンタジー世界だけではなく、様々な世界設定で遊べる汎用ルールブックだった。世に出ているものでは飽き足らず、いろいろとオリジナルの設定を作って遊んだりもした。無人島サバイバルRPG、ガンマンになって戦う西部劇(銃の命中判定がややこしすぎて大変だった)、『魔法部』の部員たちがサバゲー同好会とバトルを繰り広げながら様々なトラブルを解決してゆく学園モノは出色だった。毎週のようにキャラクターを作ったりシナリオを考えたり、時には世界観ごとシステムを作ったりした経験は、何となく今の創作活動においても活きているような気がする。

高校を卒業して、進学やら何やらかんやらで当時のTRPG仲間はバラバラになって、それっきりTRPGからはほぼ離れてしまった。TRPGは僕の青春のど真ん中にあった。当時に比べればすっかりメジャーになった感のある今のTRPGを横目で見たりしながら、何となく昔を思い出してみたのでありました。

ちなみに今や日本のTRPGの代名詞となってる感のあるクトゥルフ神話TRPGは当時はまだマイナーで、なんか恐怖判定がややこしくてキャラクターが発狂したりするやつらしいよ?何それwwみたいな認識でした。面白いですねー。

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