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misaly
朝7時半、電車にて
窓の外をビュンビュン景色が流れてゆく。雨の6月の街並み、濡れて曇った窓ガラス。
通勤のおじさんたちと、通学の学生さんに混ざって、遊びに出掛ける僕は浮かれている。オシャレな格好で駆け込んできた女の子。おやおやあなたもお出かけですかと勝手にシンパシーを覚える。袖すりあうも他生の縁。どうか良き休日になりますようにと黙って祈る。
俯いてスマホをいじる人人人。皆それぞれに何かを思い、皆それぞれに誰かを想い、或いはネリリし、キルルし、ハララしている。僕たちは仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明に過ぎないのかもしれない。せわしくせわしく明滅しながら、いかにもたしかに灯り続ける因果の波にゆあーんゆよーんゆやゆよんと漂う。生きるというのはきっとそういうこと。
電車がごうんと駅に着く。おじさんたちは会社へ、女の子は待ち合わせへ、僕は乗り換えのホームへ。めいめいにちりぢりになって行く。おじいさんは山へ芝刈りへ、おばあさんは川へ洗濯に行ったように。
いつもの電車のいつもの景色。感性を開いて見てみるとまた違って見えるものだ。背筋を伸ばして首を回して。今日もいい一日になりますように。
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