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「なんでやねん」

なんでやねん
もうええわ

――漫才のツッコミの定型

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連日、感染者数の増加が報道され、緊急事態宣言、外出自粛要請、そして、学校の休校措置も、果たしていつまで続くのか、先行きの不透明な状況が続いています。
「なんでだよ」(どうしてこんなことに……誰かどうにかしてくれよ)
「もういいよ」(勘弁してくれ……収束してくれよ)
そんな嘆きの声が、耳の奥で鳴り響いているような気さえします。

ところが、この嘆きの声を関西弁にすると、違った声が混じってきます。
「なんでやねん」(不透明ってなんやねん。見えるとこもあるがな)
「もうええわ」(そんなん、わかっとんねん。次、行こ。次)
皮肉じみた笑いの中に、それでも前に進もうとする力が感じられませんか。

僕の生まれ育った大阪は、他のどの地域よりも会話を楽しむことに貪欲です。(私見)
だから、言葉を失ってしまうような状況でも、会話を止めたりしません。
「なんでやねん」
――目の前の現実を否定することで、むしろ前進のエネルギーに転化する〈力の言葉〉
「もうええわ」
――目の前の現実を切り捨てることで、次の段階へのステップを生み出す〈支配の言葉〉

ツッコミどころ満載のこの世界、それはつまり前進のための燃料だらけだということ。
Repeat after me.
「なんでやねん!」
「もうええわ!」

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