DocbaseからNotionへの移行について疾く書き連ねる
Housmartの鈴木です。
今回はドキュメンテーションツールの話をさせていただきたいと思います。
今回お話しするNotionは、去年から非常に話題になっているサービスでもあり、導入しているスタートアップも増えているのではないかと思います。
Housmartでは、2020年12月に社内のドキュメンテーションツールをDocbaseというツールから、Notionに移行しました。
移行から運用開始まで
Housmartでは多くのメンバーが、自由にドキュメントを作成する文化があります。とても良い文化なのですが、その一方で、日々作成される情報を整理して、知識として有効にストックすることができていないという課題が存在していました。
元々使っていたDocbaseはマークダウン形式でドキュメントを作成でき、API等にも対応して非常に使い勝手が良かったのですが、その一方で、ディレクトリでの管理ができない等、情報のストックで痒いところに手の届かない面がありました。(タグ機能は社内で管理しきれず、無法地帯と課していました。)
そんな中で、ディレクトリ化できるというesa.ioへの移行を検討し、ディレクトリ管理の方針をぼんやりと考えていた中で、Notionの存在を知り、調べていく中で、このサービスであれば抱えていた全ての課題を解決してくれることを確信しました。
ちょうど同じタイミングで社内のエンジニアがNotionについて調査をしていたので、そのプロジェクトに相乗りをして、一気に導入を推し進め、2ヶ月でひとまず運用に乗せました。
運用開始まで
Notionへの移行にあたって、以下の手順で検討をしました。
1. ページ構成の検討
2. 過去ドキュメントの移行
3. 運用の開始
ページ構成の検討
事前知識がなくとも、迷わずに必要なドキュメントにたどり着けることを基本思想として、ページの階層を深くても3層程度に収められるように設計を始めました。
設計は、以下のプロセスで行っています。
Docbaseは運用から既に5年程度が経過しており、ドキュメント数も5,000程蓄積され、どのようなドキュメントが生成されてきたかを把握することができる状態でした。
APIを利用して既存のドキュメント情報を一覧で、Spreadsheetに書き出し、タイトルや本文を元に20種類程度への分類を行いました。
この分類をさらに集約することで、会社全体に関するページ、事業に関するページ、部署に関するページの3分類に整理しました。
- 会社_Wiki
- 分類A
- 分類B
- [事業別]_Wiki
- [部署別]_Page
この方法で、ほぼ全てのドキュメントに3階層以内でたどり着けるように設計をしました。
過去ドキュメントの移行
さて、構成が決まったら、次は過去作成されたドキュメントを移行する必要があります。
DocbaseからNotionへの移行に際しては、大変残念なことに、ドキュメントを画像や添付資料ごと完全に移行しようとすると、ガッツリとスクリプトを書かなければ実現できなそうだったので、諦めて、一定の画像や添付情報の欠損を覚悟した上で現実的な工数で行える移管の方針を定めました。
画像や添付ファイルのないドキュメントは一括でImport
APIで全ドキュメントの本文を書き出し、関数を利用して添付ファイルや画像のないものを洗い出した上で、本文データをMarkdownファイルとして一括で取り込み。
(https://image.docbase.io/uploads/...)やら#{ }やらが含まれているものは、単純移行のできないドキュメントなので、countifの関数を使って洗い出しました。
画像や添付ファイルのあるドキュメントは、努力でImport
画像や添付のあるドキュメントで大体2,000ほどあったので、全てを完全な形で移管するのは難しく、ルールやマニュアル等、今後も継続して参照される重要なドキュメントを200ほど手作業で移管し、残りの1,800はドキュメントのオーナーに、ドキュメントの移管の必要性の判断と、実際の移管を任せました。
残りの1,800件のドキュメントの移管は緊急性があまり高くないため、半年を目処に必要なドキュメントの移管を終えることとして、このタイミングで本運用を開始しました。
勿論過去のドキュメントが全く参照できなくなってしまうのは、リスクになるので、移行しないと決めたドキュメントやファイルや画像についても、別途ダウンロードして、保全しており、後から必要になった際には、追加できるような状態にしています。
運用の開始
1階層目にあるページについては、オーナーを定め、ページ内の構成についての責任を持ってもらう形での運用をスタートしました。
なお、オーナーの最初の仕事は、私の方が独断と偏見で放り込んだ、移行済みドキュメントの整理でした。
現状、Notionの使い込みについては、各チームでばらつきはあれども、比較的混乱なく移行ができたものと思います。
運用してみたメリット・デメリット
やはりNotionに移行してから情報へのアクセシビリティが大幅に向上したように感じます。必要なドキュメントについてはそこまで迷わずたどり着けるため、新入社員などにとっては、良い環境になっていると思います。
一方で、Docbaseでは、新着のドキュメントがTOPに表示される仕様のため、受動的に新規ドキュメントの情報を入手できていましたが、Notionだと、主体的に情報を取得しにいかなければ目にする機会がないというデメリットを少しだけ感じています。
この辺りは今後、解決手段を模索したいと思っています。
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