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英文法範囲別アプローチの提案([文系的範囲⇔理系的範囲]+[文法4択問題を通して学習⇔長文を通して学習])  

1.はじめに

 2019年の冬頃から思っていることがある。
英文法って「文系的」な英文法範囲と「理系的」な英文法範囲が、そして「文法4択問題」を解く際には難しいけれど「長文読解」を解く際には特に難しくない範囲がある(その逆もまた然り)よなぁ。
 
 そして全範囲を同じように教えるのではなく、それに応じて習得方法をガラッと変えてみても良いのでは?ということだ。

 このことについては、ずっと脳裏に存在しながらも自分の中でclearにすることなく3年半も経ち今日という日を迎えてしまった。

 私という人間は、本当に困ったときは兎に角書き出して自分の中の考えをclearにするという習性があるので、今日は上記について書き出してみたいと思う。ここをclearにすることで生徒さんの成績向上に繋げられるのではないか、と考えているのだ。




2.「文系的」「理系的」英文法範囲

 まず僕の中での「文系的」な英文法範囲と「理系的」な英文法範囲についての定義を以下に記載することにする。


①「文系的」な英文法範囲

 こんなことを言うと社会科の先生たちには怒られるかもしれないがしかし、数学などと比べると一般に「文系」と呼ばれる範囲はまずは「暗記」しなければ始まらない、と心得ている。(勿論その後一般法則を見出し如何に「社会科」というものを通じて「過去」を感じ「未来」を察知しやすくさせることが何より大切なことは理解している)

 したがってここでの「文系的」な英文法範囲とは、まずはノートやプリント、単語帳や熟語帳と向き合うことを求められる範囲という定義にさせて頂きたい。

 「単語」や「熟語」を覚えることが求められない範囲などあるの?と思われるかもしれないが、そこに焦点が置かれていない英文法範囲は存在すると私は考えている。以下に詳細を記載する。


②「理系的」な英文法範囲

 一方で「理系的」な英文法範囲とは、まずは「一般法則」を理解し(暗記し)その後、演習によってその法則を身体に染み込ませていく、所謂ドリル的な学習が必要とされる範囲のことである、とここでは定義する。

 僕の非常に薄い学習経験からものを言って申し訳ないのだが、かなり数学の学習に近いところがあるのではないか、と思っている範囲のことを「理系的」な英文法範囲と考えているのだ。


③具体的な「文系的」な英文法範囲

 では次に具体的にどの範囲がそれらに当てはまるのかを見ていこうと思う。まぁ一般に「文系科目」に何故か振り分けられることの多い英文法だけあって、こっちの方が多いのかなとは思う。特に「文系的」だと思うものを列挙していく。

「語法」「接続詞」「色々な文(疑問文など)」「助動詞」「不定詞」「動名詞」「比較」「否定」「強調」。

 以上が極めて「文系的」な英文法範囲だな、と私が感じるものである。

 私の中にある30種類の英文法範囲に対して全てを比率化して考えてみた結果である。上記範囲は「まずは暗記」という姿勢を特に強く求めるテキスト構成に私ならするかなと。

 そして該当範囲に関しては、学生諸子にはまずはいつも以上に暗記に努めることを強く薦める。アプローチとしては文化史などに近いのではないか、と考えているのだ。(社会科の先生、お手柔らかにお願いします、マジで)


④具体的な「理系的」な英文法範囲

 さて打って変わって「理系的」な英文法範囲だ。どちらかというと私はこちらを教えるのが好きだ。(笑)どうしても単純暗記を求めることに「最終的には」なってしまう上記③の範囲は何故か好きになれない。まぁ分かりやすく伝える努力は惜しまないが。

「時制」「態」「関係詞」「仮定法」。

 この4つが特に「理系的」な英文法範囲だと考えている。これら4つに関しては特に「考え方」を伝えた後は兎に角、問題と向き合う。講師側(予備校側)はそんなアプローチ方法をとっているテキスト構成にガラッと変えても良いし、生徒さんは講義受講後に問題集をとにかく回す、そういうアプローチを取るべきだと思う。私の生徒さんであれば、私のプリントと接触する回数は上記③より少なくて良いと伝えているし、ここまで読んでくれている方が存在してくれているのであれば、貴方にそう伝えたい。

 自分の拙い学習経験で言うと、昔、三角関数と仮定法ってアプローチ似てるよなぁ、なんて思ったことがあるのだが、まぁそういうことだ。回す問題集の候補として私がいつもサジェストしているものは以下をご覧ください。




3.「文法4択問題」を通して習得したい英文法範囲

 さて次に「文法4択問題」において難しい英文法範囲に関してだ。

 何故ここを考えるに至ったかというと「文法4択問題」的なものを解く際には難しいけれど、「長文読解」にて記載がある分には特に難しくない、というものが存在することに気付いたことに端を発するような気がする。(その逆もまた然り)

 そして仮にそういったものがあるのであれば、全範囲同じようにテキストを構成したり、兎に角どの範囲も同じ数の問題を収録するのではなく、例えば主としては「長文読解」で扱うことにして「文法4択問題」では薄~く扱ったり「文法」の授業でも「和訳」に多くの比率を割く、などしても良いのではないかと考えているのだ。ではそういった範囲とは何が存在すると考えているか。以下に記載する。

「色々な文(疑問文など)」「時制」「助動詞」「話法」「動詞以外の語法」。

 私の中ではこれらが特に今回の枠組みに当てはまる。これら5つの範囲に関しては昔からある「文法4択問題」を通して講義する比重を重くして良いのかな、と感じている。(「色々な文(疑問文など)と「話法」はwritingを通した習得の方が当然良いと考えているが)

 特に「動詞以外の語法」。「語法」とは英語でusageというが、usageのusとは中期フランス語で「使用」という意味を表す語である。謂わば「言葉」の「使い方」を学ぶのであるから、腰を据えて、地に足付けて勉強しても良いのではないだろうか。

 またここでは「動詞の語法」は外すことにした。「動詞の語法」は「長文読解」を通して学ぶ機会も平等に設けるべきだと考えているからだ。 




4.「長文読解」を通して習得したい文法範囲

 では次に「長文読解」を通して習得したい文法範囲についてだ。まぁこれは何も「長文読解」に拘る必要はなく「精読」的なアプローチでの[指導/習得]を心がけていくべきだろう、といった感じだ。私が生徒さん達に訊かれたら答えるようにしている参考書は以下。

 さて、では列挙していこうと思う。特に「長文読解」を通して習得したい(文法4択問題というよりは長文中で習得に努めるべきだと私が考える)文法範囲は以下である。

 「不定詞」「省略」「無生物主語構文」「名詞構文」「挿入」「同格」。

 いざ書いてみると味気ないな、と感じた。(笑)
 
 ただ特に後ろ5つは「文法」という枠組みで無理に「文法4択問題」を通して教えなくても良いよな、とは前々から感じている。「不定詞」に関しても、意味上の主語やtough構文以外は「長文読解」の範疇で指導した方が早くないか?と感じている。




5.おわりに

 さて、本日は自分の頭の中の整理にお付き合い頂き、本当に有難うございました。書くまではワクワクしていたのだが、いざ書いてみたら、結構しょうもないな、と思ってビックリしている。(笑)

 上記のような英語指導観を持って、今は英語を教えさせて頂いているのだが、今後変わっていくのかもしれない。10年後の自分がこの記事を見てどう思うか、楽しみにしたいと思う。

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