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天皇杯 準々決勝 FC東京戦 レビュー

CS準決勝から約1ヶ月振りの公式戦でした。

この空いた期間には、練習試合やU-18の公式戦を見に行ったりしましたが、やはりトップチームの試合のワクワク感はこの上ない物でした。

試合は2-1と多摩川クラシコを制しました。

大久保選手の久しぶりのゴール。しびれました。大久保選手の「このサッカー、このチームでタイトルを獲りたい」という想いが溢れ出ていました。

小林選手の復帰もものすごく大きかったと思います。やはり、彼がいることによって大久保選手へのマークが軽くなりますし、なんといっても前線に起点ができます。

ゴールという結果は出ませんでしたが、十分相手を嫌がらせる動きをしていたと思います。

準決勝では、大宮アルディージャと日産スタジアムで対戦します。

今シーズンリーグ戦、ホームでは勝利していますがアウェイの地では敗戦+苦い思い出があります。

どちらのホームでもありませんが、川崎から近いのでたくさんのサポーターの来場が予想されます。

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さて、本題に移させて頂きます。

今回は5つにポイントを絞って解説させて頂きます。

<目次>

1、ボランチ中村憲剛。彼がボランチにいることで広がった”攻撃の幅”

2、サイドを制し、試合を制す

3、登里享平のマルチさとは?

4、三好康児が18分間で示したもの。

5、決して100%の出来と言えない理由とは?

それでは!

1、ボランチ中村憲剛。彼がボランチにいることで広がった”攻撃の幅”

久しぶりに中村選手はスタートの位置でボランチに入りました。CS準決勝で終盤にボランチに入りましたが、90分のほとんどをボランチで過ごしたのはかなり久しぶりではなかったのでしょうか。

中村選手がボランチに入ると、ほとんどの確率で中村選手を経由して攻撃が展開されます。

この試合もそのような展開になりました。

中村選手の「一本のパスですべての状況を打開する」という能力は日本人の中でもトップクラスです。

先制点も彼が起点となりました。

右サイドでフリーになった田坂選手にパスを送り、田坂選手のクロスを大久保選手が膝で合わせました。

簡単に見える得点シーンでしたが、中村選手だからあそこが見えていたのかもしれません。

いずれにせよ、攻撃の中心には中村選手が常にいます。

そんな彼もクロスに体を投げ出して合わせに行こうとしているシーンもありました。「意地でも得点が欲しい」そんな思いが伝わってきました。

直近の試合では、シャドーの一角に入っていましたがどうしてもこのポジションだと見えるビジョンがボランチと全く違いますし、フォワードやサイドハーフに出すパスの距離が短くなってしまいます。

パスが短くなることで、中村選手のストロングポイントである”パススピード”が損なわれてしまいます。

一方、ボランチでは360度ピッチを見渡せます。それに加え、速いスピードのパスを前線の選手に配給できます。

円滑にかつ速い攻撃がこの試合は出来ていたと思います。

次戦、大宮戦で大島選手が復帰したら中村選手はシャドーに入ると思います。

大島選手には中村選手のようなプレーをしてチームを引っ張て欲しいです。

2、サイドを制し、試合を制す

勝敗を分けたのはここだと思います。

右サイドは田坂選手とエウシーニョ選手。左サイドは谷口選手と車屋選手。

まさしく鉄壁です。田坂選手に関しては完璧に中島翔哉選手を止めていました。

FC東京の攻撃を見ていて思ったのが、サイド攻撃の多さでした。

実際、FC東京は前への推進力がある選手を多めに使ってきました。ですが、フロンターレのクレバーなディフェンス陣はしっかりと対応し、それらの選手に仕事をさせませんでした。

特に、田坂選手は中島選手に全くと言っていいほど仕事をさせませんでした。

ドリブルを武器とする中島選手にしっかりと体をチャージしてボールを奪うシーンは何回も見ることが出来ました。

元々攻撃的なポジションをこなす選手でもあるので攻撃面でも、大久保選手へのアシストを記録しました。

やはり素晴らしい選手です。

エウシーニョ選手のゴールに関しては説明不要ですね(笑)

谷口選手と車屋選手の熊本コンビもすごくしっかり組織されています。

マークの受け渡しなど、ミスが出やすいところのミスがあまりないです。

谷口選手の場合は身長もあるので相手のロングボールの処理がしっかりとでき、パスを繋いで前にボールを運ぶことができます。

車屋選手は抜け出した時に”クロス”ではなく”シュート”を選択していたのが印象的でした。

若い選手たちがエゴイスティックにプレーすることでチームの底力は格段と上がります。

今後も、2年目3年目の選手たちがそうしていくことでフロンターレは強くなっていけると思います。

3、登里享平のマルチさとは?

今回の登里選手はシャドーで起用されました。

監督の期待に応え、自らの特徴であるスピードを駆使して攻撃にリズムと速さを与えます。

個人的に、途中交代で入ってくるか左サイドハーフの先発なのかなと思っていました。

ですが、登里選手のシャドーには全く違和感がありませんでした。むしろ完璧にフィットしている印象でした。

前線でのチェイシング、自陣での積極的な守備。全てにおいて全力でプレーしていました。

そんな中、怪我をした感じがあったので奇しくも負傷交代という形になってしまいましたが、次の試合には間に合わせて欲しいところです。

ここで一番注目して欲しいところは登里選手のポジションです。

元々はサイドハーフとしてフロンターレに入団しました。

その後、サイドバックを経験しついにはシャドーというフォワードのポジションでも起用されるようになりました。

色んなポジションを任されてもしっかりとそのポジションをこなしてきました。

今後も色々なところで起用されると思いますが、どんな場所でも自分の場所にしていって欲しいです。

4、三好康児が18分間で示したもの。

1本だけ三好選手はシュートを打ちました。

このシュート。ただのシュートではありません。

左サイドのタッチライン際で相手をかわし、そのままエリア内に侵入。

そのままシュートを放ちましたが、惜しくもサイドネットでした。

この場面、よく見てみると中には大久保選手が待機していました。

クロスを入れれば、ほぼ入る。そんな状況でしたが、三好選手はシュートを放ちました。

彼のチームを勝たせたい。そんな意志の表れだったと思います。

ここ最近はスタメンで出場していましたが、こういう途中交代という形で起用されてもしっかりと自分の特徴を出して戦える選手というのは非常に大事な存在です。

2年目にしてサポーターの信頼を勝ち取った三好選手。今後は東京五輪が今の年代別代表での最終目標です。

その舞台でも今年の大島選手のように輝いていて欲しいです。

5、決して100%の出来と言えない理由とは?

試合の運び方、得点の取り方、守備の仕方。

ほとんどにおいて、この試合は完璧でした。

ですが、完封とはいきませんでした。

それに失点した理由はセットプレーからでした。

元々あまりセットプレーに強くないフロンターレですが、今年はぼちぼち改善されつつあります。

しかし、この一発勝負の天皇杯だからこそセットプレーをあまく見てはいけません。

流れのプレーではピンチを防いでいました。ですが、一瞬の隙に失点してしまう。

選手の集中力はきれていません。

お互い、サッカーのプロフェッショナルなので一般の人がやるスピードとは桁違いです。

だからこそ隙を与えてしまえばすぐにゴールネットを揺らされてしまいます。

セットプレーに強い横浜Fマリノスとは対戦の可能性が残されています。

ここいうセットプレーに強いチームと対戦する場合には、いかにセットプレーを与えずに乗り切るかというところが重要になってくると思います。

それに加え、チームの空中戦での勝率を上げなければなりません。

"セットプレー"

天皇杯を制するためには、ここの部分を徹底していかなければなりません。

(RYUJI ICHIYA)

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

準決勝のプレビューですが、なるべく早く書きたいと思います。

そちらもよろしくお願いします!

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