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オーロラ観測でカナダへ②

書きはじめはday3の終わり、8.31朝の5時。day4も随時、書き足していきます。とにかく忘れぬうちの急ぎのログを書きます。

8.31朝の10時に目が覚めて、追加のエディット。世界時は今16時なので、UTマイナス6時間。日本はUTプラス9時間だから、もう9.1の朝1時。

day3

昼少し前に起きて、ラズパイカメラを取り付けて試験観測をしてから、黙々と片付け作業をしていました。魔改造シータの撤収と、再びアサバスカ大学に行く装備の整理と。

皆でサンドイッチを作って食べる会が13時で、ベーコンエッグを焼いた。14時半すぎに、フィールドの散歩へ。シカ、カエル、いろいろいたが、ジャガーにもビーバーにも出会えず。

アサバスカ大学へは、塩川さんの車に乗せてもらって出発。行く途中では、近くのロング湖と、より綺麗で泳げるナロー湖を見た。アサバスカ大学に着いたときには16時半は過ぎていたはずで、助手席で揺られて寝てしまった。

アサバスカ大学のAUGO1では、昨日やりたいと思い出したメンテを、学生Yと、ひととおり済ませた。再びスーパーで、ラップや食料の買い出し。

アサバスカ観測所へ戻り、ハンバーガーを作って食べる会を19時に開始。しかしラズパイのLAN設定の不具合を直すため、ハンバーガー作りを他の学生たちに任せて、自分と学生Yとで、大急ぎのひと作業をして、ハンバーガーができた頃に半分が解決した。もう半分も食後すぐに解決し、リモート接続の心配が全て消えた。

そうして、さらに毎日の観測スケジュールに沿って観測を無人で進めるための改造を、ゆっくり現地でやろうと日本ではできなかった改造を、学生Yに助けてもらってBG3全天カメラにも施した。いつのまにか、すっかり頼れる実力が身に付いている学生Y。観測開始時間の22時に、持ってきた3台のカメラを全てギリギリ間に合わせた。

磁気嵐ピークなので念のため、と外に出てみると、既に全天は淡いオーロラだった。自動観測の結果をチェックしつつ、皆で記念撮影。深夜を回ってひと息ついたところで、ブレークアップに気づいた学生が声をかけ、頭上の激しいオーロラを観察。サブオーロラ帯なのに、オーロラ帯のアラスカのようだった。全く寒くないオーロラ観測だった。

このころ、観測所の中では、なぜかモスキートが大量発生し、地味に苦しむ。学生Yは、モスキートもブレークアップだと。

オーロラ少し収まったが、誰も気持ちの落ち着かないままシチュー作りが始まり。ジャガイモの下ごしらえを終えたあたりで、今度は赤いオーロラが頭上に出現したことを知った。皆で外へ。すると全天どこもかしこも高速脈動になって、空が異様に燃えまくる、世にも恐ろしい光景となった。これは見たことなかった。あの異様な感じを伝えることも難しいだろう。サブオーロラ帯の凄さなのかもしれない。

それでシチュー作りは長い中断に入っていて、ジャガイモは変色していた。朝の1時45分、ISSの通過する南天10度に、脈動オーロラがいたことを目視で確認して、シチュー作りを再開。ヘトヘト。次のISSの南天30度の15時19分までに食べ終わり、目視で確認したが、ISSは光っていなかった。しかしずっと晴れていた。ディフューズオーロラは出ていたように見えたが、オーロラといったオーロラは消えて、星空に圧倒された。

カナダ最終日9/1の離陸の時間を勘違いしていたことに雑談で気づいた。明日8/31は日本時間でなく、こちらの時間に少しシフトさせて、ちゃんと飛行機に乗れるように、最後の仕事を済ませて早寝早起きして、9/1の昼には空港にいるようにしなければならないのであった。

day4

朝の10時に目が覚めて、ベッドでスマホで、day3のログを書き足しました。

セッティングについて、切れはしメモを集めて、あとから状況がわかるように、まとめたレポートを学生Yに作ってもらうのがよいか。また、昨日のデータを全コピーが先決か。それから、ひととおり見て触って行くことで、さらなる観測の調整ができるかもしれない。まずは自分達のデータをつき合わせてみようと思う。

ラズパイカメラは、だいたい予想どおりの性能だったことを確認。0639 UTがブレークアップ。0723 UTあたりの高速脈動はすぐにわかるほどには映っていないので、長期運用に向けて、もっと暗いのが映るように設定を変更した。

念のため、とラズパイカメラの様子を見に行ったら熱でケースの一部が変形して、マウントがダメになっていた。送風機をつけて、さらに熱のこもりにくい構造にする必要があると思う。カメラ部は裸にして付け直した。ピントずれは修正した。

サンドイッチを食べる会。同じ場所で撮影している全天デジカメの連番画像(5秒露光、15秒インターバル)を比較のためにもらった。それから名古屋チームは町に出て、ランドリーへ。こちらは残った仕事。昨晩のデータのダブルコピーをしたり、結線や赤ランプのマスキングを直したり、観測プログラムの微修正をしたり、初期解析をしたり。

名古屋チームが戻ってきて、私と学生Yが最後の食事なので、予定を変更で、ステーキを食べる会にしてくれました。優しい。アルバータ・ビーフ。食べたら、ものすごく眠い。

ここからは、朝4時6分のissを見るために起きて外に出て、出発するまでの時間つぶしで書き足しメモです。issは南天に肉眼で見えず。オーロラはたぶん南にはでていなくて、薄雲だったか。北や天頂にはdiffuseが出ていた。キッチンで831のissデータを確認するとut6時から10時までrepが出ていたことを学生Yと確認。特に8時すぎのrepは、まさにdiffuseが出ていたとき。これは素晴らしい実験となりました。

ステーキを食べてからは、少し眠くて動けずに休んでいて、観測開始の22時まで、今回のセットアップの最終的な仕様などについて、落ち着いて整理できていた。

観測開始を確認して、22時に外に出ると、明るいバンドが北に見えて、共鳴散乱の背の高い紫のオーロラ。バンドは1時間ほどじわじわ変化し、初期はsteveが見えてすぐ消えて、東から低仰角に太って見えるwtsがはっきりとわかった。正面にwtsが来たときには、diffuseがバンドの低緯度に貢っついて、ふわっと透明おもちが乗るような写真に。12時頃に寝た。

もうすぐ朝の7時に出発で、今は朝の5時なので、ぼちぼち、観測停止を確認して、自分を再起動して、あと車に乗り込んで出発します。途中エドモントンでは、9時にマーチンと、ラズパイカメラを用いた新しいオーロラ研究計画に関する朝食打ち合わせ。飛行機は13時過ぎの離陸。

アラスカ実験に続く

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