見出し画像

自己紹介#2 海外(豪)の教会で3年間働いた話

前回自己紹介で書いた、オーストラリアのキリスト教教会で去年まで牧師見習いをしていた経験について、詳しく書いてみようかなと思います。

オーストラリアの田舎暮らしについて知りたい方、牧師がどんな職業で、教会はどんな場所なのか知りたい方の暇つぶしになればいいな、と。

きっかけ

主に留学のツテと妻の紹介。

私は数年前の留学中にその教会で洗礼を受けたので、もともと牧師とは知り合いでした。留学を終え帰国し、日本(金沢)で働きつつ、教会に通う中で、
「もっと聖書について学びたい」「将来牧師として働く可能性を探りたい」という想いが生まれます。

その想いを当時付き合っていた今の妻と話した際、そのインターンシップの話が出ました。彼女はすでにそのプログラムを終え、教会の正規スタッフとして働いていました。話を聞いてるうちに、「よし!」という決心がつき、数回の(かなりゆるい)面接を終えたのち、OKが出ました。

MTS (Ministry Training Strategy)

いきなり何の英語?と思われたかもしれませんが、
これは私が受けたインターンシップの正式名称です。

このプログラムはオーストラリア(他にも数か国で実施)の様々な教会で実践されています。参加者は見習いとして主に牧師や教会スタッフと師弟関係を結び、2-3年間のマンツーマンの訓練を受けるというものです。日本でも「侍プロジェクツ」として2年前に始動しました。

私の場合は、教会の副牧師Mattの下に就くことになりました。彼は当時神学校を卒業して2年目の若い牧師でした。とても優しく、頭の回転がとても速く、そして私とは逆の超外向的な性格です。彼とは週2回1時間程度のミーティングを通じて、トレーニングを受けました。卒業した今でも頻繁に連絡をくれる、兄貴のような存在です。

私とMatt. 私でも身長は165cm近くあるんですが…

St Mark's UNE教会

では、私が働いた教会がどんなだったか簡単にまとめます。

名前:St Mark's UNEchurch
教派:Anglican (聖公会: プロテスタント、いわゆるイギリス国教会に由来)

名前のUNEはUniversity of New England (ニューイングランド大学)の略で、アーミデールというか、New Englandという広いエリア(牧場や自然公園が広がる田舎)で数少ない大学の1つです。野良カンガルーやコアラもいる自然豊かなキャンパスです。

とても珍しいのはこの大学はキリスト教系ではないですが、大学創設時に沢山のお金を寄付したということで、大学のキャンパスのド真ん中に教会が建てられ、今も健在しています。よって、私は毎日大学生が行き交う中で働いていました。

教会の人数は、平均で250~300人。クリスマスやイースターのイベント時は400人弱来ていました(アーミデール人口のおよそ2%)。

日曜の朝(9時半)と夜(18時半)に教会の礼拝があって、
朝は老若男女、特に家族が多数。
夜は血気盛んな高校生、大学生を中心に、全体で100人前後。

教会スタッフは入れ替わりが年ごとにありましたが、毎年7-8人のスタッフが常駐。

仕事内容

  • 礼拝 Sunday service の運営:司会やお祈り、聖書朗読やキッズプログラムのヘルプ、他雑務

  • 説教 :礼拝の中での20-30分のメッセージ。もちろん英語..主に3年目 2ヵ月に1-2回ペース。

  • 1対1のミートアップ:週に多い時では7-8人の大学生や社会人と会って、聖書を読んだり、話を聞いて祈ったり。

  • バイブルスタディのリーダー:週1回中高生と留学生の2つの集まりがあり、そのファシリテーターをしつつ、必要があれば教えたり。

  • 留学生イベントの開催:私は留学生ミニストリーの責任者だったので、各週のバイブルスタディと不定期のイベント(ご飯必須)を通じて、愛やおもてなしの心を示したり、聖書を読んだことがない人に勧めたり。

  • 大学生向けの夏・冬キャンプ運営:大変ですがやりがいある仕事で、毎年2回ビーチに行って、聖書あり楽しいアクティビティありのキャンプの開催を責任者として、小チームを作って、企画、運営。

  • 年数回のカンファレンスの参加:3年を通じて10個以上の様々なカンファレンスに参加しました。1つずつ書いてみたいですが、約1000人以上のオーストラリア中の教会指導者が集まる Reach Australia、その大学生版のNTE(National Training Event)、MTSが主催するG8 National Conference、ローカルなアーミデール Anglican教区の集まりなど。どれも自分の視野や世界観が広がるのをブーストさせてくれたイベントです。

Reach Australia カンファレンス
  • 日本の教会への研修旅行:最後の特別な仕事として、私が金沢で通っていた教会にSt Mark's教会から9人の若い精鋭を連れて、研修旅行に行きました。日本のキリスト教や教会の現状を学んだり、実際にその目で見て、体験。また、日豪で国や文化が違っても同じものを信じる中で励まし合いました。


その他 (待遇やワークライフバランスなど)
私の教会での働き方はとても特殊で、1日をざっくり朝、昼、夜の3ブロックに分け1週間に12ブロック働くという約束でした。
月曜の12時から2時半の会議以外は特に時間規制や場所規制もなく、すべて個人にゆだねられていました。。

なので、私の場合は大まかに言うと、週6の夜に集まり等がない時は、だいたい9-17時ごろまで人に会ったり、何かの準備があればデスクワークしにオフィスに行ったり。夜の集まりがあるときは朝か昼は休んだり。金曜日を休みにしていました。

収入は豪の最低賃金程度で、教会内外からの献金からサポートされていました。ありがたいことに(妻のポジションのおかげで)教会が管理する家(3LDKの平屋、暖炉付き!)に住まわせてもらい、食費以外の生活費はすべて補助されていました。

聖書に基づく仕事の性質上、牧師はまず家庭が仕事に勝って大切なので、家族に何かあったときにはそちらが最優先でした。年休だけでなく、Sick Leave (病気による休暇)、Refreshment Leave (燃え尽き症候群になりやすい職業なので年休とは別にとれる休暇)が与えられている上に、家族のケアが必要な時はすぐに休暇をもらえました。なんて素晴らしい働き方なんだと思います。。

まだまだ書きたいことはありますが、長くなったのでここで一旦この件についてはストップしたいと思います。MTSから学んだことや、振り返って思うことなどはまたあとで書いてみたいと思います。

もしこんなところまで読んでいただける人がいたら恐縮です。
では、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?