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NY最大級のインキューベターにきてわかったこと

現在NYにいるひだりゅうです!

今回は、NY最大級のインキューベーター

ERA(Entrepreneurs Roundtable Accelerator)
https://www.eranyc.comEntrepreneurs Roundtable Accelerator: Home

に訪れて、日本人起業家として思ったことを伝えていきます。

ERAとは?

ERAは2011年から運営しているNY最大級のインキュベーターです。

連続起業家のMuratさんが2007年から始めた非営利スタートアップコミュニティから派生しました。
(実はMuratさんは起業家時代に数年間日本に住んでいました。日本好きらしいです!。)

現在260社以上にシード、アーリー投資をしていて、4社のユニコーンを輩出しています🦄

スタートアップ10社と面談

スタートアップとの面談

実際にERAのプログラムに参加しているスタートアップ10社と面談をしました。

意外とWeb3のサービスは一つもなく

・ヘルスケア
・物流DX
・D2C
・Saas

など、堅いスタートアップばかりでした。

その10社の全体的な感想

①バリュエーションの規模

聞いてはいましたが、やはりアメリカと日本のバリュエーションの考え方に大きなギャップがあります。

あるヘルスケアのスタートアップが現在資金調達をしており
詳しい数字は言えませんが、日本のシードの10倍以上のバリュエーションと調達額を掲げていました。

強気すぎる!笑
日本では考えられないような数字でした。

②ニッチの考え方

スタートアップを始めるときよく「ニッチな市場をみろ」と言われることがあると思いますが、
この「ニッチ」の考え方は全然違うなと思いました。

日本で日本人に向けてサービスを提供するとき、やはり1億弱しかいない人口の中でニッチすぎる課題や、市場を見てしまうとスケールが見込めないことはよくあると思います。

しかし、アメリカやグローバル視点に立つと、そのとてもニッチな課題や市場がユニコーンになれる可能性が大きく広がります。

ピッチを聞いていて「これ日本だとスケール性ないな…」と思うアイデアも市場規模を見たらとんでもない数字が出てきます。(彼らの計算が雑な部分もありますが笑

日本のニッチさと海外のニッチの感覚の違いがあるなと思いました。

③ピッチのクオリティ

結論全体的にレベルは高かったです!が日本人も負けていないなと思いました。ピッチのデザイン、構成がとても綺麗にまとまっていて伝えたいことが明確なチームが多かったです。

あとは自信に満ち溢れている人が多い!笑。

一方で、初期のMVP検証中チームやトラクションや数字が見えにくいチームがあり、ピッチ全体の丁寧さやデータの方は日本人の方が得意なのではないかと思いました。

④トラクションの差

トラクションには大きな差がありました。

ERAに所属しているチームはERAから100,000$ほど投資を受けているので
シードから億を超える調達をするチームが多いです。

ピッチを聞いた印象としては
「売り上げるスピードが早い」チームが多かったです。

彼らはユーザーを増やすのもそうでしたが、きちんとお金を稼ぐというところにフォーカスしているように感じました。

いつまでもユーザーテストとして無料で提供しているスタートアップもいるので、これは学ばなければいけない数字との向き合い方だなと思いました。

Muratさんから学んだこと

面談を終え、私たちは代表のMuratさんと食卓を囲みました。
個人的なお話や、日本の課題、投資家として意識していること
など様々なお話をお聞きしました。

Muratさんとの会食(ブレてる笑

詳しくはこちら

https://twitter.com/ryuheimatincjp/status/1514572771631714308?s=21&t=C7XFZMyi2MkhBGfsbXqeBw


ツイートした内容もありますが、ムラットさんが意識していることは

「人柄」これだけです。

「熱を持っているか?」
「誠実か?」
「勤勉か?」
「良いチームか?」

この人柄を意識して
年間3,000社との面談の中から60社をERAのアクセラに採用します。

一時期はマーケットやトレンドをみて投資していましたが、損失が大きく
やめたそうです。

実に興味深いですね。

NYのVCから見た日本のスタートアップの課題について

Muratさんが警鐘していたのは
①女性起業家の少なさ
②Small IPO
の2つです。

①女性の起業家の少なさ

ERAの入居者を見ても、肌感4割くらいが女性の起業家でした。
アメリカでは女性の起業家が増えており、海外からも女性の起業家が挑戦しに来ている方もいました。

一方日本の社会を覗いてみると、まだ女性に対して抑圧的な現状です。

Muratさんはこの状況に危機感を覚えていており、「女性に向けたアクセラやファンドを増やしていくべきだ。私たちがやろう!」と言っていました。

②Small IPO

日本のIPOの評価額が低すぎるという問題です。
グローバルに展開して、評価額を高くしていくべきだと言っていました。

僕たちがお話ししたスタートアップの中でも
ポスト50億円とかのチームもいたので(笑

日本人でも「勝てる」

Muratさんとお話ししたり、スタートアップのピッチを聞いて
僕は日本人でも「勝てる」と思いました。

外国からの参加者が多かったですが、日本人は0人。

僕の感覚では、周りの日本人起業家をみていてもセンスも、強さも負けていないと思います。

そして、なぜ日本人がユニコーンを作れないのかを考えた時に、
ただ「海外で挑戦していない」からだと思いました。

もっと多くの人がグローバル規模でのスタートアップをすることによって、日本の市場も進化していく。

だからこそ、皆さんが海外に進出しやすいように
弊社が世界とつながるハブを作っていきます。

みなさん、世界目指しましょう。でかい挑戦しましょう!

今日からシリコンバレーに移動するので、そのレポートも報告します。


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