湯浅竜

Smart-IP株式会社 代表取締役社長|クロスユーラシア株式会社 代表取締役CEO&…

湯浅竜

Smart-IP株式会社 代表取締役社長|クロスユーラシア株式会社 代表取締役CEO&COO|Edo All United 元CEO|株式会社知財塾 取締役|IPTech弁理士法人 副所長兼COO|アトラクチャー株式会社 COO|弁理士|

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    Smart-IP株式会社について、代表取締役社長として考えていることや、会社のこれまでとこれから

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    オンラインサロンで運営する、リアルさかつくを体現したサッカークラブ「EDO ALL UNITED」のCEOを務めた2年間の記録

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特許事務所の顧問契約について考える(告知あり)

はじめに 2024/7/30(火)に「創業6年で顧問先が累計50社 知財コンサルのニーズの最前線と、毎年6社顧問先を増やす方法 ~明細書作成支援システムの紹介付き~」というテーマでセミナーを開催することになりました。 セミナー詳細や申し込みフォームは以下です。 ◾️セミナー詳細 ◾️申し込みフォーム https://share.hsforms.com/1HQjl87fmTG6r5EBBCF5UrQcydgr セミナー開催にあたって、普段知財コンサルや顧問契約についてど

    • Smart-IP社 創業記 その9 ~α版のプロダクト開発~

      今回は「開発」について。「開発」と一口に言っても、その領域や論点は幅が広く、いろいろなスタートアップが多かれ少なかれ何らかの課題を抱えていたりする。 そこで、今回は、Smart-IP社における初期のプロダクト開発における考え方やポリシーを、苦労話も織り交ぜながら紹介する。 僕自身は以前、コンサルとして、大手メーカーのプロダクト開発マネジメントをしたことはあった。プロジェクトマネジメント自体は比較的得意だったのでなんとかなったが、自身の会社で大規模なプロダクト開発を行うのは

      • Smart-IP社 創業記 その8 ~資金を調達する(後編)~

        前編はこちら、中編はこちらから。いよいよひとまずの後編だ。 α版から、β版へ 当初想定していた3000万円の資金調達を大幅に超えて、シードラウンドではあるものの5000万円の資金調達に成功した。予想外とまでは言わないが、目標額の上限の調達ができたのはありがたかった。 appia-engineはニッチな知財業界向けのツールであることから、どうしても出資してくれる人・組織が少ないと思っていたのだが、これは嬉しい誤算だった。 また、α版の開発自体も、比較的リーズナブルに終える

        • 値付けについて考える 〜特許明細書作成の単価とDX化の影響〜

          京セラを創業し、KDDIを立ち上げ、経営破綻したJALを劇的に回復させた経営の神様、故・稲盛和夫氏。だれもが認める日本のトップ経営者は、経営哲学をまとめた「経営12カ条」というものを作っている。 「経営12カ条」は彼の考える経営哲学のうち、特に重要だと思うエッセンスを抽出したものなのだが、その第6条にはこう書いてある。 「第6条 値決めは経営」 曰く、値決めは経営者の仕事であり、経営者の人格がそのまま現れるというものだ。 値決めに絶対の正解はない。高いから/安いからよい/悪

        特許事務所の顧問契約について考える(告知あり)

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          Smart-IP社 創業記 その7 ~資金を調達する(中編)~

          無事、本田さんへのピッチを終え、人生で最初の資金調達が決まった。貴重な機会をくださった本田さんには本当に感謝している。 さて、資金調達の目標額は最低でも3000万。できれば5000万としていた。 何に使うというかというと、おもに「開発予算」だ。Smart-IP社では「appia-engine」という特許明細書のドラフティングシステムをSaaSとして提供しようとしている。そのための開発予算として、当時見積っていた金額を目安に、資金調達の目標額を設定した。 開発というのはそれ

          Smart-IP社 創業記 その7 ~資金を調達する(中編)~

          Smart-IP社 創業記 その6 ~資金を調達する(前編)~

          会社の経営資源としては、「ヒト・モノ・カネ」が最小の構成要素だ。 「ヒト」は、優秀なボードメンバーが集まる兆しが見えていた頃だった(ボードメンバーについてはこちらの記事で)。「モノ」は、いろんなものを作りたい思いはあるものの、まずは「特許明細書作成の支援」という知財業界の一丁目一番地であるにもかかわらず、これまでだれも取り組まなかった領域に白羽の矢を立てた。最も課題が大きそうで、最もやりがいがあると思ったからだ。 最後に必要なのが「カネ」。つまり、資金調達である。 資金調達

          Smart-IP社 創業記 その6 ~資金を調達する(前編)~

          日弁会報に経営方針について寄稿してみた

          このたび、日本弁理士クラブの発行する会報「日弁会報 第47号」内「会員便り」に寄稿の機会をいただいた。 日本弁理士会クラブ(日弁)は、PA会、春秋会、南甲弁理士クラブ、無名会(僕はここに所属している)、稲門弁理士クラブの5つの弁理士団体によって組織される連合体で、日々日本弁理士会の活動をサポートしている。 お話をいただいて、何を書こうかと思ったが、部下に「会社を経営するときにどんなことを考えているのかを文章にしてみたら」と言われ、いい機会なので自分がメインで経営に関わってい

          日弁会報に経営方針について寄稿してみた

          Smart-IP社 創業記 その5 ~MVVを作る(後編)~

          前編はこちらから。Smart-IP社をどんな会社にするか、会社を定義するために、Smart-IP社のMVVを作り始めた。 MVV作成にあたっては、MVV自体の作り方を定義し、MVVを作り、誤解を招かないようMVVを解説するという、3つのステップを踏んだ。 MVVの作り方を定義する ■MVVとは ・定義 会社には存在価値・意義が必要であり(ミッション:M)、それを実現するために5年後、10年後どういう姿に将来なっているべきかを定義する必要がある(ビジョン:V)。 それが定義

          Smart-IP社 創業記 その5 ~MVVを作る(後編)~

          Smart-IP社 創業記 その4 ~MVVを作る(前編)~

          どんな会社にするか。会社の中身を定義する ボードメンバーは揃った。箱としての会社もある。 次に考えるべきは「Smart-IP社をどんな会社にするか」。つまり、会社の中身を定義する必要が出てきた。 これまでに何社か会社を経営してみて出来上がった持論だが、会社経営は創作活動に似ている。 一品制作的で、再現性がない。ロジックが大事な一方、ロジックだけでは仕上がらない(少なくとも「おもろい」会社にはならない)。しかも、個人の創作というよりはチームで完成させる作品だ。自分一人が思

          Smart-IP社 創業記 その4 ~MVVを作る(前編)~

          「スマートドラフティング」の商標登録出願と、その概念の定義

          弁理士が商標出願すること 個人的にはあまり好ましいと思っていない(あくまでも個人的な考えだ)。本質的に我々弁理士は、クライアントのサービス名称や会社名の模倣を防ぐべく、知財の権利化を代理することが商売だ。となると、クライアントが取得できる商標の選択肢を自ら減らすようなことは、職業人として決して好ましくはないのではないか、と思っている。 繰り返しになるが、あくまでも個人的な感想・見解であり、将来考え方が変わるかもしれない。 一方で「自分が経営する特許事務所名」の商標出願を

          「スマートドラフティング」の商標登録出願と、その概念の定義

          特許明細書の書き方が変わるかもしれない~スマートドラフティングという考え方とappia-engineで実現する世界~

          特許明細書の書き方が変わるかもしれない 弁理士は、これまで特許明細書をWord(Microsoft Officeの提供するある種の「インフラ」)で作成し、納品していた。事務所によってはWordではなく一太郎を使っているところもあると聞く。僕自身は一太郎を使ったことはなく、かなり古いインフラだと思うが、「業務に直接の支障がなければ特に変える必要はない」というのは、日本に限らず当然の発想だと思う。  ここでちょっと立ち止まって考えてみよう。実は特許明細書の作成は必ずしもWo

          特許明細書の書き方が変わるかもしれない~スマートドラフティングという考え方とappia-engineで実現する世界~

          仕事がなぜ楽しいか、楽しくないか〜ゲーミフィケーションとしての仕事とクッキークリッカー〜

          この記事は 知財系 もっと Advent Calendar 2023 #IP_AC 12/15のエントリーです。何を書こうか考えたのですが、社内で「クッキークリッカーと仕事の相似について書いてほしい」と言われたので、今回はこのテーマで書いてみます。 仕事は「ゲーム」に例えられることがあります。ここでいう「ゲーム」って何なんでしょうか?ゲームというものを構造的に分解し、最後の最後に残るものは何なんだろうと考えたとき、ある種の答えが「クッキークリッカー」だと思っています。 ク

          仕事がなぜ楽しいか、楽しくないか〜ゲーミフィケーションとしての仕事とクッキークリッカー〜

          「40にして惑わず」~40歳になりました。誕プレが最高だった~

          12月2日の本日、40歳になった。 普段、誕生日についてはあまり触れなかったけど、「四十にして惑わず」という言葉が昔から記憶に残っていて、自分にとって「40歳」というのは一つの節目だった。感想込めてnote書きます。 まず誕生日と言ったら誕生日プレゼントだ。12/2はSmart-IP社の最初のプロダクトである「appia-engine」のリリース日でもある。これがリリースしてくれることが、僕にとって最高の誕生日プレゼントだ。 経緯は以下の通り。 当初、「いつ頃リリースす

          「40にして惑わず」~40歳になりました。誕プレが最高だった~

          Smart-IP社 創業記 その3 ~ボードメンバーを選ぶ(後編)~

          前編はこちらから。自分がCEOをやることに決め、他のボードメンバーの人選に着手した。 COO:佐竹星爾 COOは戦略参謀だ。三国志でいうところの諸葛孔明。大局観を持つことができ、戦略論の知見も深い人。また、最終的にユーザーにとって「価値のあるプロダクト」かどうかを判断する責任者にもなってもらいたいと思った。 そこで、一線級の弁理士で、ITに関する知見も多く、MBAの資格も保有し、戦略論への洞察も深い佐竹さんにお願いすることにした。佐竹さん自身が実務家であること、マネジメン

          Smart-IP社 創業記 その3 ~ボードメンバーを選ぶ(後編)~

          Smart-IP社 創業記 その2 ~ボードメンバーを選ぶ(前編)~

          誰を船に乗せるか 年末年始、会社(IPTechのオフィス)に籠り、会社のビジョンやロードマップ、プロダクトコンセプト、収支計画や組織図の素案なんかをひたすら書いていた。会社設立はこれで6,7社目。過去の資料を参考に、Smart-IP社用に修正していたりしていた。 この時に参考にしていたのがロングセラーの名著「ビジョナリー・カンパニー」シリーズ。ビジョナリー・カンパニーでは創業期に「誰を船に乗せるか」を重視する(本の中では「バス」なのだが、「船」と読み替えるのが自分にはしっ

          Smart-IP社 創業記 その2 ~ボードメンバーを選ぶ(前編)~

          Smart-IP社 創業記 その1 ~Smart-IP社を作った理由~

          Smart-IP社設立 2022年3月、新しく会社を作った。名前はSmart-IP株式会社。社名は一人で決めた。 会社を作るのはこれで何回目だろう。知財業界の中に限っていえば、会社設立の回数はダントツで多いかもしれない。少なくとも弁理士としては一番だろうか。ただ、回数なんて、何も自慢にならない。そんなことよりも、1社でもいいから、社会にとって、意味があることをやる。そして、自分(達)にしかできないことをやる。それを大事にしたいと思っている。 知財業界でやりたかった2つの

          Smart-IP社 創業記 その1 ~Smart-IP社を作った理由~