【読書】外套(ゴーゴリ)『自信と傲慢の境界』
※出来るだけ、自分なりの読みをしてみる。
極寒のロシアの必需品「外套」が、纏う人間の性格を変える。
清書だけが生きがいの地味な主人公が、
綺麗な外套が手に入ることで急激に惑わされる。
一方、事の元凶である人物は、
外套を失うことで本来の自分を取り戻す。
思いもよらないモノを手に入れて舞い上がり、自分を見失う。
自分はモノを持っている人間で偉いんだと、傲慢になる。
いつの時代も人間は変わらない。
* * *
近藤康太郎の聖地巡礼ではないが、芥川龍之介の「芋粥」と同じ筋をみつけて嬉しくなった。
確かに、五位の『いけぬのう、お身たちは。』と同じだった。
日本の文豪が、海外の文豪の作品を読んでいたのだとわかるのは、
作家の繋がりというか、影響を受けていたことを読み取れて面白い。
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