「保育に正解はない」けれど「適切な関わり方」はある!
はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。今回は「保育における関わり方」について、学校でも保育園でも教えてくれない基礎知識をお伝えしていこうと思います。
保育は保育者と子ども達、つまり人と人が関わり合うものです。更に時代背景であったり、社会がどこに向かっているのか、保護者のニーズは何か?色々な要素によって多様な保育が行われています。
そんな中でもよく聞くのが「保育に正解はない」という言葉。
パッと見、すごく救いの無いような言葉にも思えるのですが、実はこれって凄く希望のある意味で「保育に正解はない、だから多様な価値観を持ちながら子ども達と接して良いんだよ」と言う風に解釈しています。
なので僕個人の意見としては「自分の保育観を過信してはいけない」けれど、正解がない保育の中でそれでも毅然と子ども達の前に立つために「自分だけの誇れる保育観」というものを持つことが大切だと考えています。
そして、保育には正解はないのですが「適切な関り」と「不適切な関り」というものが存在します。考えるまでもなく、子どもの最善の利益を侵害する言動は不適切だと断定できますね。
ですが、TPOによって関わり方を変えた方が「適切な関わり方」となる場合とがあったりします。そこもまた難しく、保育の面白い所でもあるのですが、今回はケースワーク形式でこの場面だったら、どこに焦点を当てて考えて、関わり方を工夫していく方が良いのかを解説していこうと思います。
<「物を取った」は同じでも【年齢】によって適切な関り方は異なる>
始めは簡単なものからいきましょう。子ども達はみんな発達・成長の過程です。一番小さいクラスから大きいクラスでもまだ6歳です。まだまだ、自分のことを優先してしまうのは当たり前ですし、時には悪戯でお友達をからかうことだってあるでしょう。
例えば、お友達が使っていた砂場のスコップを取ってしまった子がいて、取られてしまった子が泣いているとします。この時、年齢やその子の成長に合わせての対応が求められます。正解はありませんが、小さい子に適切な関わり方と、大きい子に適切な関り方とがありますね。
まずは、考えてみてください。年齢別に考えてみて良いと思います。ここでは1歳と5歳を例にしますが、みなさんは是非、「自分だったら1歳さんには、2歳さんには・・・5歳さんにはどう関わるかな?」と考えてみてください。
〇1歳児さんの場合、それぞれの子どもの欲求に目を向ける
1歳児クラスといえばそろそろ自我が芽生え始める頃であり、お友達に関しても少しずつ興味が出てくる時期です。特に、お友達の使っている玩具は楽しそうな「とても魅力的な玩具」に見える時期です。
更に3歳まではまだ自己中心性の世界にいますから、他児の気持ちを察するということは心の発達としてまだ難しいことがあります。といえど、取られた子が泣いているという事実は分かりますから、相手の子の気持ちを代弁して伝えていく必要があるでしょう。
なので、ここではお友達の使っていた「魅力的な玩具」にひかれてしまった気持ちと、取られてしまったお友達の感情に焦点を当てて関わっていきます。
例)「〇〇くんの使ってたスコップが楽しそうだったんだね。でも、〇〇くん遊んでいたスコップなくなっちゃって哀しそうだね。次からは「かしてー」ってしようね?」
〇5歳児さんの場合、子ども同士で解決策が出せるように見守る
5歳児クラスになると、相手の気持ちを察することが上手になってきたり、でも自分の気持ちをまだまだ優先したい気持ちもあり葛藤のある時期です。なんとなくのコミュニティも出来てきたりして、「いれてー」、「いいよー」の期間は過ぎてしまっています。
仲間外れというと言葉は悪いですが、好きなお友達と協力をして遊びたいう気持ちが強く、けど、集団生活なので一緒にしなくちゃいけないという社会的な望みに関しても理解しています。
なので、1歳さんの場合には先生がトラブルの仲裁に入りましたが、5歳児さんになれば、ヒートアップして怪我をするようなケンカにならない限りは、基本的に仲裁の必要はなく見守ることが大切です。
その上で子ども達が問題を解決できずに相談をしてきたら、時間的な余裕があればヒントを出してあげるのも良いでしょう。
「一つしかない大きいスコップ、みんなもきっと使いたいって思うよね。どうすれば良かったのかな?」
なんて投げかけをするだけで、取ってしまった子も、先に使っていた子も意見を次々と出すことができるようになるでしょう。その中で「じゃあ、今はどうする?次からはどうする?」と、問題解決と、次回に同じトラブルが起きないよう道筋を立ててあげると良いかと思います。
勿論、先生が意見を出さなくても解決できるならそれが何よりです。後で、こそっと「ケンカ仲直りできてたね」なんて声をかけてあげると良いかもしれません。
<タイプの違う保護者に「おもらし」をしたことを報告する場合>
さて、次は保護者との関りを見ていきましょう。3歳児クラスの前半で多くの子がすでに2歳児クラスでオムツが取れていました。まだオムツの子は人ですがみんなすぐに取れそうな見通しが立っています。
ある日、2人の子が一日の中で2回おもらしをしてしまいました。一方のお母さんは1歳半頃から家でもトイレトレーニングを頑張っていてオムツが取れていないことをすごく気にしています。
もう一方の子どものお母さんは、「いつか取れますよねー」と、長い目でトイレトレーニングに向き合っていて、家でも余裕のある日にトイレトレーニングを実施していると連絡ノートに書かれています。
どちらの場合であっても、「おもらし」が2回あったという事実は報告する必要があります。
〇前者の場合には「家庭での努力にも目を向ける」ことが必要で、おもらしをしてしまった事実と共に子どもが頑張っていた様子を伝えてあげると良いと思います。
〇後者であれば「子どもの様子」にこそ焦点をあてて、どういう場面だったのでトイレにいくタイミングが合わなかったのか伝えるのが良いのかなと思います。
とはいえ勿論、保護者の方も様々なので「正解はない」ですし、その方々にとっての「適切な関り」があるので、あくまでも一例です。
ということで、簡単な例をあげて「適切な関わり方」と、どのような配慮をするべきなのか、どこに焦点をあてるべきかを解説してみました。ここでのケースはあくまでも一例に過ぎません。普段関わっている子ども達が、連携する保護者の方が何を見ていて、何を思って、どんなことを聞きたいのかそれらに目を向けることができると自然と「適切な関り」に近づいていくのではないかな、と思います。
では、また学ぼうね!
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保育士りゅう先生
保育士りゅう先生(「RyU先生」で子育てに関する記事の執筆を依頼を受けてしていました)
保育現場で5年間正職員として働き、学生時代やライター活動時にも子どもとの関りがあるアルバイトをしていました。
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