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ふと考えた令和の時代の「伝わる力」-上新田学園の総合的な学習の発表会に伺いました-

3月中旬のこと
上新田学園の小学校6年生に呼んでもらい、学習発表会に参加した。

今回の発表のテーマは、「上新田の宝を探して」ということで、1年間学習したことの総まとめの時間だった。今回の発表を見て率直に感じたことを3つ挙げたい。

まず、提案が面白かった。

今回の発表の中心は、「どうしたら、上新田の宝をいろいろな人に知ってもらえるか」だった。
この手の発表会は、かなり見ている方だと思うのだが、「なるほどこういう手があったか」という目から鱗が落ちるアイデアが多かった。ポスターやリーフレットというオーソドックスなものもあったが、GIGAスクールの時代だからだろうか、かなりしっかりとしたものが出来上がっているようだった。

また、加えて動画作成をして多くの人に見てもらうというアイデアもだされていた。コンセプトも面白く、ニュース風に動画を作りました、というアイデア(だけではなく実際に作っていたことにも驚いた)なんてのも出されており、「なるほど、こういう伝え方もあるか」と思ったところだった。

「笑いを盛り込む動画にしました」、といった一工夫もあってふむふむとも。

あと、ダイレクトにプレゼンで熱量を伝えたい!ということも言っている子も居て、実はそういうものも大事なんだよなぁと思ったりもした。

それぞれが提案する企画の明確化の努力がプレゼンからも資料からも読み取れて、聞きやすかった

各チーム(4チーム)の発表それぞれが、①誰を対象に、②どのような理由で、③どのように上新田の宝の良さが「伝わる」ようにするか、ということが明確だったと思う。小学6年生のプレゼンでここまで整理されているのは率直にすごいなと思った。もちろん、まだまだより良くできる、と言う部分もあるが、それが見えたのも内容をしっかりと整理しているからこそ、という気もしており、どんどんレベルアップしていくような予感がした。ちなみに、対象者を30代〜40代というように絞っていたチームがあったり、海外の人に伝えて外国から来てほしいという想いから作られたアイデアもあり、総じて「みんな」という言葉が出ていなかったところが印象的だった。

地域の人の温かさ、そして、真摯に向き合ってくださる優しさ

最後に、私と同じく参観してくださった地域の方の言葉がとても印象的だった。子どもたちの思いが伝わった証拠だったと思う。そして、その結果、また発表会の中で地域の方と子どもたちとの対話が生まれていたことも更に印象的だった。良い発表は連続的な対話や議論を生む。そのように感じた。小学校6年生の子たちを地域の人たちは、子供と言う視点より地域の仲間として見てくれたのかなぁと思える場面もあり、やはり地域の方に発表に来てもらうべきだなぁと感じた。

最後に、この子たちが持つ未来の伝わる力について考えてみた

改めて、この子たちが大人になったときに、もっともっと「伝わる力」がついているんだろうなと思った発表会だった。伝えた、ではなく「伝わる」にはどうすればよいか。彼らはおそらく我々よりも上手になっているのだろう。そして、そのときの指導者や支援者の役割はまた変わっていくのだろうと感じた。3点目に書いたが、発表を聞く、だけではなく、そこから更に生み出すような対話や協議の時間というものの設計も考えていくべきだなと。答えはない。ただし、色々と考える余地が増えたということを実感した1日だった。

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