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#35 長く使っているもの/泖

【往復書簡#35 のやりとり】
月曜日:及川恵子〈田中みな実になりたいとは思わないけれど〉
水曜日:泖〈服育てるのさ〉
金曜日:くろさわかな

服育てるのさ

昔から物持ちが良くて、一度お気に入りになると "使えなくなる" まで使ってしまいます。

なかでも1番長く使っているのは、小学5年生から着ている紺色のトレーナーです。

たしかアメリカ屋で買ってもらったものだったかな。袖なんて、もうヨレヨレです。

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なんだか色がすすけてますね。タグには「EDWIN」って書いてありますね。はずかしながら、今日初めて知りました。たぶん、当時は2,000〜3,000円だったと思います。小学生のとき母親に買ってもらったから全然覚えてない。

普段から古着やビンテージのものが好きで愛用していますが、よく考えると他人が愛用したものを買うのがほとんどなわけで。

自分が長く愛用し続けるものって、とっても貴重だなと思ったんです。

改めて年数を数えてみたら、この紺色のトレーナーは18〜19年ものでした。立派な古着ですね。

驚くべきことは、このトレーナー、袖とか、首元にぜんぜん穴があかないのよ。毛玉もできたことがないんです。全体的にヨレヨレだけど。個人的には、このヨレヨレ感も好きだったりして。えへ。

いままで、もう "使えない" って判断してきたものって、穴があいちゃって、それを修復してもどうにもならないものでした。

そうすると、「お気に入りだったのに……」と喪に服しながら捨てることしかできないんです。

いま、小学6年生から着ていたトレーナーの袖がボロボロになっていルものがあって、早く捨てればいいのに「まだ、どうにか、直せるんじゃ?」と粘りに粘って試行錯誤中です。

と、色々考えてみても、この紺色トレーナーに関しては、奇跡ですよね。

小学5年生の時、わたしは身長が高いほうだったので、大人のMサイズを着れるのはとてもうれしかったんです。でも、結局身長は161cm(本当は160.8cmだけど)で止まり、いまでもこのトレーナーがぴったりサイズ。むしろ、袖はちょっと長いくらい。仕事にも着ていくし、友達と遊ぶときも着れる万能なトレーナーです。

他人が既に育てた味のあるものを愛用するのも良いけど、自分が育てたものをずっと愛用するのも乙なもんですな。

往復書簡用に写真を撮っていたら、飼い猫が奇跡のトレーナーを敷き物にしてしまいました。猫にも愛用されるトレーナーです。

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追伸。
腹が立ったとき、モヤモヤしたとき、その発散方法を暴飲暴食に逃がさない方法を習得したいです。明日から4月ですね。

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