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#25 気になること/泖

【往復書簡 #25 のやりとり】
月曜日:及川恵子〈ねぇ、食は幸福だって認めて?〉
水曜日:泖〈無意識のファッショニスタ〉
金曜日:くろさわかな

無意識のファッショニスタ

昔からファッションが好きで、おしゃれな人や洋服を見るとかなり興奮します。

わたしが特に好きで着ているのはモード系やボーイッシュなスタイルですが、基本はジャンル問わず自分に似合っていればなんでも着ちゃいます。一目惚れした服があろうものならば試着せずに買っちゃうんです。

古着屋さんでの出来事です。
「試着してみますか?」と聞かれたので、その場で気に入った服を自分にあてがって「あ、似合いました」と宣言したら、店員さんに「いい!今度わたしもそれやりたい」と爆笑されたことがあります。

いまのところ、一目惚れした洋服に「失敗」はありません。これを着て外に出づらいかも、ってやつも気に入ったらとりあえず買っちゃいます。古着の派手なドレスとかね。そういう服は部屋の中だけで着て楽しんでいます。なんとな〜く美意識が高まっているときに、鏡の前で一人ファッションショーをするんです(秘密をバラしているみたいで恥ずかしい)。いつか、どこかで、さらっと着たいものです。

いま書きながら気づいたんですけど、わたしが服を買うときはコレクションする感覚に近いかも。

そして、わたくし、本日めでたく29歳を迎えたのですが、自分が高校生のときに描いていたこの年代って、ハイブランドの服をカード一括でホイホイ買えているイメージだったんです。

でも実際のところ、そんな生活とは程遠いのが自分の現実なわけで(あ、ごめんなさい、『北の国から』でちゃった)。

いつか絶対に欲しい!身に纏いたい!と思うのですが、その欲は高校生から今も変わらず、ファッション誌をスクラップするか、ファッションスナップを見ることで満たしています。

で、最近特に注目しているのが、すれ違うおっちゃん&おじいちゃん達の着こなしです。一瞬「え!?」って思うカラーリングも、とてもチャーミングで参考になるんです。

わたしが実際に取り入れたのは、オレンジとピンクの組み合わせです。オレンジのマスクをつけて、真っピンクのセーターを着たら、会社の人にとても褒められました。

あと、「あのおっちゃんが着てるブルゾンかっこいい!」と思ってちゃんと見てみると、ただの作業着だったというケースが結構あります。それも会社名と名前が入ってるようなやつ。

「うわ!ちょーイケてる!」って思ってキャップもよくよく見てみると、メーカーが「ヤンマー」だったり「クボタ」だったりします。

ニット帽のかぶり方もすごくおしゃれな方がいました。居酒屋のカウンターで安い日本酒を飲んでいたおじいちゃんが、ニット帽を頭から取れるか取れないか危ういラインで若干斜めにかぶっていたんです。話を聞いたら、そのかぶり方をしているのは「そうなってしまったから」なのだとか。

どれも無意識の着こなしですよ。達人の域じゃん。

天然の無邪気さには敵いませんね。今後も、名付けて『おっちゃん&おじいちゃんの街角着こなしハント』は続けていくつもりです。


追伸。
今年は、いままで集めるだけ集めたスカーフをちゃんと身につけて外に出たいと思います。願望としては、マチコ巻きでお買い物に行ってみたいです。


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