マガジンのカバー画像

君が僕の名前を呼ぶから

12
本当の自分もわからない。こんな僕 なのに運命なんて思って 永遠を誓ったりってあるのかな。 その瞬間の気持ちに嘘はなくてって 永遠でってわかる。 でも永遠なんてきっとないよ。どこ…
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

#11メルティラヴァー

放り込んだ薬みたいに。
珈琲に溶け込む砂糖みたいに。
掌に触れた雪みたいに。

甘く深くあんなに交わったのに離れていく。
恋も愛も融解していく。

遅かれ早かれこうなる日がくることはわかっていた。

最初は妄想話をしていると勘違いされた。至極当然の反応だ。

「なんかの小説の話?読書なんてするっけ?」
そんな言葉が返ってきた。

確かな傷みが胸に去来する。
私は嘘に嘘を重ね続けた。
物語を演じ続け

もっとみる