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可愛い絵柄×解像度の高い昭和レトロ『おんなのこのまゆ 昭和式メイド閑話抄』

4/23追記
著作権保護のため、マンガ部分の画像を削除しました。

「ぼのフェス」の竹書房作品セールのおかげで、新しい作品と出会うことができました。

それが今回取り上げる『おんなのこのまゆ 昭和式メイド閑話抄』です。
日常系作品としてはかなり個性的な作品だったので紹介したいと思います。


あらすじ

(単行本の紹介文コピペ)

時に昭和十年。両親の不幸の知らせを受け、
留学先の英国より横須賀の実家へ戻ることになった耀一郎。
そんな彼を出迎えてくれたのは繭と名乗る、
青い目をした幼い少女。
和久井家当主を継いだ彼のためにたったひとり屋敷に残された、
彼専属の使用人だった。

はじめは繭を訝しがっていた耀一郎だったが、
甲斐甲斐しく世話をする彼女に心を開いていき...…。

身分差を超えて紡がれる、遊郭育ちの女の子と名家の跡継ぎの
やさしいふたり暮らし。

コミック第一巻より

可愛い絵柄からは想像つかない丁寧な時代描写

『おんなのこのまゆ』の最大の特徴が、可愛い絵柄と時代背景に忠実な世界観のギャップです。

まず、本作はキャラがとてもかわいいです。

イラストの知識に疎いので上手く表現が出来ませんが、き〇ら作品ライクな優しいタッチの絵が魅力。

個人的には、瞳の描き方がキャラごとに大きく違うのが好きです。

このようにかなりゆるふわなキャラデザである作品なのですが、一方で世界観は絵柄とは対照的で、昭和十年の時代背景にめちゃくちゃ忠実に描かれた、重厚感のあるものとなっています

当時のガス式湯沸かし釜や、「どりこの」という清涼飲料水など、時代を感じさせるアイテムがたくさん登場するのが興味深い。
ストーリーそっちのけで「はぇ~」ってなります(語彙力)。

巻末に「劇中描写に関する歴史的補講」なる丁寧な解説コーナーがあることや、参考文献のリストが1ページかけてびっしり書かれていることから、作者さんの深い時代考証が伺えます。

The・二次元な可愛いキャラデザとリアルな時代描写のギャップは、本作の唯一無二の個性だと思います。


一見正反対な二人が生み出す優しい空間

もう一つの魅力は、一見正反対に見える二人の、心温まる関係です。

主人公の和久井耀一郎(わくいよういちろう)は、堅物でひねくれ者の物理学者。

一方で一緒に暮らすことになる繭(まゆ)は好奇心旺盛な少女で、遊郭育ちという複雑な背景アリ。

身分はおろか年齢や価値観まで全く違う二人ですが、そんな彼らがお互いに助け合おうとする姿には心打たれます。

耀一郎は時に歯に衣着せぬ物言いをするものの、自身がひねくれている自覚があるので、そんな時はすぐ気付いて謝れる人間です。
彼は根が腐っているのではなく、単に不器用で自分を卑下しがちな、ごくごく普通の青年です。
また彼女の複雑な生い立ちを気にして、彼女のために少女雑誌を買ってあげるなど、優しい一面も持ち合わせています。

そして繭もそんな彼の本当の性格を知ったことで、使用人として彼のことを支えたいと心から願うようになります。

お互いの弱さを受け入れ、補い合うような二人の関係性は見ていてとても微笑ましいですし、「実際は相性よかったんだなぁ」とほっこりした気持ちにさせてくれます。

まあつまりめっちゃ尊いということです。


まとめ

『おんなのこのまゆ 昭和式メイド閑話抄』は、可愛いキャラデザと時代背景、個性的な二人による優しい日常が魅力のマンガです。

日常系として楽しめる他、昭和初期の暮らしや空気感について学べる歴史マンガとしても楽しめるおトクな作品です。

最初に書いたようにセールの対象になっており、私が使っているebook japanだと4/21までなら第一巻が11円、第二巻が401円と激安になっているので、気になった方は是非。

※ただし第一巻は試し読みが増量していて、無料で8割ほど読めてしまうので注意(これも4/21まで)。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

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