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武尊vsスーパーレック キック=足、パンチ=手ではない

本日1月28日、武尊選手とタイのスーパーレック選手による試合がありました。試合を観戦しましたが、その技術力には凄まじいものを感じました。

日本人としては武尊選手を応援していましたが、結果はスーパーレック選手の判定勝ち。

武尊選手も途中パンチのラッシュを仕掛けるなど、優勢な場面もありましたが、全体を通してスーパーレック選手の攻撃が多くヒットしていました。

中でも特徴的なのは右のローキック。凄まじいスピードで繰り出すローキックは武尊選手の左足を真っ青に染め、場内に大きな音を立てていました。あれはすごい、身体のフォルムからすると武尊選手の方が骨格が分厚く頼もしいのですが、その身体からは想像がつかないほどのスピードとパワーを見せてもらいました。

意外と細い足なのに凄まじいパワーを放つ選手はいます。足技は足の筋肉量によってのみ放たれているわけではないということです。腰やその他インナーマッスルを総合的に連動させて放つため、見た目の太さだけでは推し量れないということです。つまりキック力は足の力ではない。

そしてその圧倒的スピードのローキックによりダメージが蓄積されるとどうなるか。パンチに力がのらなくなります。パンチは腕の力ではないということです。そうして武尊選手の得意とするパンチも軽減され、さらに得意の左インローもいつもより格段に数が少なくなっていました。そうして得意技を抑えられたため試合展開はスーパレック選手の優位となりました。

バランスの取れた幹から放たれるシャープな足は、ムチのように切先が走ります。しかも、重い。どうなってるんでしょう、骨がめちゃくちゃ硬く鍛え上げられてるのかもしれません。

さらにスーパーレック選手の良いところは詰めた距離での膝蹴りです。武尊選手は近い距離での打ち合いを得意とするのに対しスーパーレック選手はもう少し遠い間合いを得意とします。近い距離に詰められても対抗できる技があることで間合いを制することができます。ディフェンスもしっかりしていて、コーナー際で武尊選手のパンチをスウェーで躱しきるシーンは見物でした。

しかしタイの特にレベルの高い選手はキックの軌道も美しく、意識感覚的なことを言えば足を手のように使います。なにか道具のように、ジャブのようにハイキックを繰り出します。普通キックするとその足に重心が少なからず持っていかれるのですが、重心が動かないというか、それをコントロールしているような感じです。それをまさに体現しているのが若き天才、吉成名高選手。吉成選手はタイ出身の選手らしく、軌道のコントロールとスピードが凄まじい。見ていてめちゃくちゃ面白いです。次は吉成選手を詳しく分析して記事にしてみたいですね。

それでは本日はこの辺で。ありがとうございました!



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