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人が出ていく地域がユートピアな訳ないじゃん

「俺たち20代が地域から出ていくのは、地域が変わらないからだ。」

この3月に町から20代の若者3人が離れる。労働環境が悪かったから出ていく人、上司に恵まれなかったから仕事をやめる人、次のチャレンジに向けて出て行く人、理由はそれぞれ。町にいる者としては寂しい。

 若者が地域に居ることで、社会の変化をダイナミックに感じれる。社会の変化の象徴が町を離れると、この地域に若い世代の感覚がなくなってしまうようで、ちょっとした危機感がある。

 町を離れる1人の言い分が、地域が変わらないからだし、老害のせいで出ていくと言う。地域に来るまでは地域のよいところばかり見せて、悪いところを教えてくれなかった。その悪いところを改善しなかったのは、地域側の責任。若い世代は閉塞感があるのに、上の世代は理解していないとの記事がでて賛同を得ていた。

 ユートピアを求めて地域に来たならどうぞお帰りください。職場でも地域でもユートピアなんてありえない。一時的に完璧があったとしても、すぐに変わる。自分にとって都合が合わなくなったなら、また新しいユートピアを求めて、都合が悪くなったら他人に責任を求めてでていけばいい。

 だれもが別のものがたりに生きている。相手のものがたりを自分のために書き換えることを期待するのは、都合が良すぎる。私が私らしくいきることを他人に求めるなら、それ相応の要求を相手から求められてしかるべきだ。相手に一方的な覚悟を求める人に言うことはない。

 「あなたは地域に受け入れられてるよね。それはあなたが特別だからでしょ。」

 そう思うならそう思って結構。その裏で、どれだけ嫌な思いをし、尽くしたくない人のために時間を割いているか。目に見えるものの裏で、必要な無駄な時間を割かないとならないことを理解している。周りにいる尊敬する仲間が、表向きはいつでも自由に振る舞っている一方、清濁併せ呑んでバイブスが合わない人とも上手く付き合っている。

 移住関連のしごとをしていると、地域によくないところも見せないのは卑怯だって言われる。あえて反論するなら、地域をユートピアだと思ってきてたんですね?ってことだ。デストピアに来ているってこちらは思っていますから。人が出ていく町がユートピアな訳ないじゃん。人がでている事象を見て「ユートピア」だって思っている方はお察しが悪いようで。

 ユートピアへ行ってらっしゃい。こちらはいつでもデストピア。ユートピアを目指して取り組むだけ。

選挙期間になるといつも憂鬱な気分になる町より、愛を込めて。

good bye!


あなたも変わりものね!サポートは町のこどもたちの探究心を育むものに使います。ありがとう!