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距離を超えて商いを問い続ける場所

秋田に住んで6年にもなるから、林道、農道など茨道を走って細い道にも耐性はできていた。それでも、’わざわざ’にたどり着くまで戸惑ってしまった。

「本当にあるのだろうか?」「グーグルマップさんはいつも攻め攻めな道をいく」と不安にかられながら、目的地に近づく。坂道を登りきって丘の上にでて視界が広がる。浅間山を望む素晴らしい景色に心が満たされる。「看板もあったかわからないくらいで、お店も駐車場も分かりづらいから気をつけてくださいね」とゲストハウスのスタッフに言われた。「お店だとは気づけ無いようなお店を探す」と思えば、すぐに見つかった。

WEBメディアで’わざわざ’はたっくさん取り上げられている。「お店に来ないでください」など挑発的な文章も多々ありつつ、そこに至るまでの道筋ややりとり、感情をしっかり言葉にして伝えていく姿には勇気を感じる。市場で戦っているように見えるし、かつ自然体でビジネスしたいと願っているようにも見える。野暮な私はそのどちらなのかを見極めたいと思ってしまうが、そこに線引できないことが、未来の可能性なのだろう。

お店は小さかった。売り場もとっても狭かった。2階の雑貨スペースは177cmの私は膝を曲げて歩くしかないほど低かった。屋根裏といったほうがいいのかもしれない。パンの調理場が中心にあって、雑貨や洋服などいろいろ売ってはいるけど、やはりここはパン屋なんだろう。パンを食べてみたけど、格別美味しいというより、飽きない食べ続けたい味だった。

ビジネスとして、スタッフを10名以上雇い年商も数億円に達していることを見れば、あの立地でできたことはすごいことだと思う。交通不便で普通に考えれば絶対に行かない場所でここまで形になったのは、WEB時代ならではかと思う。WEBディレクターとしての経験を活かしてリアル店舗で販売だけでなく、ECで半分以上の売上を稼ぎ出している。ECの売上を支えるのは、代表の平田さんの意志であり、それをWEBを通じて的確に伝えることができたからだと思う。写真一枚とっても、表現することに挑戦しているのがわかる。

田舎で暮らしを、時代を作りたい人に、’わざわざ’は1つの勇敢な物語になった。距離を超えて時代を作る言葉を届ける人が作るお店でした。

パンと日用品の店’わざわざ’


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