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一人暮らしの経験者は、同居後に家事をするか?

同居後(日本の場合、たいていこれは結婚後と同義になってますが)その人が家事をするかどうか?がテーマです。「同居後」としたのは、結婚しても離れて暮らしているカップルがいるから。それに、結婚はしてなくて同棲中であっても、家事シェアは大事な要素ですから。

暮らし始めてみないと、本当に家事をするかどうか?は、わからないのが実情です。「家事?やるよ」と言いながら口ばっかりで何にもやらない人もいるし、家事なんてやりそうもなかった人がやるようになったり。こればかりは本当に始めてみないとわかりません。

とはいえ、そんな一か八かの賭けみたいなこともなかなかできません(そんなこと考えずにするのが結婚という賭けなのかもしれませんけど)。そこで、なんとか「家事をするかどうか?」の基準として、一人暮らし経験の有無で判断しようという提案も見かけます。

結論からいうと、
同居後の家事をするか?しないか?と
一人暮らし経験の有無は、
直接関係ありません。

「一人暮らし経験者のある人は、同居後も家事をする」は、「女は話が長い」と同じ構図だからです。

一番上の画像のように、一人暮らし経験者の有無と、同居後に家事をするかどうか?を2つの軸で考えると4つのパターンに分類できます。男女と話の長短も2つの軸が含まれる内容ですね。男性でも話の長い人はいるし、女性でも話が簡潔な人がいます。短絡的な断定をしてしまわないために、この二軸思考はちょっと役に立つと思います。

というわけで、一人暮らし経験の有無と、同居後も家事をするかどうか?は

一人暮らし経験なし で 同居後家事をする(A)
一人暮らし経験あり で 同居後家事をする(B)
一人暮らし経験あり で 同居後家事をしない(C)
一人暮らし経験なし で 同居後家事をしない(D)

という4つのパターンになります。

(A)一人暮らし経験はないけど、同居後家事をする

あまり居そうにないこのパターン。とはいえ、居ないわけでも無いと思います。一人暮らし経験がないから、結婚相手にはダメという結論は、早まっていると思います。

家族と暮らしていても、その人が家事を一手に引き受けてきたのかもしれません。親が忙しい、ひとり親世帯だった、弟妹の面倒をみてきたというケースもあるでしょう。まったく家事経験はないけど、結婚して一緒に暮らす限りは、自分も家事をしないと!という覚悟の人もいるでしょう。中には、「親の料理がどうにもガマンできなかった。家を出る限りは、自分で料理したい」という人もいるでしょう。

(A)は珍しいパターンかもしれませんが、そういう人がいる可能性はあります。

(B)一人暮らし経験ありで、同居後も家事をする

自分のことは自分でするという「自事」ができた者同士が、同居後もそれを続けるという「二自事」状態。共家事、家事共同ができます。オールラウンダーが二人いれば、それぞれの得意分野に家事を集中させることも可能です。家事領域全部が得意で好きという人はめったにいません。苦手領域が違っていれば、これはラッキー。二人とも苦手なら創意工夫。「アイデア2倍で手間半分」も可能になります。僕の理想はこのパターン。

お互いに持ち寄る文化がしっかりあるので、意見のぶつかり合いである、異文化衝突も多いでしょう。「アイデア2倍で手間半分」というゴールを見失わなければ大丈夫です。間違えても、「俺のやり方のほうが正しい」「私は間違っていない」という、正しさ争いに陥らないように。正しさの競い合いをしても無意味です。戦争とは、すべて正義と正義のぶつかり合いですから。

(C)一人暮らし経験ありだけど、同居後家事をしない

意外と多いのがこのパターン。一人暮らしがよっぽど辛かったんでしょうか?「もう懲りごり」という経験だったのでしょうか?「家事したくないから結婚する」のかもしれません。一人暮らし時代の家は、かなり散らかっていたのでは?というイメージです。

このようなパターンも考えられます。一人暮らし経験があり、「自事(自活)」もボチボチできていたのに、結婚後「家のことは”奥さん”に任せて、君は仕事に集中したまえ」などという上司がいて、「家事をしようと思っていたのにできない」というパターンです。家事はそのではありますが、その家だけでなく周囲の環境に左右されるものです。自己責任の時代とはいえ、その人だけに要因を求めるのは酷です。

「結婚したからには、僕も家事続けなきゃ」と思いながらも、妻から「戦力外通告」されて、家事できていない人もいると思います。一人暮らしの経験があるわけですから、育成から始める必要はないはず。ただ、自分とやり方が違うからという理由で家事させないのは、モッタイナイ。やり方が違うのは、方法の多様性があるというプラス要件。上手く活かす方法を考えればいいだけのことです。人を上手く使うのは、管理職に求められる能力です。家でもトレーニングできます。

(D)一人暮らし経験なし で 同居後家事をしない

「男なんだから、家事はしない」。本人だけでなく、親もそういう価値観であれば、家事は母親から妻に担い手が変わるだけ。こういう人もいると思います。

例えば、執事さんがずっと身の回りの世話をしてくれ、同居後もメイドさんと執事さんがするという人もいるでしょう。つまり、「家事はしないけど、妻も家事しない」パターンです。やりたくないことを、金で解決できるのなら、これはこれでアリです。

例えば、重度の障害があって身体は自由に動けないけど魅力的な人で、縁あって結婚することに。親元で暮らしている時は親が、結婚後は妻が家事をするという場合もあるでしょう。

(A)から(D)まで、こういう人がいるのでは?という想定をあげてみました。まだ他にも「こんな想定もあるのでは?」があると思います。

どのパターンでもいい

僕の理想は(B)と書きましたが、実際は、どのパターンでもいいと思います。なぜなら、どのパターンにも、逃げ道もあれば、落とし穴もあるからです。(B)だから安心というわけではありません。

ただし、「どのパターンでもいい」とはいえ、それには前提が必要です。つまり「したくない家事であったり、価値を見いだせないと思う家事を、妻がやる、あるいは妻にやらせるのは当然」という流れでないという前提です。

違和感に気付けましたか?

さてさて、今回のnote記事。いつの間にか、男性が家事を続けるかどうか?の流れになっているのに気付けましたか?最初は、男女中立にすすめていた話が、いつの間にか「女性は家事を続けるのが前提」となっています。途中から「あれ?」と気が付けたあなたは、きっと「二人二自事」も可能だと思います。違和感なく読めてしまった人は、要注意です。

家事をしない女性もいます。むしろ一人暮らし経験がない女性は多いです。一人暮らしをさせない親もかなりいます。「自事」さえままならない人が、いきなり「家事」をこなすのは難しいです。結婚は、やっぱり賭けなのかもしれません。

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