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淡い恋と自分を奮い立たせる到着口

私は、上京する前に、遠距離恋愛をしていた。
それまで飛行機に乗った事も無かったし、
あまつさえ、親に内緒で一人で出掛ける事なんて。

彼に依存して、嫌われたくなくて、
必死に顔色ばかり伺うようになった私は、よく彼を怒らせた。
何と喋り出すのが正解なのか?
会ってまた間違ったことを言ってしまったら?
ちゃんと迎えにきてくれるだろうか?
と緊張して、泣き出しそうな思いで到着口へ向かうのが常だった。

彼に会う以外に東京に来る事がなかったので、
そんな想いだけが強烈に残り、
別れた後も、実家から東京に戻り、到着口に近付くと緊張した。
無意識に彼を探していた自分に気付き、
涙目になりながら家路につく事もあった。

改めてこれを書くことを念頭に置いて通った羽田空港の到着口は、
今もまだ心が騒ぐけど、少し違う心持ちでくぐれた。
あれはあれで、あの時の私の精一杯の好きだった。
これからも、直感に従って生きていこうと想いながら。

読んでいただいて、ありがとうございます。何か響くものがあったのならば嬉しいです!