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「感性」でキャッチして「理性」で見極めるー物事の本質を掴むための情報収集術

株式会社イデアルを経営しています、和田 亮(わだ りょう)です。

私がこのnoteやTwitterを始めたのは「情報発信をする人に一番新鮮な情報が集まる」と感じたことがきっかけでした。情報社会の今、どんな情報をどのように得るべきか、私自身も課題に感じている部分でもあります。

今回はそんな「情報収集」がテーマ。情報を集めるために日々やっていることや、情報の活用の仕方についてまとめてみます。

移動時間はインプットタイム。目からだけでなく耳からも情報収集

みなさんは普段、どんな媒体で情報をチェックしているでしょうか。

私の場合はLINE NEWS、Smart News、Gunosyなど、主にスマートフォンからいろんな媒体を幅広くチェックします。新聞やテレビだけでは情報に偏りが出ますし、CMや広告など欲しくない情報も多く時間が取られてしまう
ので。

経営や料理関連だけではなく、芸能情報やバズっているニュースなどもあえてチェック。どんな内容でも、なぜ今このニュースがバズっているのか、社会がどの様なものを求めているのか、世間の空気感を知っておくことは大切だと思います。

本も同じで、特定の人に偏った情報収集はしません。自分がその人のコピーになりそうな気がするので。

ただ、その時々に感性が反応して気になった人の本を読むようにしています。最近のお気に入りは森岡毅氏の本。「弱みは強みになることはない」「強みや好きなことを伸ばそう」という考え方が、私の考え方と非常に近いこともあり参考にしています。

私が情報収集に充てるのは、基本的に移動時間。忙しい中で有効に情報を得るには、移動時間をどう使うかが重要だと思っています。

特に車での移動時間に重宝しているのは、本の要約アプリ『flier(フライヤー)』。プロの方が要約したビジネス書を音声で聞けるアプリで、10分程度でその本のあらすじが分ります。

普段は車移動が多いのですが、運転中って手が離せないですよね。そういうときに耳から情報を取れるのはとにかく便利!そして時短にもなります。アプリを通して知った本をもっと詳しく知りたいときは紙の本を買います。

新幹線の移動中はネットが繋がらないこともあるので、あえて雑誌や週刊誌などをチェック。いつもと違うソースから情報を得て自分自身の考えをチェックします。

ネットの情報は、基本的にアルゴリズムで自分が好きそうな情報が自動的に集まってきます。だから、自分がエコーチェンバー現象(※)に陥ってないか?と定期的にチェックすることも大切です。

エコーチェンバー現象
自分と似た意見や思想を持った人々が集まる場にて、自分の意見や思想が肯定されることで、それらが正解であるかのごとく勘違いする、又は価値観の似た者同士で交流・共感し合うことにより、特定の意見や思想が増幅する現象。

自分がビジネスマンである限り、偏った情報で物事を判断したくないという想いがあります。だからリアルの場で他業種の経営者の話を聞くなど、いろいろな方面から情報を入れるようにしています。

さらに、一つの意見を見聞きしたらあえて反対の意見にも触れることも大切。片方の意見だけだとその物事が見えてこないこともあります。だから両方の意見を聞いて、その中で全体像を把握するように心掛けています。

要は、とにかく情報を幅広くシャワーのように浴びて、その中から自分の感情を揺さぶられるようなものを常に探しているのだと思います。


集めて終わりじゃない。情報収集と活かし方のコツ

情報収集において大切なのは、自分自身が楽しいと感じたり、ワクワクするような情報を積極的に自分から取りに行くこと。

会社やビジネスのためにと情報を取りに行こうとすると、相手から敬遠されることも。つまり損得勘定だけで情報収集をしていると「本当の情報」って集まりにくい気がしますし、疲れてしまいます。

ただネットで探して得た情報と、自分自身がその情報のソースの中に飛び込んで得た経験と情報。どちらがより自分の感性に響いて新しいアイデアに繋がるかというと、圧倒的に後者だと思います。

純粋に楽しい!知りたい!と追いかけて掴んだものの中から、本物の情報が得られるのではないでしょうか。

そしてもう一つ重要なのは、情報を集めて終わりにしないこと集めた情報をいかに活かすかもポイントです。

情報を得たいと思ったら、まずは何のために情報を集めるのか情報を得る目的を決めること。

さらに、それが社会的に信頼された情報かどうかをしっかりと見極めること。誤った情報ではなかったとしても、その考え方が社会的にどうなのか、主観に偏っていないか、客観的に判断する必要はあると思います。

そして最終的には、その場(情報源)に参加すること。今はSNSで本人にコンタクトしようと思えばいくらでもできますし、いろんなコミュニティでオフ会などもあります。そういう場に参加してみることで、また違った角度から情報を得られるはずです。

調べたことや誰かから聞いたことだけではなく、自分で見聞きした「一次情報」は大変貴重です。言葉や情報の裏側・本質まで分かるのは、参加して得た情報の強みだと思います。

その場に参加したら、自分の意見を言ってみるのも良いと思います。自分の考え方が周りからどう見えるのかを知ることも学びの一つです。

持ち帰った情報をアウトプットできたらさらにグッド。人に話してみたり、料理だったら作ってみるのもいいでしょう。

情報を得て「なるほど」と思って終わりではありません。その先の活かし方で情報の価値は変わってくると思います。


大切なのは感覚的に得た情報の「本質」を理性で見極めること

情報は感覚的に得た情報をどのように理性で整理して活用するかが大切だと思います。

例えば、フーディーのSNS投稿を見て気になる料理に出会ったとします。この「気になる!美味しそう!」という感覚はとても大事です。しかし、そこから何も考えずその投稿と全く同じメニューを出すのは「情報を活用した」とは言えないと思います。

あるべき姿としては、まずはそのお店に直接行って、料理を食べたり空間を観察してみる。そのメニューの背景や考え方まで考慮した上で、メニューとして参考にするかを考えます。

流行っているから、フーディが言ってるからとすぐ真似るのではなく、なぜその料理がウケたのか?を考える。実際に体験してみて、その本質を取り入れたいのです。上辺だけではなく「なぜ流行ったのか」という本質を理解したいと常に思っています。

感覚的に「面白いな」と思ったものは、理性で冷静に整理すること。このクッションはとても重要だと思います。

私はいつも、情報として触れて良いなと思ったものは一旦メモしておきます。例えば打ち合わせの中で「この料理をもっと良く見せたいけどどうすればいいか?」とアイディアが必要なときに、そのメモから自分の中の引き出しを探すイメージ。

情報収集って、必要な時に必要な情報を導き出す引き出しを増やすことかもしれません。

事務所の本棚。社員やアルバイトは誰でも本を借りて情報収集できます。


「世界のレストランの流行」と「日本の飲食業界の流れ」は違う

飲食業界や料理の流行は、ネットや雑誌などに出てくるときにはすでにブームになると分かっていることが多いんです。ただ経営者としては、その前の段階で今の料理界の流れみたいなものを掴んでおく必要があると思っています。

料理界の流れには、大きく分けて2つあります。「世界のレストラン(飲食店)」と「日本の飲食業界」とでは、流れが少し異なっています。

世界的な流行を知るなら、「世界のベストレストラン」を見ておくべきだと思います。

たとえば薪火料理のお店「薪火料理 FIREPIT」のオープンにも、このベストレストランの結果が影響しています。2000年代は分子料理、ガストロノミーをテーマにしたお店が多くランクインしていました。しかし徐々に素材感やナチュラルさを大切にするお店が上位を占めるようになり、2015年頃から薪火を使ったレストランが順位を上げてきた。それをヒントに「FIREPIT」を立ち上げました。

そんな風に、今世界で受け入れられているのはどんなレストランなのか?という流れは、特に経営者なら参考にしておくべきかなと思います。

一方で「日本の飲食業界の流れ」とは何か。例えば「ホルモン料理」とか「熟成肉」とか、世界の料理のムーブメントの流れとは少し違う日本独自の流行りのことです。

こちらは飲食の業界紙でいくらでも分かりますし、毎年の発表などから今支持されているものを把握できます。料理人同士の会話の中で知っていくことも多いですね。

どちらも飲食業界で生きていく上では欠かせない情報です。


情報=未来を決めるための大切な資本

私は経営者になってから、徐々に情報の大切さを学んできました。もちろん従業員にも情報収集は大切にして欲しいのですが「情報を取ってきなさい!」って押しつけても意味がないのであまり強くは言いません。

お金が大事、商品が大事、人が大事っていうのは、誰でもなんとなく分かることだと思うんです。どれも目に見えるものだから。でも情報って目に見えないものなので、どれだけ大切かは一従業員にはなかなか伝わらないことが多いんです。

それに情報収集は、すぐにお金になるものではありません。今日来た魚を捌くとか、お店に入ったらまず掃除するとか、目に見える「やらなきゃいけないこと」がどうしても優先になる。だから情報収集することを仕事としてやるのは、なかなか難しいことだと思います。

例えば「新商品を作るため」など、目の前に具体的な目的や課題があれば出来るのかもしれません。でも目的もなく日常的に情報収集しなさいと言っても、おそらく難しいはず。

でも実は情報こそが、会社の行く末や将来の方向性を決める大切な資本なんですよね。自分自身の未来を決めるための手段でもある。それなのに、自分から情報を取りに行かないことで損をしてしまう人が多い気がします。

情報収集を強制しない代わりに、私はスタッフに「投資信託でも良いから株でもやったほうが良いよ」と伝えています。自分の投資した株の値段が上がってるかどうかって、誰もが気になりますよね。だから千円でも2千円でもいいから定期的に株をやりだすと、嫌でも日々のニュースに敏感になる。

世の中の話題を知っておくことは、接客する人にとっては非常に重要。世の中のことが何も分かっていないと、例えばお店に来たサラリーマンの方と会話も続かないですよね。

そうならないためにも、まずは自分の興味がある世界のものでいいから株を始めてみるのがおすすめです。スタッフには世の中のことに目を向けられるようになって欲しいですね。

また現場のスタッフには、Instagramを使った情報収集も勧めています。スマホで見られる情報としてはインスタが一番旬だと思うので。好きな料理人やお店をフォローして、どんな料理を発信してるのか、どんな活動をしてるのか見て刺激を受けて自分自身に活かした方が良いよと伝えてます。

料理は技術商売。だから出勤時間中だけしか料理のことを考えないスタンスだと、どうしても限界はあると思います。でもそれは強要できることではないので、せめてこの業界を好きになってもらうためにも、興味のあるものを見て欲しいなと思います。

ちなみに店舗ではInstagramの更新をお願いしていますが、そもそも発信したことの無い人にとってはハードルが高い。そこで、各店舗の投稿は全部専用のグループチャットでまとめてチェックしています。

投稿をアップしたら、各店舗のスタッフが入っているグループチャットに内容を報告。そこで気になった点や気になる点があればフィードバックをします。全店舗で投稿の内容やアドバイスを共有しながら、みんなで良いものにしていこうと試行錯誤中です。

写真や文章って、結局はセンスだと思います。でも、センスが無くても知識があればカバーできる部分も必ずある。だから最低限のセオリーは押さえてもらえるように、サポートしています。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

引き続きお店や会社のことをnoteに記していきたいと思っています。ぜひチェックしていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

情報発信のためにTwitterも始めてみました。フォローよろしくお願いします。


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