写真のあった場所へ(2)

少し時間空いてしまったが、このタイトルの話を続けて。

カメラの選定を無事終えた自分が、最初の頃の被写体として選んだのは、自然もそうだし、都心のビジネス街の古い橋の様子など、または日比谷公園のイベント、地元のイタリアンバルの人々、またバルの内観、スタイルのいいクルマetc.とにかく、撮りたいと思ったものは、テーマを決めず、興味の赴くままに撮り続けた。本格的な趣味としては入門機以上の機能を持つContax T3は、どの被写体を撮っても、プリントされたものは、自分が撮ったものとは思えない程の出来映えで、とても驚いた記憶が鮮明にある。

T3を手にして、いちばん最初、本当に初めての撮影場所は、近所の水元公園という自然豊かな公園だった。コンパクトカメラだが、何故か三脚を購入して、水元の時に使ったかは忘れてしまったが、自分も写り込んだ池や森林を背景にした1枚が、写真を趣味とした、ほぼ最初の一枚だったように思う。テクニック的なことを言ったら皆無というか、全くのスナップ写真の1枚で、ただ水元公園に来ました、という記念写真の域を出ないというものだったが、これから沢山の写真を撮り続けていくのだろうという、この写真という世界の広がりに、喜びや、期待感すらさえあったように思う。

水元公園は、最近も、デジカメやスマホになってしまったが、被写体が沢山あるスポットでクルマでよく出かけた。メタセコイアなどの街路樹や、朝日が昇る樹々と水辺、小川のような用水路の風情など、何年もかけて、何回も繰り返して撮り続けていて、その写真をざっと見返すと、確かに自分の感度や、自己流だが写真技術的なもの、スキル、レベルの変遷が見て取れ、少し嬉しくなったものだ。最終的には、あるジャズボーカリストの宣材写真を撮って欲しいという、身に余る仕事の真似事までになるという、「写真のあった場所へ」という旅を、ここで、続けていきたいと思っている。ただ、講釈じみた話になりがちなので、もう少し、自分の感覚的な推移が分かりやすく書けるようにと自省しつつ、今回はこの辺で。

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