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祖父の夢

父方の祖父の夢を見た。

(祖父は私が高2の時に亡くなっている)

昔住んでいた家の最寄り駅近く、ボロボロの貸家で、母と次兄が暮らしている。

父方の祖父もなぜかそこに同居。

祖父が体調を崩し、寝たきりのようになっているのに、母と次兄が引っ越すという。

祖父を置いて。

私は母の家に行き、気持ちは変わらないのか確認するのだが、母はあっけらかんとしていて、明るく「うん!」なんて言っている。

一つののり弁を母と次兄と私の三人で分けて食べて夕食とし、いたたまれなくなって帰ろうとしたら、「おじいちゃんに会っていきなよ」と言われ、障子を開けて祖父の部屋に入ると、祖父は高熱を出してもう虫の息のようになっている。

なんとか考え直してほしい、という言葉を飲み込み、私がこの家に引っ越してきて面倒を見ればいいんだ、と思い立つ。

私に気づいた祖父が「おお~来たのか」と言って突然服を脱ぎ「おじいちゃんこんなに元気だぞ」と言うと、祖父の体がボディビルダーのようにムキムキになっていく。

「そっか、そんなに元気なら安心だね」と言って私は母の家を出て駅に向かう。

駅の前でフォーリンラブのバービーちゃんが双子を抱えて里帰りしているところに出くわす。

バービーちゃんと私は夢の中で、仲のよかった同級生という設定になっていて、久しぶり~なんて挨拶を交わす。

少し話そうよ、と言って駅近の商業施設に入ると、バービーちゃんが「何があったの?」と笑顔で聞いてくる。

その笑顔を見ていたら私は堰を切ったように泣き出してしまって、何も言うことができない。

「おじいちゃんが…おじいちゃんが…」

とだけ口にして、ただただ涙が止まらない、

というところで目が覚めた。

目が覚めても私は別に泣いてなくて、母も次兄も寝たきりの老人を見捨てるような人では全然ないのに、なんであんな夢を見たのかと不思議に思っている。

実際の祖父は私が中学生くらいの時に脳出血で倒れて以降、入退院を繰り返して3年後くらい、最期は私たち家族に看取られながら病院で静かにきれいに亡くなっている。


※画像はpro.fotoさんよりお借りしました。



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