夜空のひこうき雲(11)
朝早く、まだ空が白い時間 外に出た
少し遠くまで散歩した
車通りも、人もほぼ無く
この道は自分だけのものみたい
段々と陽が昇っていく
植えられた街路樹が目を擦って起きてきた
朝日に照らされた枯葉がキラキラと光っている
小鳥たちが番いで飛び回っている
ねぇ。君。
こっちの世界も棄てたもんじゃないよ
よく見れば、美しいものがまだまだあるよ
そういえば、君の大好きなアニメが劇場版で映画化されてるよ
君が珍しく「作者に会いたい」といった作品だよ
「なんだよ。ずるいなぁ」って悔しそうにしている君の顔が
目に浮かぶよ