no.2/あみだくじと洗濯機の謎【日向荘シリーズ】(日常覗き見癒し系短編小説)
※目安:約3300文字
「「「「「じゃ〜んけ〜んぽん!」」」」」
七月。土曜日の朝十時。日向荘の一室から、男たちが戦いの声を響かせる。それに合わせるように、玄関先の通路に設置された外置きの洗濯機が、リズミカルなモーター音と水音を立てている。
単身者向けの昭和アパートは、若者が集結して騒ぐと、それはそれはいい近所迷惑になるものだ。でも土曜日だからなのか近隣住民の心が広いからなのか、苦情が来たことは一度もない。
「「「「「あ〜いこ〜で、しょ!」」」」」
「ッシャー、イチ